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(創作)カナダの中規模人気ブルーワリー、カリブービールを応援する、SFファンタジー1

★2年近く温めてきた話を、100%夢物語として書こうと思う。実名ででてきますが、あくまで私の個人的な夢物語、創作に過ぎず、本物や実在の人物・団体とは無縁ですので、ご了承ください。カリブー緑缶が好きだから、その美味しさとうんちくを語るために、題材にさせて頂きました★

カナダで人気の中規模ブルーワリー、
パシフィック・ウエスタン・ブルワーリー会社のメインブランド、
緑の缶のカリブービール。

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6缶入りで7−8ドルだから、一缶100円くらい?のお手頃なビール。だが、大手のモルソンやコックニーよりは小さく、小規模クラフトビアブルーワリーよりは俄然大きい。日本やアジアでも細々と売られているらしい、中規模から大規模未満といった、British Columbia州、BC州を代表するビール会社である。

日本人にわかりやすくいえば、沖縄の地ビールっぽい、沖縄人に愛されるオリオンビールみたいな会社。BC州の北東部にプリンス・ジョージという街があるのだが、そこの地ビール会社だった。25年ほど前に経営が傾いたときに、日本人女性、Kさんがホワイトナイトとして買収して、地元経済を支える国際的な中規模ビール会社までに育て上げた。

Kさんは長年社長を務め、政治力とマーケティング力で見事会社を更生成長させたが、2年ほど前に70代半ばで癌で亡くなった。BC州の日本人、日系人はもちろん、カナダ政府にも知られ、プリンス・ジョージ市の人たちとパシフィック・ウエスタン・ブルーワリー(以下PWB)の会社の人たちにも深く感謝された、こっちでは有名な女性ビジネスウーマンだったようである。同じ日本人女性として、誇らしい。

私がこちらにきたとき、水代わりに「安物」のカリブービール、緑缶を飲んだ私は、ちょっとびっくりした。

>水!、が美味しい。。。

ビールを飲んで、小麦の風味がよい、ホップが効いてるなどの感想は当たり前だったが、カリブーの緑缶の第一印象は、麦、ホップ、モルトを差し置いて4番目の主要ビール原料、一番地味な、

>水の味が、フレッシュで美味しい。。。

だったのである。味が薄い、というわけではない。軽いビールだが、麦もモルトもホップもちゃんと存在感はある。だけどそれらを超える、水の個性とエネルギーが感じられるビールだったのだ。

ちなみに、
大規模ブルーワリーのビールは、ほぼ水っぽくて、ビールというより水がわり。美味しいとも思わず、のどの渇きを潤すために飲むことが多い。

小規模クラフトブルーワリーのビール、いやビアは、こだわりのクラフトビア。ビア大好きオーナーや作り手のこだわりの愛のエネルギーが一番の味。次に、小麦、ホップ、モルトなどの原材料の良し悪し、種類、組み合わせ、フルーツ等のフレーバーを、ワインみたいにあれこれビア好き仲間と語るのが楽しくて飲んでいる、ワインよりアルコール度の低い、ワイン代わりのアルコール、である。

大規模ビール会社のビールは、うんちく語れるほど味に違いも深みもない。日本のキリンとアサヒも同様。ブラインドテストで目をつぶって味見比較させると、区別つかない人が8−9割だそう。アサヒスーパードライ大好きで、これはぜったいわかると豪語してた知人も、同じお米がメイン材料の米ビールで比較させたら、やはり区別がつかなかった。

アサヒスーパードライは、麦より米がメインだから、麦メインに慣れた北米人にはビールらしくないと思う。いつのまにか、主原料の麦を米にすり替えたから、米好きの日本人に一番人気のビールになれた、と思う。アサヒのマーケティングと商品開発に、いつのまにかしてやられている日本人なのだ、苦笑。

とまれ、カリブービールは、大規模と小規模ブルーワリーの中間、いいとこ取りともいえる。大規模ほど味が無個性でないのは、プリンス・ジョージの美味しい雪解け水を使っているおかげ。地元経済を支えているこのビールが、地元民に愛されているエネルギーも入っていると思う。だが、小規模クラフトビアほど味が複雑で語れるか?というと、それは無理。水以外の材料は、あまり個性がない。だから、

>うん、水が美味しくて、飲みやすいビールだね(値段も安いしね)

で、おしまいなのだ。

私は、クラフトビア以外はほぼ飲まないのだが、カリブーの緑缶だけは、夏のジョッキビールが欲しいとき、ビアガーデンが恋しいときに、自宅のテラスで飲んでいる。

だが私は、このカリブービールが気に入りながらも、生前のK女社長さんに会う機会はなかった。
>このビール、わりに好きだし、日本人女性社長だというから、就活に行こうかな?
とちらりと考えたこともあった。彼女とは、ビジネスの目的、使命が同じに見えたから。

Kさんは、カナダの田舎町で潰れかけていた、地元の人たちが愛するカナダビール、カリブーブランドとその会社を救った。それは私もビジネスでやりたいこと。カナダのいい食べ物を日本へ、日本のいい食べ物をカナダへ。相互に売り込みたい。そしてグローバルな、あらゆる人種の人に愛される、フードブランドやビジネスを育てたい、ということ。

だから、Kさんにビジネス人としての親近感と尊敬を覚えてはいた。だが、実際に会う機会はなかった。だからまさか、亡くなってから不思議なご縁ができるとは?、夢にも思わなかった。

Kさんが亡くなったのは、2018年の7月。70代で癌を発症し、亡くなった。彼女は独身だったので、日本から甥を呼び寄せて、会社と後を託したらしい。だがその甥にはビジネス経験がなく、純日本人の新社長の下、おかしなコンサルタントもどきも入り込んで会社が揺らいでいる、という噂を聞いた。

>せっかく日本人女性社長が築き上げたいいビールブランド、会社なのに、潰れたらもったいないな。社内の人たちや、プリンス・ジョージの人たちも、困ってるだろうな

と思った私は、

>この会社のマーケティングの人に、今後の話を聞いてみたい!

と思いついた。私の専門はブランド・マーケティング。国際的一流会社やブランドを、ヘッドハンティングでいくつか渡り歩いていたり、日本の有名MBAスクールで教えてもいたりで、ブランドマネジメントやマーケティングはプロである。

マーケティングのトップに話を聞ければ、愛するカリブービールの将来がある程度予測できて、安心できる。また、私はいくつかブログをやっていたり出版経験もあり、雑誌等に書ける機会もあるから、カリブーの応援記事もかけるかも。

ということで、インタビュー取材を申しこむことにした。だが、コネは全くなかった。この会社と関係ある知人はいたのだが、社長交代でゴタゴタしてる会社に、知らない人を取材紹介するのは嫌だと、断られた。

そこで自力でネットで色々調べて、王道の方法、会社のサイトから広報宛にインタビュー取材申し込みをしてみた。だが、二ヶ月間、まったく音沙汰がなかった。

>やっぱり無理かな、社長交代でごたついてるしね。
と、私も忘れてしまった、ある夜のこと。

夜じゃなくて、明け方だったかもしれない。リアルと夢のはざま、私がトランス状態を気持ちよく漂っていたときに、Kさんが突然現れた。

>あのね、会社にコンタクトして、私の甥に私のお墓を作るように、伝えてちょうだい!

>はっ!?あのー、私、まったく関係ない部外者なんですけど。それに、私はサイキックの一種のチャネラーらしいけど、高次元専門。低次元の幽霊とつながるイタコ業務は、きっぱりお断りしてます。しかも3次元の常識で考えて、知らない人にいきなり、
>亡くなった伯母さんがお墓作ってって、いってます
とか言ったら?失礼通り越して、私、気狂い扱いされちゃう。

>大丈夫、そこはなんとかするから。お願い!私のシャネルスーツあげるし、あなたの仕事や永住権も手伝ってあげるから、代わりに伝えて。

>あのー、ご自分で甥ごさんの夢枕に立って、直接伝えればいいんじゃないですか?私を巻き込まないでください。いろいろ交換条件だしても、釣られませんよ!

>甥とは、まだ波長が合ってないの。ずっとそばにいるのに、話しかけても聞こえないのよ。そしたらわたしと波長が合う、ビジネスミッションが同じなあなたが現れたの。だから引き寄せられて、来たのよ

という、あ!これ夢だな!と苦笑するような会話を、知りもしないKさんとした「夢」をみたのである。Kさん(苗字)じゃなくてKさん(下の名前)?そう、なぜかわたしは、この幽霊というか低次元エネルギーらしい存在に、前から知ってるひとのような親近感を覚えていた。

高次元と低次元エネルギーの違いをざっくり説明すると、

高次元のサイキック(霊能者)は、沖縄のユタ的なひと
低次元のサイキック(霊能者)は、青森のイタコ的なひと

前者は、神様や自然の精霊という高次元エネルギーの声をきけて、生きてる人間、わたしらの未来や悩み相談にのってくれるひと。沖縄では占い師扱いかも。(ユタによっては、前向きなことなら頼まれたら、亡くなった人の言葉を伝えるイタコを兼ねるひともいる。)後者は、幽霊や動物霊という低次元のエネルギーの声をきけて、彼らが言い残したことや成仏できない悩みを解決するよう、生きてるわたしらに伝えてくるひとのこと。

沖縄方面出身のわたしは、ユタについては知ってたし、小さい頃からユタたちに、
>あんたはサーダカ生まれ(性高生まれ、つまり神様と人間のハーフという意味の島言葉らしい。褒め言葉にも危ない意味でも使われる)

と言われ続けていたのに、実はユタが大嫌いだった。母や祖母などが島のユタを盲信してて、子供であるわたしの将来をあれこれ勝手に相談してアドバイスしてくるから、ウザい。理系で科学万能主義の今の教育にしっかり洗脳されてた身としては、非科学的なユタやサイキックなぞうんざり、って感じだった。

でも数年前にとあるきっかけで、科学ではどうしても説明できない不思議現象が起きた。常識や科学で考えると頭おかしくなりそうだったので、ふっと悟ってそのまま受け入れることにした。
>まあ、そういう(不思議な)こともあるさー(考えるのSTOP!)
って。だから、普通の人に見えない、聞こえない、感じられないモノヒトコトがわかる、自分の五感と第六感が発達してきたのは、わかっていた。

でも、でも、、、幽霊怖い!私は、自分には霊感がないから、と言い聞かせて、幽霊や下等霊の声や思念は聞かない、聞こえないって、無視していた。だから、いきなりKさんの「夢」をみて、しかも甥ごさんに伝言頼まれたとか、そういう青森のイタコがすべきことを、引き受けるわけには断じていかない。

と、夢から目覚めて、ぼんやりと思った。頭がはっきりしてくるにつれて、

>ああ、そうよね。夢よね。Kさんのビール会社から音沙汰もないし、でも自分では無意識に気になってたから、変なリアルな夢をみたのよ。きっとそうだわ。

と、ほっとしつつ、iPadを開いたら、、、

Kさんのビール会社からの、インタビューOKのお返事メールが、二ヶ月音沙汰なかったのに、いきなり現れましたとさ。

続く(かも、しれません)

★追伸:緑缶のカリブービールが美味しいのは、フィクションじゃありません。BCリカーやカナダの酒屋さんで安く買えるので、カナダにいらっしゃる方は、飲んでみてください。日本でも、通販や卸して売ってるようです。水の味にうるさい日本人の舌にも合う、美味しいビールです。

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