見出し画像

連続小説「アディクション」(ノート42)

ギャンブル依存症から立ち上がる

この物語は、私の誇張された実体験を基に妄想的に作られたフィクションですので、登場する人物、団体等は全て架空のものでございます。

「ゲーム大会」〉

精神科における治療プログラムとして「レクリエーション」というものは、かなり重要な役割を持つプログラムである、はずなんですけどね。

ここ「正力クリニック」のアディクショングループにおいて、だいたい四半期に一度くらいのサイクルで表題の「ゲーム大会」というものが行われており、まさしく、バラエティ番組でやるようなゲームをチーム分けして対抗戦を行い、ポイントを多く獲得したチームが優勝し商品ゲット、という構成なんですが、

「使えないゲームが多いんですよ、、」

と、才所さんが悩ましい表情で企画をしていました。

ゲーム大会の優勝商品は、「チロルチョコ」とか「ブラックサンダー」とかなんですが、それを得るためにメンバーは全員ガチになります。

そして、あらゆる不正をやらかします。

まず、夏の大会の椅子取りゲームは、

「『椅子取り』なんだから、座ったやつを蹴飛ばして椅子を取ればいい」という迫丸さんの「ジャイアン的行為」でメンバーさんが怪我をしてしまい廃止。

そして、その前の春の大会の「フルーツバスケット」は、これも迫丸さんが、「昨日となりのヘルス『セクレタリアト』に行った人!」に淡河さんが反応して立ちあがるも座り直して、「おい、正直に言え!」と詰問したら押し問答になり雰囲気が険悪になったので廃止。

さらにその前の去年の冬の大会は、「絵しりとり」で、やはり迫丸さんが、「熊(くま)」に続いて、女性性器をデカデカと書いて、しかも堂々と読み上げて収集がつかなくなり廃止。

だいたいは、迫丸さんのせいで、ゲームのレパートリーが無くなってきていたのでした。

「迫丸さんは、色々と助かることとかもやってくれるんですけど、このゲーム大会に限っては、いつも何か知らないスイッチが入っちゃうんですよね」

「才所さん、私を事務スペースに呼んだのはその話なんですか?」

「すみません、屑星さんのお知恵を借りたくて、、」

「いや、私はてっきり3月でここを卒業することに向けての話かと、」

「どうもすみません。その話も続けていたしますよ。」

「そうなんですね。あ、でもそんな、ゲーム大会で大したアイデアなんて全然ないですよ。」

といろいろと話をして、ゲームのお題を決めたのですが、今回も「大荒れ」になってしまいました。

まずは、「叩いて被ってジャンケンポン」を全力でやってもらうことにしました。どうせ何やっても皆さんムキになるのなら、むしろこいつで思う存分力を出し切ってもらって、まあ、ピコピコハンマーだから、いくらヘルメットなしでも殴る反則したところで、大したことないということでゴーサインとなりました。

「うまくいきましたね。」

「『間違っても素手で殴らないでください』だけ徹底させたので良かったです」

「まぁ、迫丸さんは予想通りじゃんけん関係なく終始ハンマー持ち続けて、一方的に魚さんを殴りまくってましたね。」

「取り敢えずケガ人が出なかったのが何よりです。」

続いては、「お題ピンポン」です。スマッシュ禁止で、古今東西のお題を出し合い、答えが出なかったり、ミスが出たらポイントとなるゲームです。

「いやぁ、玉井さんとノブさんのラリーは見応えありましたね。」

「AV女優で50回もラリーが続いたのは鳥肌モノでした。」

「個人的には『竹下ゆかり』が出てきたところが感動的でした。」

「いやぁ、これは屑星さん、ナイス企画でしたよ。」

そして最後のゲームは「マジカルバナナ」です。これは無難に終わるだろうと思いきや、落とし穴がありました。

まずは、才所さんが

「マジカルバナナ、バナナといえば?」

魚さんが

「く、くだもの。くだものといえば?」

大北さんが

「リンゴ、リンゴといえば?」

ノブさんが

「赤。赤といえば?」

玉井さんが

「血!血といえば?」

淡河さんが

「せ、生理!生理といえば」

迫丸さんが

「生理は島ちゃん最近きてません」

(全員ドン引き)

才所さんが事態を収拾しようとしたら、島野さんが

「はい、私、妊娠しました」

〈「妊娠」〉

「なぁ迫丸、お前ボネから聞いてたのかよ?」

「いやいや淡河さん、当てずっぽうですよさすがに。」

「しかしアイツもやること早えなぁ」

「そういうわけで、島ちゃんも『オンナ』になったということか。」

後ろで聞き耳立てながら、魚さんが興奮して鼻血を出していました。

「まぁ、ゲーム大会の『振り返りミーティング』で話すつもりだったみたいですからね。」

「なぁ、屑星さんよ。実は悔しいだろ」

「淡河さん、何てことを。正解ですw」

「屑星さんは、島ちゃんのことを娘のように気に入ってましたからね。」

「玉井さん、仲人は理事長じゃなくて、私がやりたいくらいですwww」

「しかし、妊娠したってことは少なくとも1回以上は叡智したことということになるんですよね。」

「ノブさん、もしかしたら体外受精かも知れません。そんなの信じたくないw」

「いやいやいや、もうボネさんとの叡智無しではいられないカラダになっていますよ。間違いありません」

「そうかぁ、、って魚さん、便所に駆け込んじゃったよ。」

「よく芸能人が妊娠すると『新しい命を授かりました』なんて言うけど、ボクに言わせりゃちゃんと『妊娠』と言えと。NNしましたとはっきり言うべきです。」

「ノブさん、NNまでは余計ですw」

まぁここのメンバーは「妊娠」とかの話題で、オブラートに包むような言い方をすることは一切いたしません。

個人的にはD専の私としては、島野さんは真逆であるのでいわゆる叡智の対象とはなりませんが、私と真逆な人にはある意味たまらないとなるでしょう。

で、産休に入るのが私の卒業時期と同じタイミングの3月末のようです。卒業後に再会するのはお母さんになっているんだなと感慨深くなりました。

男が子供を産むということはできません。個人的には男と女は違う生き物という見方で捉えております。最近、「女性とは、こういうもんだ」的な発言がかなりNGワードとなっている傾向にあるのですが、私からすると「女の人は話が長くて負けず嫌いの人が多い」と見ております。まぁこれを「偏見」と捉えるかどうかというのもありますが、私はそう思っていて言っているだけの話ですw

話が脱線してしまいましたが、女の人でないと子供を産むことはできません。そして、妊娠と出産をするという「運」がその人の認知や行動や感情を大きく変える可能性があると思うので、女の人が自分の人生変えたかったら、とっとと妊娠すればいい、と思っています。

今回はここまでとします。

GOOD LUCK 陽はまた昇る
くずぼしいってつ





















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?