オペレーション:クリスマスを取り戻せ!!
幼少期の話
小学生のころの俺様は年間行事の中でクリスマスが一番好きだった。タダで欲しいもんもらえるんだったら誰でも好きだとは思うけど、俺様はそれ以上になんだか「クリスマスまでの空気」が大好きだったんだと思う。
この「クリスマスまでの空気」ってのが実に奇妙と言うか、幼少期にしか味わえない独特の雰囲気みたいなもんだったと振り返る。サンタの飾りやクリスマスツリーやチキンとかそういう目に見えるものではなく自身の体温なのだと当時幼い俺様はほぼ無意識的に感じていた。
外はクソ寒いのに自分の体温がクソ高い状態のような…多分、心の温度の問題なんだろうね。この状態が妙に心地よくて毎年この現象が始まってからクリスマスが始まるんだ~~~ってウキウキしていた。特に少し出かけた先にあったトイザらスにいるときに体温が異常に高くなってたような記憶がある。この時の要因はプレゼント自体よりも「プレゼントをもらえる」という受動行為そのものに興奮を抑えきれないのだろう。なぜなら不思議なことにいざプレゼントをもらってしまうと急速に熱が冷めていたからなんだよね。速攻食い散らかしたり速攻飽きたりしてたもん。割とこれは共感してくれる人は多いと思う。
つまり結果(プレゼント)よりも過程(それまでの日々)こそが俺様にとってのクリスマスだったのだ。
冷え性がつらい
大体中学生くらいの時に上記の現象が徐々に消え失せてしまった。大人になると色々ひねくれるもんである。「クリスマスは大切な人と過ごすもの」という大人の固定概念が入り込んできてしまって、結果リア充爆発しろに至るわけである。個人的にどれだけ否定したくてもイブとクリスマス当日こそが絶対の記念日という共通認識が染みついていっていき「今年もクリスマスなんもしなかったな~」状態になり熱もクソもないのである。
こうなると惨めなことに当時の空気をもう一度感じたいがためクリスマス前にトイザらスに出かけるわけである。いい歳した全身黒づくめの身長230cmの怪物のオッサンが1人でオモチャ屋をうろつくのはぶっちゃけヤバい光景だね。では結局当時の空気を感じれたかというと無論感じれない。当然の帰結であるとも言えるが並べてあるオモチャを見渡した時にふと考えてしまうのは「オモチャは子どもが遊ぶもの」「幼稚なもの」といったプライドが邪魔してしまうのである。無論大人になっても仮面ライダーの変身ベルトや戦隊モノの武器とか大好きで買って遊んでいる方々もいるだろう。正直羨ましいけどそれはきっと自分で買えるから彼ら彼女らも幼年期当時の空気は少し感じにくくなってるかもしれない。
そういったこともありここ十数年はクリスマスに対して魅力を見出せなくなってしまった。いわば心の冷え性である。ちなみに今年になって初めて普通の冷え性も出てきたのでダブルパンチでめっちゃ辛い。
レッツジョブチェンジ
そんなこんなで今に至り、体温も冷え切ってしまったそんなある日のこと。またまた惨めなことにトイザらスをオッサンが1人うろついて物思いにふけっていると、ある仮説が頭をよぎった。
「これ…おれがサンタさんになればいいんじゃね?」
どんなに逆立ちしたって当時の空気感は戻ってはこない。だったら違う形でクリスマスの楽しみを自分で生み出せばいいわけである。というか自分がとっくに”あげる”立場の年齢の大人なんだよというのに気づくまで十数年近くかかったわけである。泣きたい。泣くわ。ぶええ。
ではどうするんだってばよって話だけど、こんなご時世だし突然現れて手渡しでメリークリスマス!!ってわけにはいかないんである。ならばと思い現代ならではの手段を取ることにした。
そもそもクリスマスプレゼントって…
クリスマスプレゼントをあげる立場になる以上、別に定義づけするつもりないけど個人的にこれは違うと思うのが
●もらう側に何かしらの出費が発生するもの
●思い出とか笑顔(ナンパするときにくらいにしか言わないよねこういうの)
●現金(これはお年玉だよね)
つまり販売形式のクリスマス限定ボイスとかクリスマス配信とかスパチャはクリスマスプレゼントとちょっと違うんじゃないかと俺様は断じたわけである。しゃらくせぇけど!!!!
少し冷徹だが徹底的に物質的なモノを無償であげる&もらう行為がやはりクリスマスならではの楽しみなんじゃないかと。元を辿るとキリストの生誕祭だが、現代のクリスマスの本質はやはりここにあるのではないか?と考えたわけである。あくまでもこの考えは自己満足のためになんちゃってサンタさんの立場に立った俺様だけの修羅的見解なのでみんなは推しの笑顔がクリスマスプレゼントとかでええんちゃう。知らんけど。
しかしながら真のサンタさんというものは「その子が欲しいものをその子のためだけにあげる」いわば特別扱いこそが最大の魅力なのだ。今のところ極めて特別扱いしたい子がいない俺様は学童保育のクリスマス会のサンタさんみたいなポジションでいきたい。
ということでプレゼントとして最適解と考えたのがコイツである。
★うち(ラムダ団)の戦闘員アバターボディ★
ツッコミ所さん
・前から無料だよね→うん。でもクリスマス用にアップグレードした(*´ω`)
・物質的じゃなくね?→目に見えてるんだから物質(
・プロモじゃね?→プロモだったらもっとちゃんとチャンネル登録促してた
実際ボディ自体は非常にいいものだと自負はしている。ロボットな時点で人を選ぶ感じはあるけど、手持ちの札でその時の最大限の効力を発揮せよというのは我がラムダ団の教訓であるので既に無料配布していたコイツを選んだ。
そしてこんなご時世でもいろいろな方と触れ合えるVRChat(VR空間上での交流アプリ)を主戦場と定め、今後も使っていけるようにと無難に武器を追加するアップグレードのみに留めておいた。
開戦
てなわけでいざVRCに降り立ちPublicワールド(誰でも入れる開放サーバー)を中心にプレゼント配布作戦が開始されたのである。
※解説するとVRCでは相手のアバターがPublicアバターであり、かつコピーを許可していると相手と同じアバターになれるわけである。この機能のおかげで良くも悪くもいいアバターはネズミ算式に増えていく。
とはいえティッシュ配るわけじゃないんだからちゃんと声をかけてから「この戦闘員アバターはクリスマスプレゼントだよ!コピーしてね!!」旨の説明を行う手法を取り、短時間でも出来るだけ交流を行うよう心掛けた。
海外の方にもちゃんと伝わったようでみんな気に入ってくれた模様
武器が同梱されてるクリーンアバターは珍しかったようで驚いていた
知らない間にめちゃくちゃ増えてて大困惑
記念撮影中にハプニングが…
何気にフルトラ適正が高い事が判明し実用性が証明された
さっそく悪事を働いてくれる部下の鑑
と、大体12月の上旬から始まったこのクリスマスプレゼント配布作戦はまぁまぁ成功したんじゃないかと思う。毎回人数を数えていたわけではないが50人くらいには直接配れたんではないかと。
しかしながら反省点もあり一番のターゲットにしていた海外キッズは受け取り拒否やクローン方法が分からない&俺様も英語で説明出来なかった由縁で残念ながらほぼ配ることが出来なかったのである。意外や意外、海外の子供はこういうロボットに興味がない…というか他人のアバターを褒めたりするけど自分も同じアバターにはなりたいと思わなかったりするのである。美少女は愛でるも自分が美少女になりたいとは思わない俺様と一緒だね。まぁネタアバターにはキッズは飛びついたりするんだけど。
また観察していて感じたのが海外キッズにとってアバターなんて些細な要素でしかなくVRを楽しむことに全力を注いでいるように感じた。歯ブラシのアバターでも、めっちゃ楽しそうにキャッキャッしてるのをよく見るのはやはりそういう所だろう。どんな世界でも見栄えばかり気にする我々よりも純粋なのだ。
熱の在り処
さて、作戦を一通り行い肝心の心の冷え性はどうなったかというと軽減されました。幼少期と違った形の「新しいクリスマス」を楽しめたんじゃないかな。喜んでくれた方々の声は耳に残っているので、それを思い出すたびにやって良かったなぁと。
「待ち遠しさ」というのが幼少期の熱の源になってはいたが、大人になってからの今回の作戦は「行動」が熱の源になっていた。これもまた受動的な立場から成長したという証なのだろう。
クリスマスが終わればこの戦闘員アバターを自分から積極的に渡しにいくという機会は減らすつもりである。出来ればVRC初心者の方々に配っていきたいので!
ところで…
ここまで読まれた方には「自分の部下アバターをみんなに着てもらって自分をよいしょしてもらいたいだけ」と勘ぐってしまう方もいると思われるが、正直そんな状況は怖い。考えてみてくださいよ、味方と分かっていても身長2mはある全身黒づくめのロボが刀とか槍とか持って囲んでくるんだぜ。一度そういう事があったんだけどパニックになった。
でもそういう場面にひるんでると大総統失格どころか上に立つものとして失格なので今後は慣れないといけない…とほほ…
著:悪の組織ラムダ団大総統 Vain
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