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【FF16】1周目クリア後の感想(ネタバレあり)

無事に長い旅を終え、トロコンは全然してないけどクエストはおそらくすべて完了、レベル48まで到達したクライヴの旅を振り返っていこうと思います。

思いついた順に書いてるのでけっこうわちゃわちゃです。

2023/9/21追記:アルティマニアを買って読んだので、部分的に変更および追記した。アルティマニア前の文章との整合性がおかしい部分もあるけども気にしないでね。


バトルシステム

とにかくサポートが手厚い

あまりアクションが得意ではないので、アクションRPGを謳うFF16をちゃんとプレイできるか若干の不安があった。
けれど、公式のインタビューや先にクリアしていた人のおすすめなどを読むと、どうやら難易度調整が可能なようだ。
そしてそれは真実で、ストーリーフォーカスモードにした上でオートスローの指輪をつけ続けることで戦闘で苦労した覚えはあんまりない。
(石塔開放直後に一度挑んでアビリティ縛りに苦しんで撤退した記憶はある)(おそらくレベル上がった状態でオートアタックつけてったら楽勝だと思う)

華麗なアクションもゴリ押しも出来る

いろんな召喚獣のアビリティを組み合わせて華麗なコンボを決めてもいいし、いつも同じ手札でゴリ押しをしてもいい。
そのあたりは各個人のプレイスタイルに合わせて用意されているので、やりたいようにやればいい。

フェニックスを(心情的に)外せなくて、ガルーダのフィートが強くて、シヴァの範囲攻撃も強くて、そればっかり使ってた。

バハムート、タイタン、オーディンのアビリティは強化はしたけどほぼ手つかずだったのでちょっともったいないことをしたかも。
斬鉄剣でゴリッと削るの楽しそうですね(クリアしたからネタバレ気にせず他人のプレイ感想を読める幸せ)。

シンプルでわかりやすい

FF16にはコマンドもなければプレイアブルキャラはクライヴだけ(一部例外あり)で、パーティメンバーは勝手についてくるし勝手に攻撃する。
パーティメンバーは死なない。メンバーのHP管理はいらない。
スタミナとMPの概念がないからその管理をしなくていい。
ひたすらクライヴを操作して、華麗な魔法剣戟アクションに集中すればいい。
敵を切り倒してもいいしアビリティ連打で翻弄してもいい。

とても爽快で、ストレスの少ないバトルシステムだった。
敵の攻撃予兆が見えるのもすごくいい。
エフェクトも派手で爽快で、アクションの気持ちいいところをぎゅっと抽出してある。

アクション苦手な人も得意な人も自分にあったスタイルで戦える、いい戦闘システムだと思う。

オートアタックのAIが凄いと聞いているので、そのうち使ってみたい。

世界観など

マザークリスタル

人はマザークリスタルの加護なしに生きてはいけない……と父上はおっしゃいましたが、嫡男はそれをぶっ壊すし弟もそれを手助けします。

世界が終わる元凶。
アルテマ分身体が変化したエーテル収集システム。
この事実を知ったとき、「じゃあみんなが使ってる小さいクリスタルって、実質アルテマのフケ?」と思った。
ぶっ壊さないといけないけどぶっ壊したらぶっ壊したでアルテマの分身が開放されていく。

ところでマザークリスタルからクリスタルが採掘される、とか純度がどうの、とか言われてたけどエーテルを集めて自己修復する(削られた分だけ回復する)みたいな機能がついてたのかな?
ドレイクスパインは採掘量が少ないってロアにあったけど他との差はなんだろう。
灰の大陸は黒の一帯が広がっててエーテルが少なくなってるから修復機能が低下してたとかそういうアレか。

マザークリスタルが吸い上げたエーテルはオリジンに送られていたけれど、そのへんの人達がクリスタルを使って魔法として発動した後のエーテルはどうなるんだろう。魔法に変換されてそれっきり?
リサイクル循環が出来てれば問題なかったけどそうはいかなかった。

ゼメキスだけ命名規則が違うのはロアで解決。
結局大瀑布の物理法則無視の謎は解明されなかったな……。

ベアラーとドミナント

同じ「クリスタルなしに魔法が発動できる」人種なのに扱いが違いすぎるだろ、と感じていたけれどちゃんと禁書クエストで理由が判明した。
それにしても、飛竜草の毒で刺青をするのは分かるんだけど、刺青の段階で死なない?
無理に刺青を除去しようとすると毒が回って死ぬ、っていうならそもそも刻む段階でも死んじゃいそうな気がするんだけどそこは特殊な技術が使われてるんだろうか。
毒で刺青するからめちゃくちゃ痛くて苦しむって文献にあって、これを子供に施すのやばい。

ベアラーは奴隷にしたけどドミナントは戦力が桁違いだから厚遇した、て記述にも人間の生臭さが出てていいですね。

一般NPCたち

ヴァリスゼアに暮らす人々。
クライヴは彼らの名前を殆ど知らない。吹き出しが出ている人以外に話しかける事はできないし、表示される名前も「金髪のベアラー」とか「明るい女」とかそういうやつだ。
ただ傍を通ったときに会話が漏れ聞こえることがあるだけ。

もちろん、隠れ家に暮らす人たちなど、名前が出る人もいる。
それでも出会う(画面に映る)人たちのほとんどは、名前も知らないし会話もできない。
青年期はベアラー刻印もちとして、壮年期はお尋ね者(どこかの国で懸賞金がかけられてるのかは分からないけども)として、フレンドリーに人々に話を聞くキャラではないのでこの仕様は納得できる。
最初は全員に話しかけられないのはちょっとつまらないな、と思っていたけれど、徐々にこういう世界なんだ、とすとんと腑に落ちた。
世界が不安定に揺れている情勢で、誰彼構わず片っ端から話しかける黒ずくめの男はたしかに不審者だしね。それはそう。

それでも、ストーリーの進行とともに変化していく彼らの会話の内容はたしかにクライヴがヴァリスゼアに生きていることを感じさせてくれる手触りがあった。

アクティブタイムロア

めちゃくちゃ画期的なシステム。
今話題になってる言葉の意味がすぐわかる。カットシーン中でも使えるのがありがたすぎる。

ストーリー進行で増えていくロアは隠れ家に行けばハルポクラテスのところで全部見れる。見逃したやつも見れる。

ヴィヴィアンがいると人物相関図やら各国の動向まで分かる。

複雑な設定もなかなか覚えられない国の名前と位置関係も、戦場の場所も、これで視覚的に理解できるのでとってもありがたかった。
国の名前とか位置関係がわからないのが地味にストレスだったけども、二代目襲名まではチュートリアルだと思っておこう。

暇な時に隅から隅まで読むと脳みそが幸福で満たされる。
設定こまかく知りたい勢にありがたすぎるシステムなので今後全部の設定がややこしいRPGでこういうかんじのやつ搭載して欲しい。

黒の一帯

エーテルが枯渇したことで魔法が使えず、命の失われた死の大地。
これが広がることにより実質的な国土が削られて紛争が激化していく。
でもシドは黒の一帯でも生きる技術を発展させてそこでも生きていけることを証明した。
空気はある。
水も、旧隠れ家は井戸を掘って地下水を得ていたし(アルティマニア情報)、クライヴたちの隠れ家では浄水装置で確保している。
肥沃な土を持ち込んで植物を育て、魔法に頼らない調理を、鍛冶を行う。

2代目襲名後もその方針は引き継がれ、ごく限定的な範囲であるが人々が生活できるだけの基盤を作った。

これは、エンディング後の、最後の幻想がおとぎ話になった時代に続く希望だ。
マザークリスタルと魔法が失われ、もう大地からエーテルは失われない。
エーテル溜まりもゆっくりと解消していくのだとしたら、人間は黒の一帯の上に肥沃な土を置いて、水を浄化して(あるいは井戸を掘って)、新たな版図とすることが出来る。

エピローグの兄弟たちの家がある場所は、もしかしたら昔は黒の一帯だったかもしれない。

空の文明

まあまあ謎のままになっている。
アルティマニアを読むと古代から現代への歴史がわかるけども、ゲーム内では頑丈な遺跡の残骸以上の意味はあまりない。
エンディング後の魔法が失われる世界では、魔導を基盤にした文明は単なる憧れ(もう目指すことはできない)になるんだろうな。
もしかしたら辿り着けたかもしれない文明は、完全におとぎ話になった。

クエスト

FF16はめちゃくちゃに画面が綺麗だ。
ほぼ現実のような手触りがある。
そして現実ということはデフォルメされてない雑多さと近くて、つまり「街の人に話を聞く」みたいなクエストでは誰に話しかけたら正解なのか全然わからない。かと言って片っ端から話しかけるのは効率も悪い。
そこで、クエスト対象の人物(または場所)はマークされる。
最初は「親切すぎて鬱陶しい」とちょっとだけ思っていたが、進んでいくうちに気にならなくなったし、この雑多な世界から必要なものだけをすくい上げるには必要最低限でいいUIだな、と腑に落ちた。
ところで私は寄り道脇道大好きプレイヤーなのでもっとクエストを受注したい。DLCでそういうの出ると嬉しいな(FFのDLCのについて何も知らないので気楽に言っている)。

メインキャラクターたち

クライヴ・ロズフィールド

我らが主人公、フェニックスのナイト、可愛い弟と優しい幼馴染と元気な狼、そして偉大なる父親となんかちょっとアレな母に囲まれてすくすく成長していたが、運命の波に翻弄されてめちゃくちゃ過酷な思春期を過ごす。
弟は殺されるし(死んでない)実の母に奴隷に落とされて酷使されるし、死んだ目で他国のドミナント暗殺に出向いたら幼馴染と狼と再会して二度目の運命の波に乗る。
人生で師となるシドと出会い、フェニックスゲートの夜の真実を知り絶望する。そこからシドと同じ道を歩むことを決意し、想いを受け継ぎ、2代目襲名。マザークリスタルを破壊する大罪人として突き進んでいく。
やがて弟とも再会し、ジルやトルガルを始め多くの人たちと深く関わりながら生きていく。
無茶をやって愛する女をすぐ泣かすので弟の鉄拳制裁が入りました。

腰まで沈んだ泥沼のなかを走り続けるような過酷な運命を生き抜いた人。
燻り続けていた復讐心が一度は消え、そこからシドの大義に共感して今度は世界を変革するための種火となり、周りの人々を巻き込んで大きな炎となった。

ゲーム開始直後からずっと死んだ顔をしてたのがだんだん表情がゆるんでくるのが本当にいい。
特に2代目以降は冗談を言ったり普通に笑ったりと、成長したなあ、よかったなあ、と思いながらプレイしていた。

他の召喚獣の力を取り込んでいく、というストーリーにより徐々に人間をやめていくことになり、最後にはアルテマの力すら取り込んだ。だが、大きすぎる力は到底制御できるものではなく、理をぶち壊すために自分の全部を使って幻想を終わらせた。

<生存ルートに入っていた場合(完全な妄想パート)>
左手は石化しているがほかは無事。切断してミドにめっちゃかっこいい義手を作ってもらうか、石化の治療法をタルヤが見つけてもとに戻るか、どっちのルートでもいい。
アルティマニアによると理の破壊で「石化」もなくなったらしいので、左手復活ルートもあるぞ。

左手がダメでも利き手は無事だしアビリティ使えなくてもめちゃ強なのは変わらないのでジルとトルガルと旅に出るにしても道中は安全でしょう。
ハルポクラテスには剣ではなくペンを執って自伝を書いて欲しいと請われており、もしかしたら「おとぎ話ではない方の」本を書いたのかもしれない。
クライヴの性格からして、子どもたちが好んで読むような「おとぎ話」を書くタイプではなさそうなので自伝か戦記物か、己の半生と絡めたお硬い本を執筆してそう。
もちろんバイロンは出版資金を出したし20冊買って親戚中に配るし家宝として弟の本(ファイナルファンタジー)と一緒に本棚の一番いい場所に並べている。
タイトル案は「大罪人《シド》」「マザークリスタル戦記」「ロズフィールドの炎:不死鳥の剣と盾」なんかどうでしょう。

ジョシュア・ロズフィールド

もう一人の主人公。
兄を尊敬し、頼りにする一方、なぜフェニックスに選ばれたのが兄ではないのかと苦悩する幼少期。みんなが欲しているのはフェニックスのドミナントであるということだけで、フェニックス抜きの自分自身には価値がないと思っていた。
フェニックスゲートの事件の後、おそらく天啓の儀式のために待機していた不死鳥教団に保護される。
療養を経て、教団の宗主として活動。
おそらく、イフリートの存在やフェニックスゲートの地下にある謎の神殿について調べるうちにモースの筆録にたどり着き、教団を使って写本を入手、アルテマを倒すために暗躍していたものと思われる。
兄については自分が関わると巻き込んでしまうという思いから、教団経由で情報を集めるだけで会おうとはしなかった?
それでもドレイクヘッドでは兄をかばい、その時にクライヴが手にしたフェニックスの羽根はその後もずっとクライヴのお守りになっていた。

もともとが病弱な上にアルテマを封印してさらに無理がかかり、胸を中心に石化が進んでいく。
めちゃくちゃ痛くて苦しいだろうに弱音を吐かないところは兄によく似ている。

従者のヨーテのことは大事にしているけれど恋愛感情はなさそう? どうかな……どうなんでしょうね。
この兄弟、どっちも恋愛下手そうである。

最後の戦いでは兄にフェニックスを託し、幼い日に思い描いていた「フェニックスとして顕現する最強の兄さん」が叶った。
大事なことを言うときに「クライヴ」って呼びかけるのがとてもいい。

クライヴのレイズでおそらく蘇生したと思うけれど、明確な生存シーンはないので兄と同様生死不明。
でもラストのファイナルファンタジーを書いたのはジョシュアだと思っている。語り部ハルポクラテスの後継として、かつてあった神話と幻想を、何百年も後まで残る物語に仕立てた大作家になろう。
魔法があった時代、未来のためにマザークリスタルを破壊した大罪人にして最強の剣士でイフリートにも顕現できて神を名乗るアルテマをぶっ飛ばした救世の英雄、最高にかっこいい僕の兄さん、についてめちゃくちゃ力の入った筆致で描写されていると思う。

ジル・ワーリック

本作ヒロイン。少女時代は優しさと可憐さを持ち合わせた完璧ヒロイン属性美少女だったが、なんの因果か鉄王国に囚われてしまったために泥水を啜るはめになる。
詳しくは描写されてないだけで作中に言及された以上の手酷い仕打ちを受けているだろうし、大司祭ももっと惨たらしく殺してるだろう。
生き延びるためには獣になるしかなかった、それでももう死んでしまおうと思った矢先に同じく泥水ルートに足を突っ込んでいた初恋の幼馴染と再会。
甘酸っぱいルートに入るかと思いきや、クライヴは目が死んでるし自分も過去を引きずっているしなかなか進展はない。
それでも、2代目襲名以降、とくにドレイクブレス破壊後は少しずついい感じになっていったんじゃないだろうか。とはいえ石化が進んでいるので無理はしないで欲しい。
バトルでも大変お世話になる。雑魚殲滅力が高いしパーティーメンバーのHP概念がないので放って置いても大丈夫な安心感。

影の海岸でクライヴと心情をぶつけあい、結ばれた(婉曲表現)と思われるがその前からくっついていてもいいんですよ(そのあたりは原作じゃなくて二次創作の領分だね)。
クライヴにシヴァを背負わせたこと、最終決戦についていけないことをぐっと堪えて送り出す正ヒロインの風格。

「何があっても私が”あなた”を見つける」と、そう言ってくれたジルは、海岸に横たわるクライヴを見つけてくれたと思う。

トルガル

頼れる相棒。
13年間、ずっとクライヴを忘れずに求め続けていた。
トルガルのクエストをやるとトルガルのありがたみが身にしみる。ついでにカローンのありがたみも。
なんでクライヴよりトルガルのこと詳しいんですかもっとトルガルのことちゃんと見ろクライヴ。

まだ庇護が必要な仔狼のころにクライヴと離れ、戦乱に沈むロザリアを駆け回ってクライヴの匂いがついているものを秘密基地に集めていた。
どこかのタイミングでシドに拾われて現在のルートに入る。

途中、氷狼フェンリルだったことが判明するけれどクライヴ、ジル、シドというドミナントに囲まれて過ごしたために多重属性を獲得するスーパー狼。
戦闘でも役に立つしなにより可愛い。ありがとう。
頭がいいのでたぶん人間の言葉がわかってる。

ロザリス城にジルを救出に行ったときのクライヴとのアイコンタクトがすごすぎる。有能すぎる相棒。ご主人がイフリートになってどんなに現在地をハチャメチャにしてもちゃんと脱出して隣に戻ってくるところもさすが。

ガブ

有能オブ有能なスーパー斥候。クライヴの相棒(二本足枠)。
本編開始後、おそらくクライヴにとっての初めての親友。
おちゃらけと湿っぽさとシリアスを絶妙な塩梅で提供してくる。

崖から落ちて木の根っこに片手で掴まって危うく濁流に飲まれかけたり、元の隠れ家襲撃時に襲われて隻眼になったり、シドの墓参り後に意味深な背中を見せたり、斥候として潜入中のランデラが襲われたりといくつもの死亡フラグを立ててはその度にへし折ってきた。
つらい過去を少し開陳したりもしつつ隠れ家に生まれる新しい命に誰よりも喜ぶ。

最終決戦で、名前を呼んでくれてありがとう。

シドルファス・テラモーン

序盤から死亡フラグを山程見せつけてくる渋かっこいいおじさん。
頭が良すぎたために世界の真実に気づいたし、魔法に頼らない生活の方法を開発することも出来た。
天才で、実行力があり、信念と正義を持ち、強く、カリスマがあり、ついてくる仲間がいる。
そうして作った組織が世界を変えていく。
シド自身はそれを見届ける事はできなかったが、見つけた後継者にちゃんと全部託した。
序盤で死んでしまうがクライヴとプレイヤーに残したインパクトは絶大。

バイロン・ロズフィールド

本作最高の愛され叔父さん。このひとがいると一気に場が明るくなる。
アナベラに頭を下げて耐え忍んだ18年、死んだはずの甥が訪ねてきて偽物をぶった斬ってやろうと出向いたら立派に成長した青年があの少年の日と同じ口上、同じ振り付けでごっこ遊びを始めた瞬間の叔父さんの心情を思いやると心が温かくなりますね。
ダリミルでやらかしたり、その後のストーリーで金の力と大商人としての実力と悪役ムーブの合せ技でファインプレーをもぎ取ってくるあたり愛され要素しかない。
甥たちが生きてたとわかってからのはっちゃけバイタリティ具合がすごい。ていうかロザリア七家族みんな金持ちなのか。今後の世界の復興のためにもバイロン叔父さんの力が必要ですね。
ダルメキアのおじさんとずっと仲良く喧嘩しててほしい。

ハルポクラテス

今作の超重要人物。おかげさまで助かっています。
システム的に知識が読めて嬉しい、ということもあるけれど単純に生き字引なおじいちゃんキャラがツボというのもある。
外大陸からやってきて隠れ家に腰を据えているが、隠居のじいさんという風格でありながらなお知識を求めるバリバリのインテリジェンス。
《語り部》と称される通り、知識を溜め込むだけではなく次の世代に伝えていくことを使命としているところもかっこいい。
ディオンと再会して言葉と心を交わせたのは良かったけど、いかんせんディオンの死相が濃すぎるので無事に再開できたルートをDLCでください。

ヴィヴィアン・ナインテールズ

今作の超重要人物その2。
シナリオでもクエストでもそんなに登場しないけど、ヴィヴィアンがいないとめちゃくちゃに困る。
大学で不祥事を暴露したら命を狙われて、それを知ったミドがクライヴに助けを求めて今に至る、という経歴も最高。
ナインテールズは「9つの話」でようはやたら饒舌にいつまでも喋る、という名前のようだけど、おそらくディスられてるそれが気に入ってる変わり者。

ベネディクタ・ハーマン

正直あっさり死ぬので印象が薄い。
心の底から愛した男は離れていき、自分を気遣う部下の気持ちにも気づかず、神しか見てない最悪の男に奉仕してしまったのが間違いだった。
でもウォールードの暗部でイキイキしてるベネディクタは見てて楽しかったよ。
早期退場するけど生首になってフーゴにデリバリーされることでその後の遺恨のもととなるファインプレー。主人公側にしたらファインでもなんでもないが。
心の拠り所が「ガルーダのドミナントである自分」しかなかったのでガルーダを奪われて一気に崩壊した。

フーゴ・クプカ

生首デリバリーされた方。
あんなに力こそパワーみたいな生き方してて政治にもめちゃくちゃ口を出してるフーゴがたった一人の女のために人生をゴリゴリに捻じ曲げてく。
惚れた弱みの究極系みたいな男。オラオラ系に見せかけて純粋で一途。
それはそれとして主人公側の味方の大量虐殺やったのでクライヴと殴り合う運命でした。みんなが「あんな女一人にいれあげてよくやるな」とバカにしていたが最後まで愛したベネディクタのために戦って死んでいった。
タイタンとの召喚獣戦めっちゃ楽しかったな……。

ディオン・ルサージュ

イケメンで高潔で清らかで強い。おまけに我慢強くてどれだけ父親に冷遇されようと、単なる便利な兵器扱いされようと耐えていた人。
飛竜草の花は、ディオンにとって父親からの信頼であり自分からの忠義の象徴であったのに、父が再婚したのがアナベラだったばかりに……。
謁見の間で血筋を理由に嬲られてたシーン、さっさと殴ればいいのにと思ったけどそれが出来ないのがディオンであって。アナベラは自分は殴られないだろうって自信だけでよくもまあアレだけの煽りが出来たな。すごい。

父からの信頼が欲しかった。お前が後継者だと認めてほしかった。けれど、シルヴェストルはバハムートとして重用はしていたが娼婦の子ということで疎ましく思っていたのに重ねて、アナベラの策略によりディオンに謀反の兆しありという星見を信じ、オリヴィエに譲位した。
完全に愛がすれ違っている悲しさ。過去のどん底さではクライヴとジルが図抜けているけども、本編開始後の鬱展開としてはディオンがイチ抜けじゃないだろうか。

初登場時に槍を受け取ってからバハムートになってたけど、変身するなら槍いらなくない? と思ってましたどうなんだろう。記憶違いかな。

かわいい恋人もいて、主人公たちがいちゃつかない分のロマンス成分を濃厚にお届けしてくれる。

自分の罪を見つめるために舞い戻ったクリスタル自治領で薬売りの少女と出会い、復活。贖罪のためにクライヴたちに力を貸してくれる。

恋人に少女のことを託したり、隠れ家で恩師と再会したり、最後にいい思い出を作って出陣、バハムートの名に恥じない働きをして退場。
おそらく死亡ルートだけど明確な描写はないので、竜騎士の身体能力でどこかに着地からのオリジン脱出に合わせてなんとか生き延びて欲しい。
明らかに水に沈みそうな装備だけどそれはヴァリスゼアの海の浮力に期待ということで……クライヴも海岸まで流れ着いてるし。

皇妃アナベラ

おそらくゲーム内ぶっちぎりでヘイトを稼いでる女。己の欲望のためにどんどん事態を悪化させてく最悪イベント発生装置。
己の血筋こそ栄華にふさわしいと信じて、根回しして実行するだけの権力と金と知恵があるのが主にディオンとロザリアにとっての運の尽き。
ロズフィールドとルサージュの血筋を合体させたら最強に高貴な子供が生まれるじゃん、をちゃんと実行するところが凄い。凄いけど褒められない。
ところがそのオリヴィエは実はアルテマの傀儡になってるし、ディオンはキレてオリヴィエ殺そうとしたらそれを庇った父を殺しちゃった上にオリヴィエに煽られて発狂暴走ルートに入ってなにもかもめちゃくちゃになるし、オリヴィエとふたりで避難してたら棄てたはずの長男は現れる、死んだはずの次男まで現れる(ここにフェニックスがいる=オリヴィエはフェニックスに覚醒しないという隠れダメージも発生している)、おまけに蔑んだディオンにオリヴィエが殺されて塵になる。
全部のイベントが一気に起きてメンタルがゴリゴリ削られ、最後は現実から逃避して散る。
FF16のストーリーを動かしまくった立役者だし、ここまで使い切るか、という演出は見事だった。

オリヴィエ・ルサージュ

ザンブレクの第二皇子、アナベラの野望の担い手、アルテマの傀儡。
可愛い顔して正体がエグい。
ちやほや甘やかされてるだけで政治も何もわからない操り人形になるんじゃないかと思っていたら別の意味で操り人形だった。

アルティマニアのネタバレなんですが、オリヴィエは生まれた瞬間からアルテマに乗っ取られてアカシア化したって書いてあってぇ……え、アカシアって成長できるの? ていうか普通に食事したり排泄したりの生理現象があるってこと(うんこしない赤子はさすがにヤバいと思うだろうからうんこはしてる前提)かな。
エーテル溜まりで高濃度のエーテルにさらされるとなるアカシアはゾンビみたいなやつだけど、アルテマが手ずからアカシア化した場合は人間としての特性はそのままに傀儡になるって感じでいいのかな。
おそらくバルナバスもアカシア化してるけどあっちは自我があるのはアカシア化した年齢の差か。

いずれディオンをミュトスに食わせるための準備としてこの赤子を乗っ取っておこう、って意外と気が長い。いや長命種ってそういうものか。
シルヴェストルとアナベラの間に子供が生まれたって情報はどこからゲットしたんだろうか。ウォールードの情報部隊?

やーい父殺しさっさと殺されてこいよ、と兄を煽った後は崩壊する城の中から母親とともにミュトスによるバハムート捕食ショーを観戦していたが、力を振り絞ったディオンにより殺される。オリヴィエとしての役目はもう済んでいるので、アルテマとしてはノーダメージ。

ところで、オリヴィエがしょっちゅうアナベラに膝枕してもらってたのってもしかして全裸国王が膝枕してもらってたのをラーニングしたのかな?
子供らしい振る舞いのサンプルケースが髭面全裸国王なのちょっとどうかと思いますよ。

バルナバス・ザルム

主人公側に圧倒的強さで絶望を突きつけてくるタイプの敵役。
一生懸命マザークリスタル破壊して回るクライヴたちの動きを全然邪魔してこないな、と思ってたけどそりゃあアルテマの目的としては壊された方が都合がいいんだからそうだよね。
斬鉄剣めちゃつよおじさんなんだけどベッド横で全裸拝謁プレイの印象が強すぎるマザコン。
それはともかく戦闘時のビジュアルがかっこよすぎる。
ところでこの世界の「馬」ってチョコボなので、オーディンが乗ってるアレがもしかして「六本足の馬」じゃなくて「馬とは関係ないああいう生き物」として認識されてるのかもしれない。
クライヴの自我を斬るはずが最終的には楽しくなっちゃって自分も自我を芽生えさせたけど仕事はした。
クライヴにオーディンを食わせるだけならこんな迂遠なやり方しなくても良くない? と思ったけれど、器にふさわしい強さも必要ってことなのか。
でも鍛えたら鍛えただけクライヴの自我ももりもり育つ気がするよ。

アルテマ

序盤から見えてるラスボス。隠しボスとかはいなかった。
最初は四本腕なのに完全体になると何故か二本腕になる。なんで。

神を名乗っているし、おそらく人間よりもだいぶ高次生命体なのは間違いないだろうけど人間を作る時のプログラムに失敗しちゃったドジっ子。
最終的にお前も自我があるただの人だろうという理論で負けた。
器に詰まってる自我がなんなのかを理解できてなかったのだ駄目だったし、そもそも人間を素材としか見てないから理解するつもりもないので器と融合とか無理な話だった。
器が発生するためには人間が世代を重ねて熟成しないといけないので、それには自我が必要なので……と考えていくと最初の計画段階からもう間違ってたんじゃなかろうか。
大事に育てようと思ってた箱庭をめちゃくちゃにされたという意味では可哀想ではある。

総評

買ってよかった。正価で買ってなんの後悔もない名作ゲーム。
ネットではまあまあ賛否があるようだけど個人としては大満足。
確実に自分のゲーム人生で大きな傷跡を残したゲームになった。なにせクリアして2日が過ぎたというのに全然食欲が湧かなくて体重が落ちてるくらいだしふとした瞬間にメインストーリーやクエストのあれこれを思い出してはうっかり目がうるんだりしている。

トロコンは大変そうだけど2周めやろうかな、ファイナルファンタジーモードの難易度はどんなもんかな、とそわそわしつつ、とりあえずはようやく解禁された他人のクリア感想を読み漁ったりしていきたい。

以上、長々とお付き合いありがとうございました!

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