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アフターコロナの製造、加工業の在り方。

新型コロナウイルスCovit-19の影響で製造業は大きなダメージを受けている。

特に下請けの会社は元請けが販売を行えない関係により発注をもらえない、

材料が入ってこないから作れない。

など様々な影響が出ている。

そしてSNSなどを通じて

「自給率が低いことが原因だ!」

という声も聞こえてくる、

もちろん私もそう感じるが、少しだけ違和感もある。


人は忘れる生き物だ

人は忘れる生き物だ。

今回のコロナの影響で間違いなく誰もが(少なくとも経営者は)材料や、生産の現場を国内に移すことを検討しているのではないかと思う、

そして僕たちはコロナをダイレクトで経験しているので、

何かを判断する時の材料として"コロナ"を数年間は引きずるだろうと思う。


まずは海外で安く作っていたことを反省し、多少コストが上がっても国内に生産現場を移すだろう。

お客様にも「コストは上がるが、安定供給するために理解してほしい」と言えば大義名分も立つ。


しかし時間というのは流れるものだ

今何かを判断する役職ではない人たちがこの数年以内に判断する立場に成り、

コロナの時の混乱をあまり知らないままに様々な判断を行うことになる。

そしてまた僕たちもコロナの恐怖を忘れていき、

数年後「100年に一度あるかないかのために目の前の利益を削っていいのか?」

という判断に迫られるだろう。

そしてその時に混乱を知らない世代、もしくは知っていても目をつぶっている人たちが海外で安く作り出す。

そうすると市場としては間違いなく「安いもの」に動いていく。

その結果として売るためには海外生産になる。

これはとても難しい問題だ、

国が生産の一定数を国内で行うこと!などの決まりを作ってくれれば話は変わってくるだろうが、それも資本主義では難しいことだろう。

結局のところメーカーの"モラル"によるところが大きいのだ。

声を上げることの無力さ

声を上げることが無意味だとはもちろん思わない、

だが、"ただ"声を上げるだけでは変わらない。

それは市場が証明しているだろう。

衣料の現場で"国産に切り替えてくれ"とどれだけの人が、どれだけ長い時間声を上げてきただろうか?

その結果現在の洋服の自給率は2%程度になっている。

アフターコロナで一時国内に仕事が戻ってくることはあっても、

時間をかけてまた海外生産に戻っていくと僕は予想している。


結果として私たちのような製造、加工業をしているいわゆる"下請け"企業は、


声を上げて「生産を国内に戻してくれ」と言うだけではなく、

国が何かしてくれると期待して待っているだけでなく、

具体的に進めなければいけないのだ。


結局待っているだけでは何も変わらない。

変えられるのは社会ではなく"自分だけ"なのだから。

善意に期待するのをやめること

僕は善意を信じている、

人の中には優しさがある。

人の中には愛がある。

だけどそれには期待していない。

結果として善意をこちらに向けてくれたらもちろん嬉しいが、

会社を経営し、スタッフを抱え、

会社という船に乗り航海を行なっているからには

「次の島で誰かが食料を分けてくれたらいいなぁ」

とか

「嵐が収まってくれたらいいなぁ」

なんてことを希望的に考えることは"死"を意味する。

だから人に期待するのではなく、

自らが進んで考え、変わり、行動するしかないと思うのである。


アフターコロナを待って遊んでる暇はない。

今何をするか、

それが大切だ。

結局今現在「コロナが落ち着いたら戻るはず」とただじっと耐えている加工業や製造業の人がいるとしたらそれはすぐさまやめて行動し始めるべきだ、

遠回りに感じるかもしれないが、

できる限り異業種の本を読み、勉強し、新しいビジネスモデルを作るべきだ。

全事業の10%でもいい、

新しい事、周りの活動でブレない事を始めるのだ。


飲食店であればデリバリーを始めるのか、

テイクアウトを作るのか、

料理の動画を公開してマネタイズするのか、

出張で料理人を派遣することを考えるのか、

アルコールのテイクアウトの許認可をとっておくのか、

海外からの仕入れを利用して販売するB2Cモデルを作るのか、

飲食店で使っている家具を個人に販売してプロっぽい自宅を提案するのか、

キッチン設備を自宅でも使えるように幅を広げるのか、

予約システムを構築しておくのか、


僕が今1分で考えただけでこれくらいの考えることが出てきて、

試すことができるはずだ、


鐵工所だったら、

B2Cモデルとしてアイアンの商品を作れないか

自宅で鋳造ができる簡易キットなんか作れないか

B2Bに部品を収めるだけではなく、最終製品の営業代行はできないか

そもそもメーカーと今の間に国内生産に切り替える割合を提案して契約まで結べないか

人に依存している部分をシステム化できないか、

一般向けにコストは上がっても特注の製品を作ることはできないか

一般向けのDIY体験などができないか

教育機関と一緒にものづくり体験の教材を提案できないか

マニアックな情報配信をしてB2Cに流してこれないか



こちらも考えたらどれだけでもプランは出てくるだろう。

縫製工場では、

B2Cの商品はできないか

ミシンの販売代理店契約はできないか

縫製を教える仕組みを作れないか

B2B向けに在庫管理、検品代行、出荷代行などはできないか

製造と合わせて製品の販売代行ができないか、

工務店などの外作業の人たちや、オフィスワークを行う会社と契約して、

"専属お直し屋さん"ができないか、

ネットで受け付けるお直し屋さんが展開できないか、

縫製職人の派遣システムを作れないか


様々なことを考えて、

試す時間があるはずだ。

もちろん今書いたものの多くは使えないアイデアかもしれない。

でもたった数分考えるだけでこれくらいのアイデアは出てくる。

だから遊んでる暇はない、

政府を批判する暇もない、

アフターコロナに期待するのもやめたほうがいい。

今、

まさにこの瞬間に何をやっているか、

それが勝負を決めるのだ。


アフターコロナで日常に戻るのではない、

コロナが影響して多くの企業は借り入れを増やしているだろう、

その借り入れを返済するために強者たちはトンデモナイことを始めるだろう、

経済は二分化されるだろう、

アフターコロナを利用して儲ける企業、

そして日常に期待して置いていかれる企業、

置いていかれて生き残れる企業はいいだろう、

だけど「国内生産に切り替わるだろう」と期待し、待っているだけでは、

思いも寄らないことが起こってしまうだろうと予想している。


声を上げるだけではなく、

善意に期待するだけではなく、

今何をするかが重要だ。


何度もいうが、

変えられるのは自分だけだ。

国も、他人も、お客様も、取引先も、

自分の意思だけでは変えられない、

自らを変え、進む。

それしかない。


もし何か悩んでいたり、アイデアが欲しい。

ということであればぜひ僕に連絡して欲しい。

時間に余裕がある限りは相談させてもらいたいと思っています。



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