百科事典

月から心に滴り落ちる雫。そこは彼の王国。受け止めた修羅から咲いた歪な花。帰り道で忙しなく洗車するきみの誰かへの恋心とか。なぜ醜さが美しいのか考えてる暇は俺にはないんだ。最近良かった本はエックハルトの神の慰めの書。私にとっては至極の書物だと酷く感嘆した!現実とは矛盾しているものの削ぐことでしか核心の部分は中々見えてこない。書店の棚の前で悩んだけど久々の収穫だった。あとは宇宙船地球号操縦マニュアルを今更。語り口が非常に好みだった。ちなみに善の研究とかも読んだ。繰り返してるお気に入りのCDはThe Lotus Eatersの1st。近年のSean O'Haganの作品を聴いたときに近い感覚があった。懐かしいセピア色の青春小説のような音楽。ひたすら情景が浮かぶ。本当に良いものは新しい古いを問わず発見があって好き。便利ではあるもののサブスクの時代に何度も同じものを聴いて深めるという行為が実はとても尊く大事なことなのだと改めて気付かされる。幸福とは何かを深く考えさせられる日々。眩暈の中で霞むステンドグラス。当たり前にすべてが操作可能だとは私は思わない。いつか熱い夜に君と歩いた井の頭通り。とある蒸気機関車が作る雲が降らせたどこかのアルプスの新鮮な天然水。あの日から僕は神に祈るのをやめたんです。だってこの暮らしは躍動がないものと言いつつ平坦に等間隔になるのが一般的で優秀な人生なのだろうと気付く。音楽は彩り。心音に補助線を引く。歯車の噛み合わせ。円の中心に点を描く。また星の巡り合わせが良い時にと昔来たメッセージを覚えてる。最新の電子レンジの諸機能に戸惑っては安値の細い煙草に火をつける。例えばアルフォートのチョコの絵に描かれた船が美しく感じるのと同じように。録音したサンプルの加工。Bit数は少なめが昔からの好み。ルービックキューブを合わせるような生き方のまま。本当かどうかは分からないけれど中吉ぐらいが一番良いねと誰かが言っていたのを思い出す。会議や相談のやり取りの時間が長くなればなるほど分かり合えたような気がするのが我々人間の醍醐味ではないか。曖昧さや機微の把握を失わないようにするのは意外と難しい。眼差しと予感だけの密かな連帯。年々秘密主義的になっていくのもそう悪くはないなと思っている。地上への落下の速度を生々しくも覚えている。布教。無機質な有機体の暮らし。水蒸気。擦り切れた皮膚の応急処置。困ったときに何でもあるから実はコンビニエンスストアが最強だと気付く。支払いはほぼほぼpayに変えた。楽だし便利。officeのライセンスの補助が降りないことを知り憤慨気味な私の対応はいつまで続くのでしょうか。古着屋で買ったラルフローレンのネルシャツ。部屋のカードキーを草臥れた胸ポケットへと仕舞う。煌びやかなシャンデリアが攫う抒情。雨が上がった街に溢れ返る人々。気分が悪いなら気になった新譜でも買って帰りなねって尚更慈悲深い連絡が。見知らぬ壁に飾られた絵画が呼び起こす憧憬。途方に暮れて頬杖をつく透徹な思春期は路面電車の踏切の真横で。傷つけることに関しては臆病になったと咄嗟に呟く。唇に人差し指をそっと当てて奇跡が起こる場所を覚える。深夜から早朝にかけての工事現場や周辺の交通規制は私に渇いた生の実感を呼び覚まさせた。知能を備えた生命としての存在意義があるのかとまでは言うつもりはないが情緒や繊細さを失ってしまった人間を見るのはとても辛いし時代の流れなのかも知れないけど当然ぼく自身も不快感を感じて擦り減る。人々の元気を奪う悪魔からこの世の中を解放してあげたい。勢いとは思慮深さの対義語だとか言われればある程度納得して俯かねばならない部分もあった。大変億劫に感じるので当然閉口させて頂きたい事柄の多さよ。繰り返し細部を読み解こうとするとき何故か想像の幅と層と奥行きが出来る。例えば些細な幸せに手を合わせることが重要なのだと気付かされたり。薄く小さな呼吸はより植物的に。対等さを欠いた会話など初めから執り行う必要性がないから同じテーブルには着かない。静寂を取り扱う仕事は慎重に。いつでも抽象的で曖昧で柔らかいものは誰も傷つけないもの。底の方で生誕し騒ぎ出す音の波形。突然包帯でも巻いたかのように見えなくなるその肖像。損なわれてしまうものほど本質としては美しいとすれば。理想を掲げながらも現実とある程度は折衷させていくことも大人になることの一つなのかなと思う。最近は人間にますます関心や興味が出てきた。そういえばこの間はいつか新宿で食べた高いフルーツパフェのビルの電飾を見て涙を流した。令和。煙草を吸える喫茶店をネットで探して電話をかけたが今はブースだけに変わっているらしい。20年後の誕生日には君にバーバリーの贈り物でも買ってあげようかなとか。いつでも魔法の道具を出したい男の子。そして楽器屋で大事に貯めたポイントと交換で家に配送されるEHXのメタルマフ。ナノの小型化したやつ。EQの機能性。実験的且つ学術的に進歩し発展していく細やかな生活。サイボーグに心を移植すると人間になるのか否かという質問については回答を差し控えさせて頂きたいと常々そう思っている。「音楽のような人生」を繰り返し自問自答する。なんて素晴らしいんだろうね。

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