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読書感想文:「モンスター」百田 尚樹 著

1. きっかけ

本を知ったきっかけは、Twitterでフォローしている作者の百田尚樹さんが、自身の作品である「モンスター」について、一時期リツイートを連続でしていて気になったから。百田尚樹さんの作品はいくつか既に読んでいるが、「永遠の0」がやっぱり一番記憶に残っている。なので、この作品も読むのが楽しみだった。

2. 大まかなあらすじ

一人の女性の人生を「整形」という切り口で描いている作品。

3. 感想

正直な話、この感想文を書くのをためらった。というのは、なぜこの作品名が「モンスター」なのか、まだはっきりと答えが出ていないから。ただ、早く感想を書かないと、記憶も薄れてきてしまうし、書きながら何か考えがまとまるかなと思い、今こうして書き始めている。

この作品、「整形」という今の世の中では一般化したものの、みんな心の中にあり、表には出さない賛否があるテーマを扱っており、そのテーマを通して「何が幸せなのか?」ということを問いかけているような気がした。

何が幸せか、多分、これには答えが無くて、人それぞれで、幸せの裏側にある不幸せも人それぞれ。ある人から見たら、その人は不幸せで、でも本人は幸せ。もちろん、その逆もある。あれ、何か見えてきたかも!笑

ここで、その何かをはっきりさせるために、モンスターの定義を調べてみよう。

「語源はラテン語で「予兆」「兆し」「兆候」「警告」を意味する "monstrum" 。 家畜や農作物および野生の動植物に変種や奇形が現れた場合、天変地異や大事件が起こる先触れと見なされたことからきている。 やがて想像上のイメージが一般化した生物や、生物ではない現象・概念が疑似的に生物として表された存在、および創作上の生物・疑似生物全般が "monster" として扱われるようになった。 更に「規模や程度が甚だしく、常軌を逸していること」を指す意味を含むようにもなっている。」(ピクシブ百科事典より)

うーん、また迷路にはまり込む…。笑

結局、人はみんな「モンスター」だっ、という結論にたどり着くのはそんなに難しくなく、そんなことは割とみんな分かっている。そんなことを作者は書きたかったのか?

そんな疑問を考えていると、ふと思った。

人はいつモンスターになるのか?

自分の結論、それは、人は何かと自分を比較した時に「モンスター」になる。自分はあの人よりカッコイイ、かわいい。あの人よりもお金を持っていない。あの人には負けたくない。あの人には…。

でも、比較をせずに人は幸せになれるのか?幸せを自分一人で感じれるのは、本当に限られた人たち。ということは、幸せになろうとすること、不幸せを感じることが既に「モンスター」ということ。

むっ、結局、人はみんな「モンスター」ということ?あれ、ありがちな普通の結論にたどり着いてしまった…。ただ、今、一つだけ気づいたことがある。それは、物語の最後。全てから解放された主人公。その時の主人公は「モンスター」ではなかった。

やっぱり、人は社会的存在(他者がいることにより成り立っている)である限り、誰もが「モンスター」であり、そこから脱しない限り「モンスター」からも脱せない、ということ。なのかな。たぶん。いや、なんか違う…。

もう1回読み直そう!


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