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羨望(『蛇にピアス』感想)

蛇にピアスを読みました

急に自分を重ねるのはいかなるものかと思いますが、

クソ真面目に、いや思考停止させて人生を生きてきたから、

空っぽそうな主人公ですら、怒りの感情とか持ち合わせていることに羨望の気持ちすら湧いた。


自分の体を改造したいとか、この入れ墨のデザインがかっこいいと感じたりとか

そういう気持ちが湧いてくることを、自分に許せるのが羨ましい。そんな感じ。


だって、人生なんざスタンプラリーで、やると決まっているものをこなしていく作業なんじゃないの?

その押印に邪魔になるものは極力排除したほうがスムーズだよね?

だからこそ、そこに考える余地などないし、何かに対して疑問を持ち合わせたり

理不尽なことに怒りを抱いたりするのは

自分で自分の人生を面倒にすることだと思っていた…というか多分今でも思ってる。

結局そんな面白みないけど、満たされている人生を送っているから、あえて刺激を求めてこの作品に、触れたんだと思う。

それなら、クソ真面目に生きてきたことでこの作品に出会えたんやんと思うとそれはそれで良かった。

わたしつまらないなぁ。

でも小説は良い。自分の人生に物語を重ねるのは自分が勝手にやってるからで、小説自体がそれを強要したりはしない。

勝手に自分と重ねたり比較して、あぁこんな人生もあるんだなぁと思ったり思わなかったりする。

アマを想うルイには結局憧れられないけど羨ましいと思ってしまうのが、いまをいきるつまらない私。

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