Gender dysphoria と euphoria についての個人的なアレコレ
Gender dysphoria/euphoria ってそもそも何なのさ?
そんなもの知ってるわ!って方は飛ばしてください。でもEuphoriaの部分は読んでみてほしいです。
Gender dysphoria (性別違和)とは?
出生時に割り当てられた性と自分の性自認との不一致から生じる心理的苦痛を指します。性別違和は多くの場合、小児期に始まりますが、思春期以降、あるいはもっと後になってから経験する人もいます。(APAより引用)
また、不安感や不満感は、うつ病、不安障害につながり、日常生活に有害な影響を及ぼすほど強くなることもあります。(NHSより引用)
Gender euphoria とは?
Gender euphoria の共通されて使われる日本語訳はあまり見たことがないです。Euphoriaは多幸感とか強い幸福感とかのことを意味します。ちょっと日本語で「ジェンダーユーフォリア」で検索してみました。最初に載っていたブログには「性別多幸感」とありました。なるほど、「性別」多幸感か・・・。日本語の「性別」という言葉を使う時は気を付けないといけないと私は常々感じています。「性別」はsexとgenderがごちゃ混ぜになる機能があると思うんです。
私は当事者として、いろいろとネット(主にInstagram)で検索してロールモデルを探すのですが、そこでgender euphoriaという言葉に出会いました。Dysphoriaはよく目にしますが、euphoriaはあまり知られていない気がします。
では、実際どういったeuphoriaがあるのでしょうか?
Will J. Beischel, Stéphanie E. M. Gauvin & Sari M. van Anders (2022) の論文では、大きく3つに分けられています。
外見や身体的な性の多幸感体験
内面的または心理的な性の多幸感体験
社会的な性の多幸感体験
ではもう少し細かく見ていきましょう。1は生殖器や顔の形など、身体の変化です。このような多幸感は手術やホルモン治療によって促されます。2は少し理解しにくいかもしれないですが、様々な方法で自己肯定・自己内省や 自己発見をすることで多幸感を感じるという意味です。トランスやノンバイナリーであることについて読んだり書いたりする人もいれば、使いたい名前や代名詞(she/he/they/xeなど) を自ら使うことで自信が持てると思う人もいます。3は他者や社会との関係において、多幸感を感じるという意味です。これは1の身体的要素と関連してきますが、他者からどのように認識されるかという点がポイントです。例えば、「パス」した時に嬉しいと感じることがその1つと言えるでしょう。
私の経験
ここで、私のgender dysphoria/gender euphoriaについて少し触れてみようと思います。あくまでトランスマスキュリンでノンバイナリーな私の経験です。皆が皆同様の経験をしているわけではありませんのでご注意を。
Gender dysphoria
私は中高一貫の女子校で教育を受け、学部も女子大学に通っていました。そういった環境で過ごしたことにより、性自認について考える機会がほとんどありませんでした。「女子校で学んでいるのだから必然的に私は女性である」と無意識のうちに捉えていたのでしょう。「かわいらしいメイクをしたくない」「レディース服に惹かれない」「スカートをはきたくない」「成人式の前撮りで着物を着るのが嫌だ」とは思っていたにもかかわらず。学部3年になり、原因はいろいろですが、うつ状態になり、のちに双極性障害の診断を受けています。1つの原因が「性自認について」だと考えています。就職活動が始まり、履歴書やESに性別欄があったり、学歴を書いたり、改めて性自認について考える時間が増えました。「女子大だから私は女性でなければならない」と考えたり、「私は恐らく所謂Xジェンダーとかノンバイナリーだけど、誰に相談していいかわからない」「勘違いかもしれない」「でも私は女性では/だと思われたくない」と頭の中でグルグルと考え続けた結果、精神を病んでしまいました。これが1番大きなdysphoriaだと思っています。
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