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『Pen+ 『完全保存版 1冊まるごと、神田松之丞(メディアハウスムック)』を読んだのを忘れていた(2020年10月21日)

皆様、こんにちは。森貴史です。

いつも「スキ」をくれたり、コメントをして頂ける皆様、本当にありがとうございます。
本日は読書レビューです。

以前行なっていた『SHOWROOM』生配信時代にレビューした一冊なのですが、今作もまたデータが残っておらず、改めて書き直してみました。

さらに大分時間も経っているので、書店には既に置かれてないと思われます。
ご興味ある方は図書館とかで借りて下さいませ。

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(2020年3月にまとめたものを、ほぼ修正無しでお届けします)

ある日テレビを点けたら、『講談』なる文化が特集されており、名前をあげられていたのが神田松之丞というお方だった。

興味を持った以上は調べなくては!と本屋に行き講談にまつわる本を探したのですが、何と一冊も置いていない!
さすが旬の人、関連本も即完されており、図書館に行って探したところ、今作にありつけた、ということです。

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「1冊まるごと、神田松之丞」というサブタイトルから、講談に詳しくない人は読めないのかな? と思いがちですがそんなことはなく、最初の数ページ目の題が、
「そもそも講談って、一体どういうもの?」
というところから、始まります。
さらに「講談事情を分かりやすい系図で把握」というページもあり、見開き2ページで過去から現在に至る講談の歴史と、現在の講談界事情を知ることが出来ます。
それと同時に、現在の講談界の厳しい裏事情と松之丞さんがブレイクしたことの凄さを分かるのです。

それを実感した次のページにあるのが、神田松之丞さんの持ちネタ全リストと勝負ネタトップ10が載っており、内容が分からなくても朧げに「凄い人なんだなぁ」と誰しもが虜になってしまうハズ。

伊集院光さんを始めとする著名人との対談や、一流の喋りのプロが松之丞さんについて語るページもあり(個人的には高田文夫さんのインタビューが好き)、「クリエイターが描く、神田松之丞の世界」というページでは、歌人の伊波真人さんが、講談を短歌にして詠むという試みも行っており、日本のカルチャーが好きという人にはたまらない一作となっております。

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個人的に好きだったのは、ライターの九龍ジョーさんのコラム「神田松之丞とその時代」だ。
九龍さんはポップカルチャーや伝統芸能についての執筆が多く、今回は2ページのコラムで神田〝松之丞さんがどうして売れたのか〟についての鋭い考察が書かれていた。ムダのないスマートな文章、これがプロというものなのか。講談に興味はなくても、読書好きならこのページだけでも読んで損はないかも。

もう一つは、〈『銀座7days』の7日間に密着〉という特集。2018年7月23日からの連続独演会を、フォトグラファーの橘蓮二さんが、写真と共に迫ったレポート、これを読めば誰しもがファンになること間違いなしだ。

ここで多くは語らないけど、レポートの文のラストの「この七日間公演も、この先にある真打昇進から、大看板へと連なるステージへのほんの序章に過ぎないと感じる」とのお言葉が気に入った。

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今年の2月に、6代目・神田伯山を襲名し、真打昇進。コロナウイルスによって、襲名披露公演が中断してしまうものの、現在はYouTubeでその巧みな話術を惜しげもなく披露している。

この人が次に向かうのは、どのステージなのか、そして巻末に書かれている夢の一つ、
夢の演芸場なるものは本当に完成するのか。
楽しみである。

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これでSHOWROOMの生配信で行なった本のレビューは最後だと思います。
ここからは、新たに読んでいく本について行います。
果たして何冊出来るのか。
応援よろしくお願いします。

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