友人は少ないが、人生は意外と悪くない

 私は過去に人と関わって、良い事も勿論あったが悪いことの方が強烈に記憶に残っているので、なるべく人との関わりを避けて生きている。
 私はいじめを受けた事がある。悪口を言われた。容姿を貶された。足を引っ掛けて転けさせられた。もっと酷いいじめもあるだろうが、私は運良くここで止まった。当時の私は、確かに悲しくなったりはしたが、割とそれで泣いたりはしなかった。正直、どうでも良かった。人間は他の人をいじめる事も出来るが、一緒に遊んで楽しんだり笑ったりする事も出来るし、それらはすべて誰かの言いなりではなく自分自身で選べるにも関わらず、彼らは何故いじめることを選んだのか。何故一緒に遊んで楽しむ方を選べないのか。良い方向に自ら物事を持っていかず、悪い方向にしか進めない彼らは、私にとってただ単純に不思議に感じられた。
 幼少期はわりと友達も多かったように思うが、大人になればなるほど付き合う人を絞る様になった。基本的に人間は愚かな生き物で、よく失敗をし、よくトラブルを起こす。自分自身もそうなのだが、人が増えれば増えるほどトラブルはそれぞれ個人だけでなく人と人との間でも発生し、余計に複雑かつ膨大になっていく。個人の問題でも解決するのに時間がかかって悩むのだから、人と人との間で発生した問題は余計に時間がかかって余計に悩む事は想像に容易い。幼少期のいじめの経験も踏まえて、私は私だけの人生をそんな他人とのいざこざの解決にまで使いたくないと思う様になり、人との交流をなるべく避けている。最低限のコミュニケーションは取るし、断じて無視をするという事では無い。仕事をする際には特に、1人だけで全てをこなすなんて事はできるわけがないので、上司や同期、後輩とのコミュニケーションは必要不可欠である。そこを蔑ろにするのはデメリットしかない。だが、友人という関係にはなるかどうかは別だ。必要以上に人との関係を深める事は人と人との間のいざこざを生む主な原因である為、なるべく避けているという事である。
 この様にいうと、人と付き合いを深めないなんて悲しい人だと直接言われた事があるが、それはその人の感想であって、私がこうと決めてやってきて今まで支障が生まれた事はないので、そう言って遠回しにでも心配してくれるのは有難いと感謝しながら、私は私の道を今日も進んでいる。


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