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逆転の発想で、もう価格設定に悩まない!

価格設定で悩む原因

なぜ価格設定でこんなにも悩むのか、それは、商品開発の最後に価格を決めるからです。商品は出来上がってコストが決まっているので、販売価格が利益額に直結します。

価格設定で悩まない、逆転の発想

それなら、逆転の発想で、商品開発の最初に価格を決めてしまえば、もう価格設定に頭を抱えることはなくなるのです。
商品開発の最初に価格設定を行う、というのは私の思い付きではありません。世界のトヨタでも、開発の最初の時点で価格帯を決め、そこからモノづくりが始まるといいます。どういうことでしょうか?あいにく私は車に詳しくないので、もっと身近なお弁当屋さんのケースで考えます。

お弁当屋さん、Aさんのケースで考える

市役所の近隣に3軒あるお弁当屋さんのうちの一軒、A店(和食弁当500円)を経営するAさんは、ライバルであるB店(和食弁当500円)、C店(和食弁当500円)との横並びの状況を脱してもっと売上を伸ばしたい、と考えています。3軒とも和食弁当ばかりなので、Aさんは洋食弁当を開発してB店・C店と違いをだすことにしました。

市場分析(競合と顧客ニーズ)

 市役所の職員がランチに行ける範囲内で洋食を食べられるお店を探したところ、駅前のカフェレストランではパスタやカレー、フライとドリンクのセットを900円で販売していました。近隣のコンビニでは、パスタを400~500円、ドリンクを合わせると500~600円くらいです。コンビニの商品棚をみると、洋食弁当というとパスタが多く、どうやらパスタがお客さんに人気のようです。
 

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顧客目線で価格と商品価値を設計する

市役所の職員の立場で考えると、手作りのおいしい料理なら、コンビニより高くても納得してくれるでしょう。でも、カフェレストランで食べるより高いお弁当は、割高感を感じて買わないかもしれません。

 そこで、Aさんは、新しい洋食弁当は「パスタランチ650円、ドリンクセット+100円」とし、作り手の顔の見えないコンビニ弁当との違いを強調するために、「Aシェフのおいしいパスタランチ」と書いたチラシを自分の顔写真入りで作成し、店舗やホームページ、SNSに掲載しました。

パスタランチは原材料費を30%(195円)までと決め、まずは定番で原価も安い、トマトソースとハーブ鶏のパスタを開発しました。日替わりでいろいろ試しながら、人気の高いメニューを探るつもりです。

まとめ

いかがでしたか?「商品開発の最初に価格を決める」というのは、こうしてみると全く無理がありません。むしろ、最初から顧客の立場に立って、競合(コンビニやカフェレストラン)の価格と商品価値のバランスを考えて新商品を設計するので、お客さんに受け入れられる可能性が高く、効率の良い新商品開発方法です。最初に顧客目線で商品価値と価格を決めておく、というのが、今回お伝えしたかったポイントです。


商品開発は、最初に顧客目線で売れる商品を設計してから、モノづくりにかかりましょう。

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