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企業改革の研究「7972イトーキ」

アドバンテッジ・アドバイザーが2020年に転換社債を引き受けたイトーキですが、先月の決算でアドバンテッジがCBを転換して売却し、提携の終了を発表しました。

同社の営業利益は、コロナ前のピークが15/12期の43億円。それが23/12期は85億円、24/12期は計画100億円で、26/12期の中計最終年度は140億円としています。以前のイトーキは、典型的なJTC(伝統的日本企業)で、見るところもありませんでしたが、ここ2年の製品値上げで粗利を改善し、今後の成長にも自信を深めているようです。
アドバンテッジの入る前と後のIR資料が下の添付です。
・23/12期末発表の中計
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7972/tdnet/2395479/00.pdf
・18/12期
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7972/ir_material_for_fiscal_ym6/61521/00.pdf
お時間あるときに比較していただくと良く分かるのですが、過去のIR資料では、自社の製品を軸に、いかに伸ばしていくかが語られています。しかし、最新版では、経営の7つの経営テーマ(Flag)と合わせて、オフィス投資が自社にどんな影響を及ぼしたのか、経営をどうデータドリブンにしていくかなど、Appendixにも詳しく記載されています。また、自社の株式の要求利回りを9~10%と設定し、目標ROEを15%と設定することで、株価がPBR1.5倍を目指すロジックも語られており、この規模の会社としては充実した内容です。

イトーキIR資料より

実際に中計を達成できるかは分かりませんが、資料を見るだけでも、充実した自社分析とアグレッシブな計画で投資家は引き付けられますし、これを実行している現場は活気があるのではないかと想像したくなる内容です。

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