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本当にあった話。

坂道を駆け落ちる。
裸足で。
前に足を出し続けないと、転がりそうだ。
信用出来ないで、両腕はまち構える。
スピードが上がる。このまま。
子供を背負い、いっそう速く、視界はどんどん狭くなり、底だけを見つめる。
最後の一歩を踏み込んだ勢いで、
高く。
後ろ足は蹴り上がり、そして


気付く。こんなに焦る事無い。



寝過ごした!
卵、ベーコン!


冷蔵庫にちょうど2つ。助かった。
コンロに火をつけ。
子供達を起こしに、ドアを開ける。
熱くなったフライパンでベーコンが縮む。
カリカリの上に卵を落とすと、火を弱めた。
毎晩、多めに炊く米に、
救われてるのか。
誘われるのか。


夢を見るのが楽しみで、
よく出来た物語が、
記憶の整理、気付けない感情、潜在意識を手放してくれる。

最後のテストなのに、まったく勉強してない。
誰かに追われるが、体がスローになって動かない。
店が満席だが、料理がまったく無い。
誰かを助ける為に、走り続ける。
焦らされて、パニックになる。


いつも途中で気付きはじめる。
こんなに焦る事無い。夢や。

怖くない。心配ない。
プレッシャー。
今まで沢山体験して来たから。
見て来たから。

それを目の前に創り出したのは
全部自分の感情だったと気付いた時、
どんどん世界が変わっていった。
毎日が穏やかだ。

今日も晴れて、
子供達は間に合った。
また、世界を救ったかもしれない。

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