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後悔しない道を選ぶことを、あきらめた話

朝、昨日の自分を恨みながら目覚ましを止める。
なんとか起き上がって、スリッパを履く。半袖でも寒くなくなってきたな。
今日は時間ないしヨーグルト、やば、あと2分で始業時間。
右手にコップ、左手にヨーグルトとスマホ。PCに向かう。

よくある朝の数分間にも、私はいくつもの選択をしている。
今起きるか、あと少し寝るか。
はだしか、スリッパを履くか。
カーディガンを羽織るか、羽織らないか。。。
意識しているかどうかは別として、私たちは常に何かを選んで過ごしている。

人生とは選択の連続である、とはよく言ったもんだ。

やらなきゃいけない課題をいつ終わらそうか。
間に合わなさそうだけど、走った方がいいかな。
今日のご飯は何にしよう。
この洋服、買うならどっちの色にしよう。
大小はあれど、ずっと迷うし、悩み続ける。

自分にとって重大な選択をする時、どちらの方が後悔しないか?ばかり考えていないだろうか。
失敗したくない。人一倍その気持ちが大きい私は、いつも「後悔しない方」を選ぼうとしてきた。
知らなきゃ損!と書いてある投稿は見たくなる派で、後悔しないように、なるべく周りに迷惑をかけないように生きてきた。後悔しない方を選ぼうとするのは自然なことではないか。

でも、ここで困ったことがある。熟考すればするほど、いい面も悪い面も見えるのだ。
えいやで決める勇気もない私は、どちらの道を選んでも後悔しそうだ。

たとえば、最近、転職活動をしてみた。
今の職場はパワハラもセクハラもなし、人間関係も良好。怒鳴られることも責められることもなく、質問には優しく丁寧に答えてくれる先輩ばかりだ。全然定時に帰れるし、お給料も働いた時間分ちゃんと払われる。有休も基本は好きな時にとれる。どこのホワイト企業?
でも、私は、入社してからずっと、「働いている」感覚がなかった。毎日が楽しくて、働いてる感がない!とか、そういう明るい感情ではない。いわゆる社内ニートだった。自分に任される作業がなく、調べものをしようにも何を調べていいかわからない。できないにぶつからないから、できるようになった実感ももちろんない。
手に職をつけたいと思って入った業界なのに、20代の貴重な時間をニートしてていいのか・・・?と焦りは募るばかりだった。

経歴書に書ける経験なんてないし、今よりいい環境に入れるかはわからないけど、第二新卒ってポテンシャル採用って言われてるし、なんとかなるかなあ。そんな気持ちで転職活動を始めてみた。

転職エージェントに登録して、職務経歴書を書いて、何社かに応募した。
結果は、全部書類落ち。
新卒とは違うってこういうことなんだなって痛感した。わかってはいたけど、「あなたは社会に必要とされてません」って言われてるみたいで、まあまあ辛かった。受けたのが高望みな企業ばかりだったんだろうけど、人間関係を一から構築しなきゃいけないことの負担を考えると、私は何度も転職できるタイプではなさそうだから、一回でなるべく自分の理想に近いところに行きたかった。

エージェントさんに相談すると、「〇〇さんの応募数はかなり少ないと思われます。今の希望業界、職種、企業規模のままいくとすると、応募数をあげるしかないです」みたいな回答が。要は、数打ちゃ当たるって話か。ん~~なるほど。それはそう。なんだけど、新卒の時に数打ちすぎてキャパオーバーした経験があるから、一度の応募数はなるべく数は増やしたくない。

書類系も精査する必要があるけど、そもそも私、何がアピールできるんだっけ??
したことある作業なんて、Excelの関数使ってデータ突き合わせるとか、PowerShellで簡単なツール作るくらいだし。運用経験なんてないし、設計なんてもってのほか。
え、やってみたい!である程度までは通用してた新卒に対して、若手求職者に対しての必須条件きつすぎない?とまで思った。もちろん新卒時に私が今回落とされた企業に入れた人たちを否定するつもりはないし、やってみたいを裏付ける話ができたから採用されたんだろうけど。ちょっとくらい落ち込ませてくれ。

話がそれてきたから戻すと、最近の私にとっての大きな選択は、
「今の会社をこのまま続けるか、無理やりでも転職活動をするか」
だった。

ここで自分に問いかける。
「どっちを選んだら後悔しなさそう?」

転職するとして、自分の経験を絞り出して盛りに盛って話して、でも即戦力にはなれないことはわかってもらわないと入ってから私も同僚も会社も辛いから話す時のさじ加減は大事だし。相当な数祈られるんだろうからそれだけ辛くもなるし、転職できたとしても新しい環境に慣れるまではストレスがたまるし、そんな大変な思いして入ったところが、まったく合わなかったら後悔しそう。

かといって、活動しないとしても、このまま社内ニートが続く可能性は大いにあるし、1年後も同じ状況だったら笑えない。実際、研修という名の自宅で自習期間が終わるのが2年目の終わりになるなんて誰が想像できた?笑

どっちの方が後悔しないか?
そんなの、どっちを選んでも後悔しそうだ。

堂々巡りしてても、時間は過ぎていくもので。
何かやらなきゃと思って、とりあえず職務経歴書を修正してみたりしたけど、うーん、しっくりこない。

どっち行っても後悔する道じゃんか。
それならばと思って、根本的に問いを変えてみた。



「どっちにしろ後悔するんだから、するならどっちの道がいい?」


後悔しないことを諦めた私が出した結論は、一旦転職活動を止めることだった。
エージェントさんにはまだこの決断は伝えてないし、いつでも動けるように書類のメンテはしておこうと思うけど、ひとまず、1つでも「これを頑張りました」って言えるものができるまで、今の職場で頑張ってみることにした。
私の「これを頑張りました」が、いつか私が希望する会社にどのくらい通用するかはわからないけど、それを評価してくれる会社と出会えるまで活動すればいいわけだしね。自分の経験をどう伝えるかは、その時に考えることにした。任せたぞ、いつかの私!

今の私は、目の前のことに集中する道を選んだ。
業界も職種もまだまだ面白いと思えるし、初歩的な質問にも嫌な顔一つせずに丁寧に教えてくれる先輩と、同じ辛さを経験してる同期がいるこの現場で、自分の「できる」を増やしていく道を選んだ。この道で後悔したいと思ったよ。

あくまでも今の選択だから来月には変わってるかもしれないけど、やっと納得できる答えが出せた。あーーーーすっきりした。

後悔するならこっちって選んだ道を歩くって決めてから、面白いほどに作業が増えた。
覚悟のようなものが、ものの見方を変えたのだろうか。
その中で、発生したトラブルをマニュアルや設計書を読んで解決できた。
関わってるシステム全体から見たら小さな小さなトラブルだけど、私にとっては大きな一歩。

やることがなくて、集中できなくて自己嫌悪してた過去の自分に言ってあげたい。大丈夫、今は点を集めてるだけだよ。いつか線になる日がくるよ。

そして、今後選択に迷った時は自分に問いたい。
「どっちを選んで後悔したい?」

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