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ベトナムで日本語話者を採用するには(1/2)

今回はベトナムでの人材採用の話です。

これからベトナム進出しようと考えている方、あるいは進出したけどどうやって採用していいか分からない!という方に向けて、今回はベトナム現地での日本語話者の採用方法について書いていきたいと思います。

日本で働く外国人労働者No1はベトナム人!

ベトナム人を採用するお話の前に・・・、
実は日本で働く外国人労働者204万8,675人のうち、ベトナム人は最も多い51万8,364人!(2023年10月末時点)
数年前までは中国人が最も多かったのですが、近年ベトナム人労働者が急増し、ついには1位となりました!

ちなみに、ベトナムに進出している日系企業が雇用するベトナム人は約55万人(社会保険加入者ベース、2023年9月時点)で、日本で働くベトナム人とほぼ同数だそうです。

両方合わせると100万人を超えます。ベトナムの労働人口は約 5000 万人と言われていますから、50人に1人が日系企業で働いていることになります。
また、ベトナム国内の労働人口の70%は農村に集まっているそうなので、都市部では日系企業で働く人の割合がさらに高くなります。

円安とはいえまだまだ人気のある日系企業

ベトナム人の所得はまだまだ日本に比べて安く、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、2022年のベトナムの1人当たりの月間平均所得は660万ドン(月収約4万円)、年収にすると7920万ドン(年収約48万円)でした。一方日本の平均年収は443万円となっており、約9.2倍もの差があります。なので給与水準の高い日系企業で働きたいというベトナム人は多いのです。
また給与面だけでなく、ベトナム自体が親日国であることや、日系企業の福利厚生の充実度、高い技術力なども人気の理由となっているようです。

ベトナム人を採用する側としては、人件費がどんどん上がっていく東南アジアの中で、まだ人件費が安く抑えることができるベトナム人を現地で採用することはメリットになります。

ただ、ベトナム人の平均年収も年々増加しており、2010年の平均年収は約18万円でしたが2022年は48万円なので、約10年で約2.6倍も増えています。

また、昨今の円安によって日系企業よりも米国系や韓国系企業を希望する人も増えているように感じます。日系企業にとってはこの辺りも向かい風になってきています。

ちなみにベトナムでは、メーカーなどの製造拠点として世界から注目を浴びていたためこれまでは製造業の求人が多いことが特徴でした。(技術力が高くベトナム人から人気のある製造業系の日系企業が現地ベトナム人の求人を多く出していた)

しかし、近年ではベトナム政府が積極的にITやコンサルティング業務、小売業の企業などを誘致しているため、今後はこれらの採用が日系企業以外でも増加していく見込みです。

雇用は買い手市場?ジョブホッパー気質が多いベトナム人

ベトナム経済は、2023年は欧米市場向けを中心とした輸出の落ち込みにより成長ペースが鈍化しており、コロナ禍からの経済活動の再開により好調だった成長率が2022年の同8.0%から5.1%と低下しています。しかし、ベトナム統計総局長は「高い成長率ではないが、世界経済が多くの不確実性に直面している中で、前向きな結果だ」と述べており、今後も持続的な経済成長が見込めると言われています。

それでもベトナム経済はどんどん成熟してきており、これまでは売り手市場だった雇用市場も買い手市場になってきており、採用側がより良い人材を選びやすくなってきているなと感じます。

余談ですが、最近私が話を聞いたベトナムの方は、ホテルで接客業をしていた日本語話者でしたが、どんな仕事をしたいかよりも「とにかくオフィスで仕事がしたい。そこで勉強したい。」と話をしていました。ホワイトワーカーになりたいという憧れを持っている方は多いのかもしれません。

個人的感覚ですが、ベトナムのビジネスパーソンは全体的にジョブホッパー的気質が強いような気がします。
どんどん経験を積んでより条件の良い企業にキャリアアップしていくという方が多いように感じます。

ちなみに、契約内容にもよると思いますがベトナムでは副業がOKな会社も多く、本業と別で仕事をしている方が多いです。
個人で海外のものを仕入れてせどりをしている人も多い印象です。

日本語話者は総じて優秀な人材が多い!

ベトナムはアジア地域において日本語能力試験(JLPT)の受験者数が非常に多い国の一つです。ベトナム人で日本語話者は、日本へ留学していた方、ベトナムの大学で日本語専攻していた方、技能実習生のだいたい3パターンくらいになるかなと思います。人材紹介会社の方によると、世界一難しい言語のひとつである日本語を勉強している時点で優秀だし、ガッツがある人が多いそうです。日本語話者を採用するという時点で、優秀な人材である確率が高いということになります。
ただ、ビジネスレベルでの日本語話者を探すのはとても難しく、多くの企業が日常会話レベルの人材を採用しているのが現状です。

日系企業は、前述の通りベトナムではとても人気のため、採用に困るということはないかと思いますが、採用の方法としては、日本と同じように人材会社やインターン、紹介などのパターンがあります。
日系の大手求人広告会社もベトナムに進出しています。
アルバイトであればFacebookなどのSNSで募集をかけることも多いです。

ちなみに、ベトナムでは旧正月(テト:2月)に入る前にボーナスが出る会社が多いので、それをもらってから退職する人が多い傾向にあります。なので転職の時期としては1~3月頃がピークなので採用はそこが狙い目です。求人数としては7月をピークに旧正月に向けて緩やかに減少していくイメージですね。

まとめ

今回は、ベトナム人雇用を検討する際に知っておいてほしいベトナムの雇用市場やベトナム人の特徴についてご紹介しました。次回はより具体的な採用方法について書きたいと思います。

ベトナムに会社を進出させたい、ベトナムで採用活動をしたいけどどうしたら良いかわからない、という方はVACANCE VIETNAMにお気軽にお問い合わせください!
ではまた次回!Hẹn gặp lại


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