付箋のちからで達成できたこと

育休開けに大きな発見があった。それは、付箋のちからを借りてチームの目標を引き出せたこと。

私は、話すのは苦手ではないし、会話は続けられるタイプである。でもグループ内の会議では「みんなに公平に発言させなきゃ」というプレッシャーもあり、みんなが気持ちよく発言できるように気を遣っていたものの、上手く話を引き出すことができているとは言えなかった。

別の記事にもでているビジネスモデルキャンバスや、バリュープロポジションを教えてくれた師匠が、付箋のちからについて教えてくれた。

「人は、前に発言した影響をうけるので、順番に発言させると元の意見やアイデアが消えてなくなってしまうことがある。それを無くすために、一度、頭の中のアイデアを出し切ってもらう。そのために付箋はある。あと、匿名性もある。『自分がこんなこと言ったら変かな?』というプレッシャーから、良いアイデアや意見が出ない可能性があるので、付箋に思いを託すと言う意味で、付箋は有効。」

なるほど・・・奥深い。

確かに「こんなこと言ったら変かな?」というプレッシャーは、日本ではあるあるなので、日本の文化とも相性が良さそうだ。

ということで、私がリーダーとなったチームで付箋を使ってみた。

まずは「自分たちのチームのあるべき姿」を出してもらうことにした。私の会社では、業務を頑張ったチームに賞が贈られる制度があるので、それを受賞できるレベルだと具体的なイメージを出して3分ほど時間をとった。少なくとも3つくらい、キーワードだけでも良いからね。と、後押ししながらアイデアを出してもらった。

出してもらったあとに、みんなで発表するのだが、ここにもポイントがあり、2名ずつ、リズミカルに書いてあるものをそのまま「読み上げては貼る」を繰り返す。このときに長い説明は不要。(あとで時間をとるため)手持ちの付箋がなくなれば、違う人に交代をして、全ての付箋が壁に貼られるようにする。

すべての付箋が貼られたあとに、不明点があれば「この付箋の意味は何ですか?」と聞く時間を設ける。全体をみて、なにか追加がありそうであれば、1分ほど、追加付箋の時間を設ける。そして、発表は前述の通り2名ずつリズミカルに。(たぶん、これは誰が発言した。発表しなきゃいけない。というプレッシャーを感じるのではなく、発表している内容に集中してもらうための工夫だと思う)

次のステップは、出てきた付箋のカテゴリ分け、もしくは、優先順位をつけて、いくつかに絞り込む。私が実際にした場合は、近い意見やアイデアが多かったため、カテゴリを分けをした。このときに、チームの中で「自分たちのあるべき姿」の「共通認識がうまれた」。そして仲間である一体感もうまれた。優先順位をつける場合は、付箋に番号をはり、各自いくつか選んでもらう。そして、その選択結果を他の人と交換をし、交換した選択結果をもとに番号に投票する。(匿名性の担保のため)

そして「あるべき姿」が定まったら、その次に、現時点の「私たち」から「あるべき姿」になるために必要なことを、付箋で書き出してもらった。「データーベース」や「他部門との連携」など、具体的なものがでてきた。

次のステップは、その必要なものを「誰が」「いつ」までに「どう」調達するかを話し合った。このときは付箋を使わなかったが、すでにチームメンバー全員が「目標達成するための当事者意識」がうまれていたので「自分はどのように協力できるのか?」という意見が積極的にでてきた。

付箋ってすごい。

このとき、これまで付箋を「しおり」か、ちょっとした「メモ代わり」にしかしてこなかったので、付箋に謝りたかった・・・・

スキルが無くても、環境を整え、一つの「付箋」というツールを使うだけで、こんなに活発なディスカッションや「一体感」が生まれた。

ツールの価値とは、そのもののすごさではなく、使う人の方法によって価値は変化する。と知った瞬間でもあった。

最近は、リモートワークなので、「Microsoft Teams」の共有機能を使用して、パワーポイントで付箋だしをしているが、やはりまた同じ部屋で、チームメンバーと「リアル付箋」でワークショップをしたいな。と思ったのでした。

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