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【うゆの雑記帳】推しは推せるうちに…とは言うけれど

「推しは推せるうちに推せ」


この名言を知らないオタクはいないだろう。推しがいつ活動休止・引退などで表舞台から姿を消したとしても後悔しないように、今できる推し活を全力で楽しめというメッセージだ。
今までの私はこの言葉の肯定派だった。しかし、つい数日前にその信念は打ち砕かれた。


7月2日の深夜0時、推しグルの公式SNSより推しの脱退が知らされた。
あまりにも突然の出来事で、気持ちを整理できないままもうじき1週間が経とうとしている。

推しが突然活動休止したのは脱退の約2週間前。理由は「個人的な事情」。
心配の気持ちはあったが、焦りは全くなかった。「キラキラした裏ではオタクが知り得ない事情が一つや二つあって当然だろう。私にできることは、戻ってくるその日まで待つこと…」。そうやって健気に呑気に過ごしていた矢先の出来事だった。

普段の私であれば、「脱退は個人の選択だから尊重しよう。そして残りのメンバーも引き続き全力で応援しよう」と気持ちを切り替えることができる。しかし今回は2つの理由から、そうすることができない。

1つ目は、「イベントの直前」に「推しが脱退」したからである。

詳細を説明すると、日本の現場が決まっていたのだ。それも今日(7/7)2公演と、1週間後(7/15)にもう2公演。当たり前にチケットも販売されており、私も購入していた。ということで来週、彼らに会いに東京へ行くことになっている(現在進行形)。

地方のド田舎に住む社会人の私は、リリイベでそこそこ頻繁に来日する彼らにもなかなか会いにいくことができない。大概の日程が平日の昼間なのと、会場も東京や横浜、大阪などの大都市ばかりで正直時間もお金も割けない。だからこそ年に一度ほど行われる、コンサートのような大きめのイベントに行くのが楽しみだった。

昨年の1月、念願の初対面(一方的)であるペンミに参加できた。歌もダンスも想像以上の完成度に度肝を抜かれ、トークやゲームでは爽やかな好青年っぷりに魅了され、彼を推す意味を再確認できた最高の経験ができた。

「来年は単独コンサートがしたいです」

そう語って目を輝かせていた、ファンも実現を切に願っていた1年半前の彼らの夢。やっと叶えられたその代償は、こんなにも受け入れがたい現実だった。

誰しもが推しの活躍を心から楽しみにしているだろうし、少なくとも契約満了になる7年目まではそれが続くと信じて疑わないはずだ。実際、別の推しグルは7周年を迎える前に全員で早期再契約を結んだ。これがどれほどの奇跡かということを、当時の私は実感できなかった。当時は推しグルの再契約問題に直面したのが初めてだったし、彼らは常に「全員で永遠を体現する」と口にしていたからだ。そう、口にするのはぶっちゃけ簡単だ。でもそれを有言実行するためには様々な方面との折り合いがあっただろう。誰かが意見を呑みこんだかもしれない。それでも全員で進む覚悟を決めたのだ。

脱退した推しも、きっとたくさん悩んだはずだ。メンバーとファンと共に、これから先もたくさんの思い出を作りたかったはずだ。私も2度目の生推しにキャーキャーする気満々だった。でももう完全体は見られない、その事実だけが、今の私の心の穴を絶えず掘り進めていっている。グループがあってこその推しとの出会いではあったが、希望が打ち砕かれた今は正直他のメンバーへの配慮が著しく欠如せざるを得ないくらい落ち込んでいる。


2つ目の理由は、活動休止から今までの本人の動向が一切わからないからだ。

何かしら大切な報告があるとき、K-POPアイドルはよく直筆の手紙をSNSに投稿する。しかし、グループの公式SNSで動きがあるわけでもなければ、活動休止や脱退に伴う最後の挨拶もない。これは一種の行方不明だ。

事務所がさせないのか、本人がそれを遂行できる状態じゃないのか、それともこのままうやむやにして空気のように消そうとしているのか…憶測は様々だが、もしSNSができる状態になったら、是非とも「アンニョン」の一言だけでも投稿してほしい。生存確認をさせてほしい。その日までは絶対に死ねないし、その日には是非共に祝杯を挙げたい。これはオタクのエゴだ。


結論、全然推し足りなかった。これほど応援してたのに、デビュー前から見てたのに全然足りない。それに、私の究極の理想のアイドル像である推しを、今後誰かが超えてくるとは到底思えない。

(性格が悪いのは百も承知だが)自分の推し以外のメンバーが脱退するケースであれば、寂しさはあれど笑顔で送り出すことができたかもしれないなどと考えてしまうこともある。勿論皆平等に好きだけど、彼がいない事実を直視してしまうため、正直コンサートでも正気を保てるか怪しい。こんな自分が本当に情けないし、こんなファンを持つ推しにも面目が立たないだろう。

推せるうちに推せたら終わりじゃない。納得できない結末は結末じゃない。
後悔って結局、自分の中で納得がいかない状態が気持ち悪くてやるせなくて起こる感情でしかない。だからそれが解消されるまで、私は彼を推し続ける。たとえ変な目で見られたとしても。それが私にできる推しへの恩返しだから。

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