ブラック企業の思い出(再掲)
※こちらは以前FANBOXで公開した記事です。
ごきげんよう!
かとりーなです!
突然ですが、こちらのショート動画はご覧いただきましたでしょうか!!
これは私が今の漫画動画作画のお仕事を始める前、下界でいろいろなお仕事を経験していた頃のお話なんですが…。
思い出してたら懐かしくなったので、冒頭の「印刷所のデザイナー職」についてお話したいと思います!
最初にお話しておきますが、今ではとっても良い思い出です!大丈夫!
何故なら私の心の中から排除しているからですね。
あらすじ
そろそろちゃんと下界でお仕事を始めるか…と思い、見つけたのがこの印刷会社のデザイナー職でした。
会社の雰囲気は抜群に良いし、下の意見もしっかり聞いてるよ!実現してるよ!が売りの会社です。
あっさり採用いただいたので、お仕事頑張るか〜!の気持ちで働き始めます。
ちなみに下界でお仕事をする時の名義は「加藤 里奈」です。
最初の頃
デザインなんて学んだことが無かったし、使用ソフトであるIllustratorも使ったことがない。
会社内で使ったことがあるものなんて、支給されたMacくらいでした。
私のお仕事は誌面を作るお仕事だったのですが、最初1枚作るのに半日以上かかっていたものの、数ヶ月後に気づいたら30分で作れるようになっていました。
勘の良い方なら、何故急速に作れるようになったか分かるかもしれませんね!
単純に激務だったからです!
平日の勤務でしたが、水木金は定時上がりなんて以ての外。
17時半までの勤務時間のはずが、必ず22時を超える始末。
日によっては2時頃までお仕事していたこともあります。
そして朝7時半には出社。
途中から私の出勤BGMが「地獄の沙汰も君次第」になりました。
ここは地獄!地獄!素敵な地獄!
地獄!じご、じご、じごくだよ〜!
フルバージョンの後半歌詞が
まさか地獄!地獄!この世も地獄!
になるので、この辺りで涙しながら歩いてました。
鬼灯様のバリトンボイス、最高か?
お局様
ショート動画でも書きましたが、虐められてました!ガハハ!!
というか、私にだけ当たりが強いというか…。
その年の新年に社内報で全社員が写真付きで自己紹介するという狂ったページがあったのですが、そこのページで私と同じものが好きだということが分かり、この人と仲良くなりたいな〜!と思っていたのも束の間、激怖マダムでした。
業務上絶対彼女を通らないといけないという、これも新種の地獄かも!?みたいな感じだったんですが、その時が毎回怖くてねぇ…。
・教わってない技術に対して「なんでやってないの!!」とブチギレてくる(教わってないと伝えたとしても変わらない)(「教えてください!」と言える対象ではない)
・紙面を渡す時に「お願いします」と声かけると「今忙しいから」と言って受け取ってもらえない
・渡していた紙面を無言で投げて返してくる、というか私のデスクまで来て上から勢いよく投げてくる
この辺は当たり前でした。
今の私なら「え〜!?すごい!!自分の不機嫌さをこんなに他人にぶつけられる人、レア〜〜〜!!!(はしゃぐ)」となるんですが、当時の私はそうではなかったので、純粋にストレスでした。
というかこのお局様を通過したおかげで、このメンタルになった気もする。怖いものが減ったので。ありがとな!!!LOVE...
身体の異変
そもそもの激務に加えてお局様からの当たり強めの日々…。
まず最初に物が覚えられなくなってきました。
同時にお仕事を複数抱えているので進捗がそれぞれ異なるんですが、自分でやっていることなのに覚えられないんですね。
「Aは営業さんにチェックしてもらってて、Bは2校、Cは今日下版(印刷段階に進めること)」みたいなことなのに何も覚えられず、全部メモしてました。
「紙面中の写真1枚を差し替える」とかいう些細なことすら全部メモ。
とにかくメモ。
ちょっとでも進捗が変わったらメモ。
そして毎回メモの確認。
今はもうあの規模のことなら全然覚えていられるんですが、当時は本当に覚えていられませんでした。
次に何も楽しくなくなりました。
今ハマっているジャンルは比較的最近ハマったものばかりなのですが、当時何が好きだったかと聞かれると首を傾げます。ヲタクではあったはずなのに。
心の底から笑いたくなり、かつて友人から借りてゲラゲラ笑った思い出のある漫画を大人買いし、心を少しでも癒す日々。
ちなみにその漫画は「月刊少女野崎くん」です。
そして挙げ句の果てに、手のひら中に湿疹ができます。めちゃくちゃ痒い。
あまりの痒さにパソコン仕事がままならず、濡らした布を絞っている瞬間が一番良いとかいうレベル。
お風呂に入っている間、ずっとフェイスタオルを濡らしては絞り、濡らしては絞り…とかいう、時代が時代なら妖怪だと思われてもおかしくない奇行を繰り返します。
上司にめちゃくちゃ無理を行って午後出勤にしてもらい、皮膚科へ向かいました。
「多分ストレスから来てるだろうけど、金属アレルギーとかだったら会社に言い訳して辞められるな…」と考えていました。
お医者様に誘導尋問をした結果、見事「うんまあ…金属アレルギー…の可能性…も無くは無い…かも…?ですけど…」と言われます。言質GETだぜ!(CV:サァトシくん)
そして何よりも「ストレスかな」と言われたのが大きかったですね。
脳内のブラック・ジャック先生が「それを聞きたかった」と言いました。名シーンです。
ちなみに午後出勤してリーダーたちにそのことを報告すると「…だろうね」と言われました。
だろうねと思うなら改善してくれよ。聞こえてんだろ、怒鳴り声が。
退職の運び
うっかり号泣しながら上司と面談しました。心が細いかも!!!
一応「お局様が怖い」とかいう話はせず、「激務が辛くてもう辞めたい」を伝えたんですが、「それなら他の部署もあるけど…」と代替案を出されます。
そういう話じゃないんだ。この会社が嫌なんだ。
ちなみにこの上司はとても良い方だったんですが(ショート動画内のヤギ)、残業時間に突入するとめちゃくちゃ厳しくなるという裏ステージがある感じの方でした。
今思うとおもろい。
上司も大変だったんだろうな…。(慈悲の精神)(オクタヴィネル寮所属)(寮長はアズール・アーシェングロット)
当時何件も仕事を抱えているのが全員のデフォだったので、これを片付けたあとである1ヶ月後くらいに辞めたいということを伝え、その日の面談は終了しました。
翌日再度上司から呼ばれ面談に臨むと、「有給が発生しちゃうから今月いっぱいということで…」と言われます。
その時点でその月の最終週でした。は???????
ということで私は、大量の仕事をぶん投げて戦略的撤退をすることになるんですね。
素敵な同期
私実は「可哀想」という言葉があまり好きではないんですが。
私がお昼休憩を潰して仕事をしている時に、その日は比較的余裕があったであろう同期入社のひとりがお昼休憩から帰ってきて、私を見るなり「うわ〜wwお昼食べられてないの?ww可哀想〜」って言ってきたんですよ。
オーバーブロットもんだよ、もう。
彼女は常日頃から「仲良くなったら口悪くなっちゃう〜」とかほざ…言っていたんですが、本当にそう。
しかも私は仲良くなったなんて思ってなかったしな…勘違い乙ですわww可哀想〜
まあそんな感じの同期だったんですが、私が退職する直前の金曜にチーム内で飲み会がありました。
ひとつ大きな仕事が終わったからということと、私の退職報告をするために、上司がセッティングしてくれたものでした。
飲み会解散直前に上司が「加藤さん、実は今月で退職です」と告知し、全員に驚愕されます。
私だって急すぎてびっくりだよ。
その日帰り際にこの同期から「加藤さん辞めちゃったら、〇〇さん(お局様)のターゲットが私になっちゃうじゃん〜辞めないで〜」と言われました。
お局様とお前の熱いバトル、劇場公開をずっと楽しみにしてるんだけど、まだ?
そして退職へ
こうして私は見事、抱えていた仕事全てを、ただでさえ各自の仕事で手一杯のチーム内全員にばら撒き、健やかに退職することとなりました。病原菌?
あーあ、私は全部片付けてから辞めたいって言ったんだけどな。知らんぷ〜。
私は非常に偉いので、こんな会社でも退職の挨拶にお菓子を買ってきて、ひとりひとりに配ってまわりました。
そう、休憩中のお局様の元にも。
ワイ「あの、お疲れ様です」
お局様「…ん?(なんでてめーが話しかけてきてんだオーラ)」
ワイ「実は私、本日で退職することとなりまして」
お局様「…え?」
ワイ「〇〇さん(お局様)には"大変"お世話になりましたので、こちらよろしければ…」
お局様「そう、なんか悪いね〜笑」
ワイ「いえ、お世話になりました。お疲れ様です(にこやか)」
この時の解放感、忘れられない。
その日私は定時をややすぎた時間に、荷物をまとめて振り返ることなく退社しました。
同期たちが寄せ書きを作ってくれていまして、そこにはまさかの上司も参加してくれていたのですが、「加藤さんは接客業とか向いてると思うよ〜!」と書かれていました。
なんだかんだ、最も私のことを考えてくれていたのはこの上司だけだったかもしれません。
得たもの
この会社で得たものは、本当に多かったですね。
最も大きなものとしては「お局様レベルの人が来ても動じなくなった」という点です。
この直後、ショート動画では割愛したのですが、私がよく話している「下界の接客業」に入社することとなります。
この職場、実は1年目の時に先輩のひとりから無視されるという素敵な展開があったのですが、他の方々が最高すぎたのとお局様を履修済みだったので、無視なんて可愛すぎるものでした。
本当に何も怖くなかったし、2年目からは普通に仲良しになりました。どういう感情?
強めの方が目の前に現れると、もれなく「え!?強い!!!すごい!!他人に対してここまで強気でいられる人、貴重〜〜〜!!アンガーマネジメントできないタイプ!?可愛い〜〜〜!!6秒数えて〜〜〜〜!!落ち着いて〜〜〜!!」という気持ちになるようになったのです。
それが活かされたのか、ちょっと強めのお客様(世の中の言い方に合わせると「クレーマー」)がいらっしゃると、嬉々として私が飛び出して対応するというおかしな職場になりました。
強めの方のお話を親身になってお聞きし、「おもしろ!!!!」と思いながらお話をすることによって、強めの方が普通の方になっていくことがほとんどでした。
いや、どんな技術を身につけてんだよ。
人は化け物を目の前にすると、平常心になるのかもしれません。ええ、もちろん私が化け物です。
ちなみにその後別の職場でも、他スタッフから恐れられてる不機嫌マダムがひとりいらっしゃったのですが、私は相変わらず「え!?こんなににこやかに挨拶してるのに不機嫌!?どうちたの〜〜〜!?!?てかこの人と仲良くなれたら強くない?仲良くなりてぇ〜〜〜!挨拶しまくろ!!」という思考だったため、めげずに挨拶を続け、強めに何かを言われても「おしゃべりできた〜〜〜!!やった〜〜〜!!!」と思っていた結果、普通に世間話できる仲になりました。
なんなら「この作業をここでやってたら、あの人に怒られるかも!」と思いながら待機してた時もある。
同僚の奥様にその話したら「なんで怒られにいってんのwwww」って大笑いされてしまいました。
ドMではありません。
不機嫌を外に撒き散らす人たちが、私という化け物と接して大人しくなるのが大好きなだけです。
そしてあわよくば、後からその人がその瞬間を振り返った時に、「あの人はちゃんと接してくれたのに、自分はちょっと当たり強かったな」と反省してもらいたい。
まあこの手の人ってそんな反省しないんですけど、一時的な感情でなってる人に限りますね。
ねえ今どんな気持ち!?どんな気持ちですか!?(性格終了のお知らせ)
私は入学するならロイヤルソードアカデミーではなく、ナイトレイブンカレッジです。
最後に
下界では学生さんたちの就職活動が始まったんですって?
皆様にお伝えしたいことはいくつかありますが、私の経験上
・やばいと思ったら「逃げ」ではなく「戦略的撤退」
・身体壊してからじゃ遅い
・強めの人とは仲良くなったもん勝ちだけど、無理することではない
・会社は妥協ではなく吟味しようね
くらいは伝えたいところです。
いろいろなお仕事を下界で経験してきましたが、本当にこれ。
ちなみに今でもたまに、あのブラック企業の夢を見ます。
会社の入り口から歩いて進みながら、「あぁ…あの楽しい仕事も終わって、また私はここで働かなくちゃいけないんだ…」という、絶望の感情と共に出勤する夢です。
もう何年もの間、数え切れないくらいこの夢は見ています。
「漫画動画作画、楽しかったのにな…」とか「VTuber、楽しかったのにな…」のバージョンもあります。
心の底の冥府に閉じこもっていてもらっているはずなんですが、ふとした時にゲートが開くようです。
「まずは三年経験しろ」とはよく言いますが、三年もいたらその会社のヤバさが日常になってしまうので、本当にまずいと思ったら「戦略的撤退」です。
頻繁にやってしまうとそれは「逃げ」だと思うので、しっかり考えてから「戦略的撤退」です。
きっと向いてる会社は世界のどこかに存在してるのだから。
おかげさまで私は日々健やかに漫画動画の作画をさせていただいておりますし、下界のアルバイトも楽しく働くことができています。
地獄の鬼灯様と、少女漫画家の野崎くんに感謝。
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