#記事解説 ロックダウンは緩和へ向かっている

今ウズベキスタンのコロナ情勢で気になるニュース2本。

1つ目は、現在の国際フライトの停止は6月30日まで延長されるというニュース(ロシア語ソース)。

2つ目は、ロックダウン措置を全国的に緩和するが、サマルカンドとナマンガンは厳しい措置が引き続き行われるというニュース(英語ソース)。

1つ目については、前記事も触れたとおり、3月16日から国際便がすべてストップし、在留邦人など本国に帰国するためのチャーター便以外は飛行機を外国に飛ばせなくなっていたもの。当初4月30日までとされていたが5月10日までに延期され、それがさらに6月30日まで延期となった。

日本でも一部ニュースになっていたとおり、政府は全世界のJICAボランティア隊員を帰国させることにしたため、ウズベキスタンからも100人超がこのチャーター便で緊急帰国した。こうした事態は戦争など以外では滅多に生じない。私は2月上旬に普通に帰国したのだが、本当にラッキーだったと思う。JICAボランティア隊員は、政府・JICAから見れば自分たちと同じ「戦力」ではなく、いわば「お客様」である。辺鄙な土地に行っているイメージはあるが、生命の危険のあるような場所には行かせないし、相当安全には気を使われている。ウズベキスタンの在留邦人はもともと100人プラス数十人程度だったので、大部分が帰国したことになる。大使館やJICAの本職員など本当に核となるわずかな人員しか残されていない。残った日本人も、日本よりも厳しい自宅待機が続いている。

といったところで、2つ目の記事では、そのロックダウンは緩和されるという明るいニュースを伝えている。ウズベキスタンでは3月15日に最初の感染者が公表されて以来、累計感染者数は2217名、回復者1547名、死者10名となっている(5月6日時点KUN.UZ)。しかし改善状況にはあるという判断のもと、地域ごとに分けて段階的に厳しい外出・経済活動の制限は緩和されていくと5月5日に政府が発表した。

しかし、サマルカンド地方とナマンガン地方では引き続き最も厳しい制限措置が取られるという。具体的には、サマルカンド地方ではTaylak, Akdarya, Urgut, Samarkand, Jambay districts そして Samarkand市、Bulungur 地方がレッドゾーン(高いリスクのある地域)とされている。加えて、ナマンガン地方が対象とされている理由は、感染者の大部分がナマンガン地方からだということである。

世界的に、山は超えつつある、というのが政府の直近の認識のようである。今後、日本も含めた各国で出口戦略とともに段階的に経済活動が再開していくのは間違いないだろう。しかし、ここで気がゆるんでまた同じことになるのは避けるべく、その取扱は非常に慎重なものになることもまた確実である。ウズベキスタンにも、当分出張ベースではいけないだろう。仮に入国できるとしても、特別な許可証や、到着後の検疫措置、そして日本に帰国してからの検疫措置などはある程度必要になるだろうから、1ー2週間ではとても対応できない。

私は今年度の予定でウズベキスタンの現地調査をするのは諦めるしかないかもしれない。7月には教え子の卒業式に合わせて現地調査をし、懐かしい面々に会うことを非常に楽しみにしていたが、致し方ない。感染症がここまで世界を変えてしまうなんて。ミクロな私の身近な世界から、マクロな世界経済まで、もう何から何まで変わってしまう。第二次世界大戦後の世界構造が変わるといろいろなところで言われているが、本当にそう思う。いい面を見ながら、適応することでしか生き残っていけないだろう。






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