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子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本【読書記録#03】

図書館で入荷したての本として紹介されていて、手に取った本。
読むのに時間がかかってしまったけど、印象に残ったことを思い出しながら記録していく。


どうしても私たちは、子どもだった自分と目の前の子どもを混同しやすい

まずこの本は、タイトルからして非常に特徴的だ。どのようにして良い親子関係を築けばいいのかをイギリスの心理療法士の方がまとめた本なのだが、普通そういった本だと、主語(対象読者)が「親である自分」になってあるものが多いと思う。しかし、この本は主語が「親の子どもである自分」なのだ。

このことの意味が第一章で語られる。

子どもは何歳になろうと、あなたがその子どもに近い年齢だったころに経験した感情を体感できるくらいはっきりと思い出させる。

本書より要約して引用

そう、自分が子どもだったときに抱いたネガティブな感情は、大人になっても自分の中に知らぬ間に燻っている。例えば、私であれば、もうちょっと遊んでいたいのに「早くお風呂に入って!」と母親のスケジュールの都合を押し付けられたことなどがある。そこで反発しても意味がないことを知っているから、自分の遊びたい気持ちを飲み込んで、渋々お風呂に向かっていた。そんな過去があったから、子どもができた今、息子がいつもお風呂に入る時間になっても遊びをやめないで、「お風呂にまだ入りたくない!」といったりすると、イラッとしてしまう。その背景には、「昔の自分は我慢してお風呂に向かったのに!」という感情があるからだと、本では述べられていて、本当にその通りだと思った。

だからこそ、私たちは、”親”である自分よりも先に、"子ども"であった自分を理解する必要があるのだ。「子どもの自分」と「子ども」を混同しないために。そうすることで、ネガティブな連鎖を断ち切るために。

ここでガツンとこの本を最後まで読み切りたい気持ちにさせられた。そして、二章三章と読み進めると、子どもの感情との向かい方がテーマになっていく。

子どもの感情を受け入れる

親子関係において、何より重要なのは、子どもの感情(特にネガティブな感情)を、受け入れることだそう。

こどもの厄介な感情をないものとして無視したり、否定するのではなく、まずは受け入れる。

本書より要約して引用

例えば、子どもが癇癪を起こしたとき、大人は子どものその負の感情をよくないものとして扱いがちだ。そのような大人のよくない受け取り方は以下のようなパターンがあるらしい。

① 抑え込む
「シー!」「そんな大したことじゃない」と子どもの感情を無視するような受け答えをする。こうした親の反応が続くと、子どもはだんだん感情を見せなくなるそうだ。

② 過剰に反応する
例えば保育園の通い始めなどで初めて長時間離れる時に、一緒に泣くなどが当てはまる。この場合、親に重荷を追わせているか自分の感情を侵害されていると感じて、同じように子どもは感情を見せなくなるそう。

本書より要約して引用

そうではなく、「悲しいんだね」「嫌なんだね」と子どもの感情の受け皿になる、あるがままに受け入れると言うのが良いそう。この辺り、そこらの育児書にも書いてありそうだけど、この本ではもう少し細やかでついついやってしまいがちな事例が挙げられていた。例えば、子どもにとって悲しいことがあった時に反射的に「大丈夫!次はいいことあるよ!」といってしまいがちだけど、そういった時もまずは「そう。悲しかったね」と受け止めてあげること、などなど。ポジティブな返しなら別にいいのかと思ったら、そうじゃなくて、「子どもの感情をありのまま受けて入れられているか」というところが本質なのだ。

自分自身の感情(どんなに強い感情でも)に居心地の悪さを覚えないことが子どもの感情を受け入れられるようになるコツ。

本書より要約して引用

そう。そのためには、親が自分の感情をありのまま受け止められている必要があるよね、と言う話。

親になるということは時間がかかるもの

そうして、本は親としての心構えの話に入っていく。

psychological Process of childbearingによると、親には大きく2パターンがある。「律する親」と「手助けする親」である。
手助けする親は、日課の予測がつくことより、反応の予測がつくことの方が大事と考える。

本書より要約して引用

どちらがいい親という訳ではないと、強く記載されていたが、反応の予想がつくことは子どもの感情の安定につながるようなことが記されていたと思う。確かに、私も日課的なものは柔軟にしつつ、自分の軸はブラさない生き方をしたいなと思う。

また、子どもの気分に振り回されることについて、こんな一文があった。

親になると、常に時間を取られるもの。どのみち必要な時間なら、トラブルが発生したあとでネガティブな時間のかけ方をするよりも、トラブルを未然に防ぐようなポジティブな時間の使い方をする方がよい。

本書より要約して引用

最近、子どものYoutube視聴でガミガミいっては子どもが癇癪したりしてしまったことがあったので、この一文読んで反省。本当にそうで、癇癪状態になってから、立ち直るまではこちらの感情も昂ってしまっているから本当に時間がかかる。そうならないように前もって子どもの感情と向き合う時間を作ることは意識していきたい。実際にここ数日これを意識したら、私も楽になったし、子どもも癇癪を全く起こさなくなった。Youtubeの決めた時間を5分オーバーすることを禁止して、その後30分喧嘩モードになるより、5分許容して二人とも笑顔でその後も過ごせた方が良いに決まってる。

子どもの嘘は咎めるのではなく、後ろにある感情を想像するべし

最後の章のあたりで、印象に残ったのは子どもの嘘の話。

子どもは誰だって嘘をつく。行きたいくない集まりに「体調が悪いといっておいて」とパートナーに伝えたりしている親を見て育っているから、それはナチュラルなこと。
嘘をつくことを厳格に辞めさせようとすると、却って嘘が上手くなることがわかっている。一番重要なのは、嘘をつく子どもの行動の裏にある感情を知ろうとすること。

本書より要約して引用

確かに大人は「優しい嘘」といった言葉で、嘘をつくことが普通にある。それを見て育った子どもが嘘をつくことは当たり前だ。

最近の我が家でいうと、寝る前にトイレにいって欲しくて、「トイレ行った?」と聞くと、絶対にいっていないのに「もう行ったよ」と子どもが答えることがあった。何回か「いや、絶対いってないでしょ。見てたよ」と如何にも嘘を咎めるように反応してしまったけど、「寝ている最中にトイレ行きたくなるとお漏らししちゃうでしょ?だから、少しでも不安ならいった方がいいと思う。本当に行きたくないなら行かなくてもいいけどね。」と言えた日があった。すると日によっては、「じゃあ、一応いっておこうかな」とトイレに向かってくれることもあった。うん、この関係の方が心地よい。(「いかなくて大丈夫」と言われた日は、翌朝まで布団が無事かハラハラではあるけれど…今のところ無事です。)

以上、久々にこういう親子関係の本読んで、良い機会でした。
また読書したら記録しに来ます。

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