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連続小説「アディクションヘルパー」(ノート3)

人生全て「運」。失敗をおそれるな、あやまれば済む。

この物語は、私の誇張された実体験を基に妄想的に作られたフィクションですので、登場する人物、団体等は全て架空のものでございます。

〈「訴求力」〉

三島先生の、見事な「あいさつ」についての講義が終わり、午後は「藤藤コンビ」の藤瀬先生から「介護職を取り巻く状況」についての講義がありました。

先程の三島先生はホワイトボードを用いて講義をしてましたが、藤瀬先生はパワポを用いての講義となりました。

現在の日本の平均寿命とか、一人の高齢者を何人で支えなきゃいけないとか、そこから介護の需要、介護保険制度の必要性と、非常に分かりやすく、興味深く受講することができました。

この辺の内容について触れることは割愛しますが、私が講義を受けて感心したのは、「今まで私があらゆる学校で受けた「授業」の質より数段レベルが高い」ということでした。

学習塾母体の講義のレベルは本当に高いということです。

高校、大学、専門学校の授業ってホントに眠くなるし、興味が持てないんですけど、やはり予備校とか塾というのは生徒に興味を持って理解させる手法が、単に黒板に書いてダラダラしゃべるというもとではなく、まずは「どうやったら興味を持ってくれるか」ということに講師毎がそれぞれ独自の工夫を凝らしていることがよくわかりました。

表題のとおり「訴求力」が違うし、これは学力の伸びにもつながると思いました。

やはりよほどの天才は別として、東大とか早慶に入るためにはどんな教員とか講師に教わるかで雲泥の差があるんだなと、地方高校出身の私はつくづく実感しました。まあ、私の同級生もだいたい一浪して予備校に行って学力伸ばして大学に入った者が多く、現役合格って推薦入学くらいしかホントいなかったような気がします。

まあ、勉強もそうだけど、これから関わろうとする仕事も実は興味が持てて面白いと思えるか。この時点では「仕方ないから通ってる」という状態なので、さあ、どうなるか。

〈「小テスト」〉

その前に、ここの訓練を修了し資格を取るためには、法令で定められている受講科目、受講時間をクリアすることとともに、「試験に合格」することも必要となっております。

仮に落ちても「追試」があるので最終的にはリタイアさえしなければ資格は取れるのですが、やはり追試というのも面倒だということに加え、試験にパスできる知識や技術を習得していないことには現場でやっていけるかというのもあって、やはりその「試験に合格」という目標には皆さん真剣になるということです。

そして、こちらの「魁進ケアスクール」では、その日の講義終了ごとに「小テスト」を行い、最後の資格取得を判定する「筆記試験」の問題も、この「小テスト」の中からほぼほぼ出題されるということで、この「小テスト」の存在は我々にとってかなり大きなものであると、私は解釈しておりました。

ちなみに小テストに該当する部分は、講義中に講師が教えてくれるので、そこは特に注意して聞くというなかなか上手いやり方をして我々に「プレッシャー」をかけてきますw

講義の合間の休憩時間で、どこが本日の小テストの出題範囲なのかということを皆で確認し合うという作業が必然的に生じてくるということで、「動きの速い」石毛さんが私に話しかけてきて、

「屑星さん、小テストどうすりゃいいのよ。」

(どうすりゃいい、って受けるしかないと思うのですがw)

「そうですね、ただ、本番ではないということで、点数のことは考えないで復習する感覚で受ければいいんじゃないですかね。」

「でも、小テストの結果も記録されるんでしょ?あまり低いのも嫌よ。」

「まあ、小テストは教科書から出題されて、しかもアンダーラインを引くように言われてますからね。とにかくそこだけ反復すればいいんじゃないですか。」

「そうね。それしかないわね。」

「あ、じゃあ、アンダーラインのところ確認しますか。」

「え、どこどこ?」

というような感じで、結構多くの方々が同調して集まってきました。

「何とかの7つ道具ってやつは出るよな。」

「あにやん、『バイスティックの7原則』ですよね。」

「何が7つ道具よ!だいたい7つ道具って知ってるの?」

石毛さんが間髪入れずに突っ込むと、

「大姉御、春の七草なら言えます。」

「あにやん、話が全然違う方向に行ってますよ。」

時折、色々とブチこんでくる方もいらっしゃいましたが、小テストの対策をしつつ、皆さんとの親睦も深めてきたということです。

で、「理屈バカ」の私としては、この小テストは全て満点を取ってやろうという気概で、講義中は必死こいてメモを取り、先ほどのやり取りを自ら仕掛けてはブレインストーミングを行うということに、ある程度の「快感」を覚えていました。そして最終目標は「最終の筆記試験では100点を取る」というのを掲げ、教室には30分前に入り前日の反復を行うというルーティンを課していました。

ただ、小テストは初日から2問間違えましたけどw

あ、10問出題されて、1問10点で満点が100点というシステムで、マルバツ式は私は深読みし過ぎて引っかかるんですよね。なんでも最終の筆記試験までにこの「小テスト」は20回以上はあるみたいなので、半分以上は満点を取ることを最低目標としました。

能書きでここまで生きてきた男です。

墓銘碑には「理屈っぽい男、ここに眠る」と書かれたいですw

今回はここまでとします。

GOOD LUCK 陽はまた昇る
くずぼしいってつ









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