記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

映画備忘録1「キアヌ」

原題:Keanu

公開年:2016年

上映時間:99分



あらすじ

 恋人にフラれ傷心中のレルの元に、1匹の子猫がやって来る。彼は懐いてきたその猫に「キアヌ」と名付け、飼うことに。
 キアヌのおかげですっかり失恋のショックから立ち直ったレル。しかし、いとこのクラレンスと映画を見に行っている間にレルの家に空き巣が入り、帰宅したレルはキアヌがいなくなったことに気付く。レルはクラレンスと共にキアヌを取り戻すべくギャングの巣窟へと向かうが、彼らはそこで自分たちを有名な殺し屋「アレンタウン・ブラザーズ」だと偽ってしまう。
 一方その頃、とある殺しを終えていた本物の「アレンタウン・ブラザーズ」もまた、その殺しの現場に居合わせていた子猫を探していた。



※以降ネタバレ含みます


①子猫の声優がキアヌ・リーブス

 子猫は基本「ピャーン」という子猫特有の大変愛らしい鳴き声しか出さない。可愛い。
 しかしとある場面でのみ、子猫の声帯が突如キアヌ・リーブスになる。キアヌ・リーブスの「meow(裏声)」が聞けるのは多分ここだけ。

 ちなみにキアヌ(猫)の収録時、キアヌ(人間)はジョン・ウィックの撮影のためにイタリアにいたらしく、そこで収録したんだとか。


②登場人物はみんな子猫に優しい

 子猫に酷いことをする人間は存在しない。それどころかこの作品は、子猫中心の物語と言っても過言じゃないレベル。
 というのも、子猫を手に入れるべくみんな必死なのだ。具体的に言うと当然のようにドラッグは吸うし売買するし、銃弾は飛び交い、血飛沫も舞う。命懸けの子猫争奪戦である。


③主役のふたりがいいキャラしている

 キアヌの飼い主であるレルとそのいとこクラレンス。犯罪とは無縁の(レルはドラッグしてるけど)一般人ふたりは、子猫を取り返すために嘘をついてしまい、坂道を転がるおにぎりのようにギャングワールドへと転がり落ちていく。
 そんな彼らは基本別世界の住人たちにカルチャーショックを受け続けているが、深みにハマればハマるほど徐々にふたりの性質の違いが現れていくのもちょっとした見どころだ。

 特に顕著なのがクラレンス。彼は妻子持ちの模範的な夫だが、この件をキッカケに羽目を外しまくり、彼にギャングに馴染むよう焚き付けたレル以上にギャングたちと仲を深めていく。彼にはどうもヤケクソラインがあるらしく、そこを超えたときの彼のヤケクソっぷりはかなり見もの。

 一方レルは、ドラッグを吸っていたりギャングワールドでクラレンスを引っ張ったりする割に、悪にはなりきれない部分がある。しかしキアヌのこととなると人が変わり、ギャングのボスだろうが銃撃戦だろうがお構いなしにとんでもない行動力を発揮。クラレンスのヤケクソに似ている辺り遺伝子に刻まれたものなのかもしれない。
 ちなみに彼の撮影した映画パロディなキアヌカレンダーがエンドロールで流れるが、最高に可愛い。優勝。ここだけでもいいから見るべき。


④とにかくコメディらしいコメディ映画

 子猫に害が及ばないので悲しいシーンも特になく、むしろ子猫1匹の為に違法行為が蔓延り人間たちが慌てふためき続けている愉快な映画。ギャング!ドラッグ!ストリップ!こまけえこたいいんだよ!とテンポよく進んでいくので、頭を空にして見たい人にオススメ。
 終盤のレルの「運転が上手いのはあいつ」と言った直後、それに応えるように敵に突っ込んできたクラレンスのシーンは痺れた。


総評

 キアヌ・リーブスが子猫の声…?気になるやんけ…と見始めたら、思ってたよりもずっと面白い映画だった。子猫に優しい世界なのでストレスもなく、しかし人間には厳しいので主役のふたりはどんどん泥沼にハマっていく様子は一周回って楽しくなってくる。

子猫が最初から最後までただただ可愛い。癒し映画。


注意点

 下ネタ要素が結構ある。ストリップバーがギャングの拠点なので背景部分とはいえおっぱいもまるごと見えるし、ある人は小さいチ×ポネックレスを見せてきたりする。私は心がクソガキなのでちっさいチ×ポだ!とはしゃいだが、苦手な方はご注意を。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?