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育休復帰後、時短勤務で昇進した話

「是非、リーダーになってもらおうと思っている」

私にそんな声がかかったのは、復帰してから2ヶ月位経ったことだった。確かに、私のしていた業務は、会社内では、私が一番長くやっていたし、英語が話せて、一時期海外営業もやっており、いろいろな見積もりを読み解くことができて交渉もできる、はじめて聞くようなサービスも概要は理解できる。そして、なにより、お客さんや社外との取引先とのコミュニケーションを得意としていたので、白羽の矢がたつののも、分からなくはなかった。

私の妊娠が分かったのは、会社の次期経営陣を育てる若手育成プロジェクトが終わって間もない頃だった。私は、会社を変えるぞ〜と意気込んでいたし、改善すべきことをリストアップをし、何から手を付けようか迷っていた。その中で妊娠が発覚した。

まず、私が思ったことは「あ、もう、キャリアを諦めないといけないかもしれない。」であった。1年のブランクに、子育て。色々な不安があった。しかし、子供を育てたかったし、年齢もいわゆるバイオロジカルクロックがアラームを鳴らす高齢出産の域にはいってきていた。「授かり物だから、いまは子供を育てることも良いじゃない。」そんな風に思ったが、子供を産むことによる仕事を中断するということに「戦力外通告」をうけたごとくショックを受けていた。

妊娠中も、つわりがひどく、在宅で仕事をし、妊娠5ヶ月で切迫早産の可能性が高いと、最後の3ヶ月も、在宅勤務で過ごした。もう、妊娠中に「自分ではどうにもならないこと」が多過ぎて、仕事のことはすっかり忘れていた。保活でも確実に復帰できる方法として「時短で復帰」を選んだ。「復帰しないと、なにも始まらない」と言われたからだ。

そんなこんなで「昇進」は諦めていた。たぶん、子供が小学校に入るくらいかな〜。それまでは、細く長く、着実に実績を積んで行こう。と思った。一方で、子育てを2の次にはしたくなかった。だから「自分がベストパフォーマンスを出せる体制」を自分で作ること。それが、私が仕事に復帰した時に考えていたことだ。

がしかし、私の育休中に会社では、色々なことが勃発していた。私の業務がニッチであったため、ちゃんと業務を安定的に提供できる人がいなくなっていた。そして、業界の変化により、急にに受注案件が増えていた。実は、直属の上司(部長)も、私の産休前に転職し、その後についた上長も転職していた。(業界的には転職が多いのだが、ここまで、重なるのは珍しい)そして、その後ついた、上長が全くの業界未経験者であったため、色々な問題が勃発していたようだった。

まぁ、そんな理由で、私が復帰後、色々な問題を処理していた。私の業務は、組織上は、独立していなかったため、組織上明確にわける必要があったが、今後のことも見据えて、組織を分けて、それぞれの業務にリーダーをつけるべきだ。という結論に達したということだった。

子供が大きくなるまでは「キャリア」を諦めていた。それは、たぶん、自分の中での思い込みだったからだと思う。時短で子育て中だけれど、リーダーをやらせよう!という会社にも感謝しているし、そんなリーダーの私についてきてくれている、チームのメンバーにも感謝している。でも、声を大きくしていいたい。育児中だからといって、キャリアを諦めるのは早い。環境が整ったりすれば、実績を積みながら、他のメンバーを育成しながら、会社に貢献できる。

来月でリーダーになってから2年が経つ。いつの間にか、息子も3歳になり、在宅勤務のため時短勤務はしていないけれど、リーダーという仕事の人材育成は、限りなく育児に近いと思っている。なので、育児本は、仕事にも活かせる。ということに気がついた。出産・育児をするということが「女性のキャリア形成」のハードルになる。そして、そのハードルは、自分自身の思い込みで作ってしまっていた。出産や育児を体験しているからこそ、解決できる問題や、効率的な時間の使い方を、他のメンバーにも伝えることができる。そんな風に思えるようになったのだった。

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