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いっしゅうき 2021.08⑤

2021.08.25 WED
260日目です。突然ですがいまめちゃくちゃ腹が痛いです。痛みの波の合間を縫ってなんとかこれを打っています。なんで? わるいもの食べた? エアコン冷え? 晩ごはんに食べたゴーヤサラダがよくなかったのかな。ゴーヤめちゃくちゃ苦かったもんな。小学生のときに給食で出てきたゴーヤチャンプルーがめちゃくちゃおいしかったので当時を懐かしんで買ってみたはいいものの、想像以上に苦くて苦悶しながら食べたのでその苦みが胃腸まで苦しめているとしか思えません。給食つくってくれるひとってすごかったんだな。いまさら感謝の念が湧き上がっています。ゴーヤって整腸作用かなんかあります?

2021.08.26 THU
261日目です。短歌関係のツイートで短歌研究新人賞の結果の話題をちらほら見かけていたので(てっきり上位の入賞の方のみ発表されるのだと思い込んでいたのですが、ツイートを眺めていて2首掲載・5首掲載などもあるようだと知りました)、そういえば自分も出したけど掲載してもらえてんだろうか……と気になり、重い足を引きずって書店まで行きました。新人賞を受賞なさった方のお名前はずいぶんまえに拝見していて、ああわたしは逃したんだな、そらそうだ、と思って以降全然動向を追っていなかったので、いざ書店で『短歌研究』を手に取り、掲載作を死んだ目で眺めていたら、なぜか、「佳作」受賞のところに「桐崎鶉」の名前があったので、本気で膝から崩れ落ちるかと思いました。

……まじ?

というわけで、ありがたいことに、第64回短歌研究新人賞にて、佳作をいただいていたようです。ありがてぇ~~~。ほんとびっくりした。ほんとうにありがたいことです。
受賞者の方々、最終選考通過の方々、そしてほかの皆様の作品を拝読すると、まだまだ足元にも及ばんな……と力が抜けてもきますが、それでも全国から何百という作品が送られてくるこんな大きな賞で「佳作」に選んでいただけるなんて、ほんとうに得難い経験だと思います。短歌についてはろくな勉強をしたことがなく、感覚とノリで作品をつくってきた人間なので、これを機にもっとちゃんと意識して作歌していければと思います! いや~~~うれしいなあ。これからもがんばろ。

ちなみに、家族へその旨報告したところ、母からは「すごいね!」(かわいいスタンプ付)、兄からは「まだ短歌続けてたんですね」というお返事をいただきました。また良い報告するから待っててくれよな! ☆俺たちの冒険はこれからだ──!!

2021.08.27 FRI
262日目です。昨日『短歌研究』を読んでいるときから少し頭が痛くて、「あ~~珍しく入賞なんかしちゃったから興奮してんのかな~~~アハハ」と思っていたのですが、その後普通に頭痛が悪化し発熱までしてきたので普通に寝込み、19時に就寝し、11時に起床しました。おかげさまで元気ぴんぴんです! おかげさまで # とは。

2021.08.28 SAT
263日目です。Netflixオリジナルコンテンツの『ミステリーバス』(2020年、ノルウェー)を観ました。一話完結型のホラーオムニバス作品です。

TLなどで「海外版『世にも奇妙な物語』」なんていうふうに紹介されており、以前から気になっていたのですが、予想以上にストーリーがしっかりしていておもしろかったです。ホラーというよりかは、海外の広義のミステリ・アンソロジーを映像化したような読後感(?)で、純粋な恐怖というより「そ、そうきたか~~ッ!」という捻り・どんでん返しが楽しめるシリーズでした。一話につき30分程度なので、飽きることなく完走できるのかなと思います。
やはり特筆すべきはその後味の悪さで、ストーリーの端々からひしひしと「観たやつを厭な気持ちにしたい!」という意志が伝わってきていっそ清々しいほどです。落ち込む、というよりは、人間のドロドロした部分を嘲笑ってやるぜぐへへというかんじなので、あまり深刻になり過ぎない、ゴシップ系の厭さをライトに楽しめます。ライトな厭ミス(厭ミス?)を観たいときには最高のツールになると思います!

2021.08.29 SUN
264日目です。ほんとうは早起きして映画館へ行こうと思っていたのですが常のごとく普通に寝坊したので、折衷案ということでチャーリー・カウフマン監督『もう終わりにしよう。』(2020年、アメリカ)を観ました。ずっと気になっており、マイリストに突っ込んだまま観られていなかった作品だったので、ようやく観られて嬉しかったです。まあ読後感(?)は嬉しいとは程遠いんですけどね。つら。かなしい……。

世界観・演出としては、怪奇幻想チックな雰囲気が好きな筆者としては非常に楽しいものだったのですが、根本的なテーマは実は普遍的で非常に大きなものを孕んでいて、そのバランス感覚というか、「このかなしみをこう表現するのか~!!」というのがたいへん興味深い作品でした。単に視覚的・演出的な楽しさだけを求めて鑑賞すると、ある種文学・創作に「救い」を求めている人々にとっては衝撃的でつらくてつらくてたまらない作品かもしれません。それでも筆者は好きだったぞ……本気でつらかったけどな……!!!

この監督の作品は今回が初めてだったのですが、思索的な雰囲気と突飛な演出の混ざり具合がおもしろく、個人的にはちゃめちゃに好みだったので、ぜひほかの作品も観てみたい!と思いました。同監督の『マルコヴィッチの穴』については噂は聞いたことがあり、ぜひ観てみたいと思っていたので、まずはそこから挑戦していきたいなと思います。
最近気になっている監督の作品、なぜか加入しているVODサービスではほぼ配信されていない、ということがほとんどで、やはりインターネット様だけでは解決できないことがあるのだな……と痛感しています。久しぶりにビデオ屋行ってくっかな。

2021.08.30 MON
265日目です。シネマート新宿へ、ロッジ・ケリガン監督『クリーン、シェーブン』(1993年、アメリカ)を観にいきました。

ずいぶんまえから映画関連の記事等で情報を目にしており、「ぜ、ぜったい観てぇ~~~!!!!」と思っていた作品だったので、ちゃんと劇場で観られてひとまず安心しています。観たい観たいと思っていても結局観ないのが私という人間なので……。
映画の内容や感想はツイートをご参照くださいというかんじなのですが、改めて思い返すと、なおさら哀しみがぶり返してなかなか立ち直れません。こういうのをトラウマ映画というのかな……でも「トラウマ」っていうかんじじゃないんだよな……「あとを引く映画」とでも表現したほうがしっくりくる気がします。ちなみに筆者の現時点でのトラウマ映画殿堂入りは『マンディンゴ』と『ミスト』と『ミスティック・リバー』です。
トラウマ映画、というと、個人的にはなんだかセンセーショナルで煽情的なイメージがあるのですが(もちろんこれは個人の偏見でなんの根拠もありません)、『クリーン、シェーブン』は作品全体に流れる雰囲気があまりに静謐で抑制されていたので(ノイズまじりの作品が「静謐」というのもなんだかおもしろい話ですが)、この表現を使うのはなんとなく憚られます。観たら忘れられないというのはもちろんなのですが、なんとなく、かなしみややるせなさがずっと残り続けるような……うまく言葉にできない時点で、趣味創作人失格だな、と思います。精進します。

統合失調症を取り上げた作品ということで、知識のない筆者では、彼を自分の経験という尺度で見るしかなく、この作品の表現が「適切」なのか、そういった精神疾患に対する正しい知識のもと製作されているのかは判断ができません。ただ、あくまで私個人の主観としては、いたずらに精神疾患をツールとしているような印象はまったく受けませんでしたし、彼の精神が非常に危うくなるシーンではどこか共感できる部分もあり、また幻聴のフレーズと彼の家庭環境の断片的な情報との関連には「成程……」と思わせられることもあったりして、考えれば考えるほど(なんとも陳腐な表現で恐縮ですが)奥が深いというか、あとから反芻するほどに味の出てくる良い作品だと感じます。
また、彼が精神の平穏を取り戻したかのように映るラスト近くでは、その様子がなんとも切なく、彼の病状が安定したのがはたして「父親である」という実感であったのか、それとも彼のいう「送信機」を切除したという思い込みによるものなのか……そのあたりの曖昧さが、彼に対するやるせなさを増幅させているように思えて、筆者の心にいつまでも突き刺さって消えません。もし仮に「父親」という意識が幻聴に打ち克ったのだとしても、彼のあの状態では絶対に娘を幸せにはできないだろうと思うと尚更……。
あまりつらつらと語っても、この作品を観ておられないかたにとっては終始「なにを言っとんねん」というかんじだと思うので、このくらいでやめておこうと思います。この文章量からお分かりいただけるかと思いますがめちゃくちゃ好きな作品だったんです。御興味のある方はぜひご覧になっていただければと思います。

余談ですが、シネマート新宿さんに行くのは今回が初めてでした。小ぢんまりとしていながらも随所に工夫や遊び心が見えて、とても楽しいシアターでした。以前『アングスト/不安』を上映なさっていたときに、力のこもったデコレーション(?)やグッズ販売の様子をついったで目にして以来、なんとなくずっと気になっていた館だったので、実際にその遊び心を目にできて嬉しかったです。

表現の仕方については若干賛否両論な気もしますが、観てもらわないことには始まらない「映画」というものに対し、話題のつくりかた、宣伝の方法についての本気度は桁違いであるように思えます。映画を上映することに対する熱意というか、プロモーションを楽しんでいる感が濃厚に味わえました。ぜひまた行きたいなと思います!

2021.08.31 TUE
266日目です。朝から映画でも観にいこうかと思っていたのですが、気付いたときには14時を過ぎていたのでもういいかとなり、現在に至ります。もうだめだ。

ほんとうにありがとうございます。いただいたものは映画を観たり本を買ったりご飯を食べたりに使わせていただきます。