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【インタビュー Vol.1】二葉乳児院 近藤瀬里さん 〜多様な生き方・育ち方の一つとして〜

こんにちは。ウズ チャリティショップ清澄白河です。

「循環のウズで人も動物も地球もHappyに」をコンセプトとする当店。
当店では寄付していただいたお洋服を販売し、売上の一部を動物保護団体に寄付しています。


お店の仕組み

お店で販売しない寄付品はどうするのですか?と聞かれることがあるのですが、
できる限り有効活用できればと、販売しない商品は母子支援施設や乳児院にお届けしています。

どのような”循環の渦”が生まれているのか、お洋服を提供いただいた方やこれから検討している方にも伝えたいと思い、洋服の寄付先の一つである二葉乳児院(新宿区信濃町)の近藤瀬里さんにお話を伺いました。

ーー本日はよろしくおねがいします。まずは二葉乳児院について教えてください。

近藤さん:乳児院は、いろいろな事情があり、家庭で暮らすことのできない0歳から就学前の乳幼児を24時間お預かりする施設です。

現在は、約30名のお子さんたちが在園し、お子さんが安心して暮らせるようにスタッフと協力しながら共に生活をしています。

現在スタッフは約80名。養育者になる保育士や看護師だけではなく、ソーシャルワーカーや心理職や調理の方々など様々な方が運営に関わっています。

また、施設の中には地域に開かれた「地域子育て支援センター」があり、地域の子育て中の方が使える広場があります。その他に里親支援なども行っています。

双葉乳児院

ーーどのようなお子さんが暮らしていますか。

近藤さん:親御さんのご病気など事情は様々ですが、ネグレクトなど不適切な養育を受けたお子さんもいらっしゃいます。

入所や退所については児童相談所が決定し、乳児院でお預かりする流れとなります。その過程での支援の在り方は、児童相談所、乳児院、病院、地域支援機関、など多くの機関で相談していきます。

在園期間は短ければ数週間から、長ければ数年と、ケースによって様々になります。

ーーお子さんたちが退所したあとはどのような場所で暮らすのですか。

近藤さん:乳児院を卒業したお子さんたちが次に暮らす場所も様々です。

まずは「家庭復帰」を目指していますが、親元に帰る子もいれば、児童養護施設に場所を移したり、里親さんと新しい生活を始める子もいます。

乳児院を卒業したお子さんやご家族が、再び大変な状況で子育てをしていくことのないよう、お子さんを送り出す時には、その子の成長を見守る仕組みを確実に作ってから、門出を見送ります。

ーー施設づくりでどのような部分にこだわりを持っていますか。

近藤さん:少し抽象的な言葉になってしまいますが、「家庭的」であることを大切にしています。

食べる・寝る・遊ぶの生活リズムを整えるということはもちろんですが、自宅のリビングのようにリラックスできる空間を作ることも同じくらい大事だと思っています。

ここで暮らすお子さんたちの多くは、身近な大人にSOSが出せないまま生きてきた子たちです。マイナスな感情を含めて、自分がそのまま存在して良いという実感をもてるような安心・安全な場づくりを心がけています。

ーー「家庭的」であることについて、何か具体的なエピソードがあれば教えていただけますか。

近藤さん:食事を例にすると、基本的には調理室で料理は作られていますが、居室でも 食べ物を切る工程や、焼いた時の色や香りの変化を見せるなど、できることを行っています。配膳するときも、あえて大皿で出してから一人一人によそったりしています。

他にもお風呂を例を挙げると、養育者も服を脱いで一緒に入ります。大人は服を着たままのほうが効率はいいのですが、お風呂に入ることはそういうものだとお子さんが認識してしてしまうと、里親と暮らした時に、そうした違いが生活のハードルになることもあるそうなのです。

保育という視点で非効率になることも、あえて一般家庭と同じやり方にして、社会経験が豊かになるようにしたり、 退所後の新しい生活にスムーズに慣れることができるように工夫しています。


お子さんたちと味見をしながらスイートポテトを作った時の様子

ーーウズが届けたお洋服はどのように使っていますか。

近藤さん:いただいたお洋服は大きな箱に入れ、スタッフやお子さんがきて好きなものを取っていきます。

自分の好きなものを選ぶという経験にも繋がっています。

ーーどのようなお洋服が届けられると嬉しいですか。

近藤さん:必要なものは時期によるので、ホームページに掲載していますが、オシャレ着よりは、お子さんたちが元気に遊べる日常服がありがたいです。また、肌着やタオルなど、肌に直に触れるものは新品が良いなと思います。

今はモノが無い時代ではないと思うので、乳児院で生活する子も新しいものを選んで使うといった、時代に即した経験をさせてあげたいですね。

ーーもし今、育児で困ってる人がいたらメッセージをお願いします。

近藤さん:不安なことや困ったことがあればすぐに相談してください。相談する先は、地域の支援センターでも、児童館でも病院でも大丈夫です。相談してみたら、ショートステイやシッターさんなど、利用するのにハードルの低いサポートをまずは提案してくれると思います。

相談って簡単なようですが、「助けて」と言えないまま大人になってしまうと、相談したり頼ったりすること自体が難しくなってしまうこともあります。

思っているより色々な支援があるので、「仲間が増える」という気持ちで、地域や専門機関に頼ってもらえたらと思います。

ーーわたしたちに何かできることはありますか。

近藤さん:ご寄付をいただくこともありがたいですが、乳児院について知ってもらうだけでも嬉しいです。

乳児院で育つ子もいるんだということが、マジョリティ以外の育ちの一つとしてもっと知られているといいなと思います。ここを卒業したお子さんたちが、自分の育ちについて話したい時に、自然に話せるようになったら、利用しているお子さんや親の生きるハードルが一つ下がるかもしれません。

乳児院は自分と違う世界のことだと捉えずに、多様な生き方・育ち方の一つとしてもっと理解してもらえるといいなと思います。

本日は貴重なお話をいただきありがとうございました!

二葉乳児院HP
https://www.futaba-yuka.or.jp/int_nyu/

★店舗情報★
ウズチャリティショップ
東京都江東区平野2丁目3-16ー103
清澄白河駅 徒歩10分
営業日:木・金・日 12:00~17:00 土 10:00~18:00 

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