#011 シャーマンキングのあれ|初期・先コロンビア美術
ツタンカーメンの神々しさから一変して、今回は岩に行きます。個人的には「シャーマンキング!」となるこちらの作品を観ていきます。
今回の作品
○予備知識なしで知覚的に観る
自然の中に無骨な顔をした岩が鎮座しています。周りの植物を見た限りでは、結構な大きさであることが伺えます。
頭には被り物をしているかのようで、まん丸としています。眉間にしわが寄っていて、そこから無骨さを感じるのでしょう。鼻はつぶれていて、大きな唇と突き出した顎。
当時はこんな顔の人が多かったのでしょうか。だとしたら、結構近寄りがたい民族だったのかなと思ったり。
●知識も蓄えて観る
こちらは《巨大な頭像 No.1》というそのまんまなタイトルがつけられた作品です。通称、オルメカヘッドとも呼ばれているみたいです。紀元前1400年頃ー前400年にメキシコ湾岸で栄えたオルメカ人が作成したとされています。オルメカ文明はその建築や美術様式がマヤ文明などの基礎となっていることから、「母なる文明」とも呼ばれています。
この顔は全部で17個発見されていて、ひとつひとつが数トンにもなり、それが石切場から80km以上も離れた場所にあったから驚きです。
どうやら王や高官がモデルになっているようで、顔にある傷は、モデルとなった王や高官が亡くなった際に傷つけていたと考えられています。
ちなみに、シャーマンキングのあれ、とは武井宏之による漫画のことで、このシーンに頭像が出てきています ↓
2020年シャーマンキング展より
シャーマンキングに登場するチョコラブ・マクダネルというキャラクターの使う技で、この頭像が描かれています。持霊にはミックというジャガーの精霊がいて、オルメカ王家の崇拝対象がジャガーだったところとも関係しています。
個人的にはこのイメージが強い作品でした。
最後に
EmilianDanaila / 42 images|Pixabay
実は日本人の先祖では、とも言われているオルメカ文明のご紹介でした。歴史を知ると、マンガともつながってくる(個人的に)面白い展開でした。
個人的には、シャーマンキングが人生の中で好きなマンガトップ5に入っています。実は、今年からリメイクでアニメも放送されます。興味のある方は、こちらも要チェックです。
☞TVアニメーシャーマンキングー
では、次回もお楽しみにっ!
◆作品情報
巨大な頭像 No.1(紀元前頃850-700年)
作者不詳
玄武岩
高さ290cm
ラ・ベンダ遺跡公園(メキシコ、タバスコ州ビヤエルモサ)
◆参考書籍
世界アート鑑賞図鑑 (日本語) 大型本 – 2015/2/9
東京書籍
スティーヴン ファージング (編集), 樺山 紘一 (その他)
https://amzn.to/2LvUd7l
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