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#思い出 カザフスタンのポットカバー
ウズベキスタンに赴任中は、留学時代の友人に会いに近隣の国にも旅行した。
イギリス留学中、コースは違ったが比較的仲良かったカザフスタン人の女の子。
私は30歳で留学したので、周りは10歳くらい下の子ばかり。留学して5年位経つ今は、国家機関などで働いた後、金融センターでロンドン出張をバンバンこなしているという。
当時は自覚していなかったが、イギリスに留学するような子はその国ではスーパー富裕層かスーパーエリート。特にいわゆる途上国からは国の奨学金を得てくる超優秀な選りすぐりの子たちが来ているのである。
(なお日本から来る場合は必ずしもそんなことはなく、イギリスなら1年で修士号が取れるしお金も節約すればなんとかなるし、という感じである。)
アゼルバイジャンの男の子(私と近い年齢である)も何やら国営テレビに出まくっていてどこかのベンチャー銀行にヘッドハンティングされたらしいし、カザフスタンの女の子も、外国人上司の秘書をやりつつ、毎日外国とテレビ会議を英語でこなしているという。
そんなわけで、久々に会って英語で話すわけだが、「ああ、そうだ、この子、もともと早口だったわー!」と思い出させてくれるマシンガントークが炸裂していた。
地元のおしゃれなレストランで、ワインとおしゃれにアレンジされたであろうカザフ伝統料理。ベシュマルマックという、平たいきしめんに肉とスープがかかっているような料理を頂いた。
一通り近況を語り合った後、同じ中央アジアということもあってか、彼女がウズベキスタンのことを聞いてきた。
私がそんなに多くを語らないうちに、彼女はすべてを理解してくれた。
カザフスタンの状況を重ね合わせて、彼女が感じている国や社会の問題を語ると、ああそれは完全にウズベキスタンも同じだよとか、それはウズベキスタンと少し違うねとか、比較することで、私も自分の置かれた状況をよく理解することができた。
私がウズベキスタン勤務で感じていた閉塞感。誰とも本当の意味で共有できなかったこの感覚を、彼女は見事に言語化してくれたのである。
若いうちに外国で学び、そして自国を批判的に見つめる視点を持つ。
そんな人材を育てることがいかに重要なのか、彼女との再会で改めて、痛烈に認識することになった。
そんな最高の再会を果たしたカザフスタンの思い出を、一目惚れしたこのポットカバーを自宅で使う度に思い返している。
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