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球場観戦だからこその「間」

前回は野球観戦での流れを振り返った。今回はその中で特に強く感じたことを記しておこう。キーワードは「間」である。

「野球は『間』のスポーツである」と言われる。

プレー間には、必ず間がある。その間、サイン交換がなされたり、打者と投手・捕手との間で駆け引きがなされる。時に走者もそこに参戦する。そして、観客はその間に固唾を飲む。

まさに、現地での観戦はその「間」を楽しむ時間であると言って良い。

だが、家で観戦していると、どうしても何かをしながらの観戦になりやすい。パソコンでネットサーフィンしながら、家事をこなしながら…。肝心な「間」の時間は、何かする時間に化けてしまう。

現地でも、飲食したり、会話しながら観戦することは当然にあるが、その時でも1球への集中度は全然違う。常に次の1球へ注目し続けているのだ。どういうボールが投げられるのか?どういう結果になるのか?と。

先日の試合でいえば、7回以降はその真骨頂が発揮されたと言えるだろう。双方得たチャンスをいかに得点につなげるか。守備側はいかに防ぐか。同点・1点差の終盤戦は、文字通り息をつく間のない展開であった。

例えば、7回表1アウト満塁、フルカウント。ミエセスは何とかして出塁したい。仮にアウトになるとしても、自分の打席で1点取りたい。

東はボール球を投げられない。野手陣はエラーできない。飛んできた打球はどれだけ難しいものでも、何としてでも捕りたい。選手誰もがそれぞれ、厳しいプレッシャーの渦中にある。

ベンチにいる監督・コーチ・選手たちも同様だろう。

その重圧は球場全体を包み込み、観客の目を自ずと次の1球へと向けさせる。

猛烈な歓声、そして、最高潮の局面で急に訪れる、誰もが息をのむ瞬間。結果を見ての一喜一憂。

その雰囲気たるもの、球場でなければ味わえない。その「間」を感じるために、楽しむためには球場観戦が最良である。

先日観戦した試合はそれを実感させるに十分であった。

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