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あぁ、出来んわ

ヨルシカの「ノーチラス」を聴いていると、泣いている。鼻水を袖でふいて、涙を服の腹の部分でぬぐった。曲聴いて泣く人は性欲つよいとか、浮気するとかいうらしいが、嘘です。はい。




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「お前ってさ。全部中途半端だよなw」

そう言われた気がした。誰かに、というよりかは、いつ言われてもオカシクはない自分自身を発見した、に近い。やっと20年生きてこれて、何かに熱中したことはと言われても、「呼吸か惰眠です」くらいしか言いようがない。何か熱中していても、それを冷え冷えの目で見る誰かがいる。すべては、「どうせ」だった。何にも夢中になったことがない。というか、生きていて何かしらに、他のことがどうにでもなるほどのことがあったかと言われれば、そうでもない。

夢中ねぇーえ・・・。枝豆とか?

好きなことをしろ。自由にしろと言われて、それが一番ワタシ自身を縛るように、何かに熱中するはずでしょうイデオロギーは、ある種の呪いでしかない。好きなことがあるんでしょう。君にあった何かがあるんでしょう。特技があるんでしょう。個性があるんでしょう。強みや弱みがあるんでしょう。ほら、出してみろよ、特徴は? って、「知らねえよ」といって一蹴することも考えるが、とりあえず他の人の特徴を其れらしく自分のように語る。なるほど、特徴は個ではなく、集団に準拠しているから、これが結構いける。

ワタシにはこれしかないんです。凄い人だか、偉人だかがそういいそうだけれど、これしかないほど不器用じゃない。そう。残念ながら、ワタシは不器用じゃない。いわゆる器用貧乏かと言われれば、それほど器用だと言えるものごとが多いわけでもないから、中途半端もいいところだ。これしかないと言える人がうらやましい。なんでもできる人がうらやましい。何かに向き合おうとすることが出来る人がうらやましい。ワタシは今のところ、全無理無理。

特徴のある人が、常に羨望の対象だった。良きにつけ、悪しきにつけ(この判断は謎であるけれど)、何それと言える何か(特徴でも、エピソードでも、というか自分に直接関係することでなくともいい)が欲しいと思っていた。
テストで百点取った友達が羨ましかった。
悪目立ちする服を着ていた子をすごいと思った。
ピアノが弾ける子。
他人に悪口を言う子。
テストでいい成績を取っている子。
学校で悪さしている子。
運動が出来る子。
他人との煩わしい関係に巻き込まれている子。
ご飯を一緒に食べている子。
歴史に詳しい子。
虫に詳しい子。
友達と喧嘩している子。
ウザイくらいにちょっかいを出し合っている子。
演技の上手い子。
発音や発声が素敵な子。
腐れ縁のある子。
人間に強い子。
嫌に楽観的な子。
好きな人に思いを伝えられる子。
誰かと本気でぶつかっている子。
司会の上手な子。
才能を持て余している子。
脚本がうまい子。
ラノベを知っていて、教えてくれた子。
有言実行する子。
料理の上手な子。
絵が上手な子。

全部全部羨ましかった。ワタシにないものだった。とても人間らしかった。無機質じゃなかった。色々な熱中や、夢中がワタシの周りで蠢いていて、中心には何も無かった。何かに向き合っていた彼ら彼女らは、とても遠い存在のように思えた(なにこれ。書いてたら哀しくなってきたんだけど(笑))。 人間は、たぶん個性的なんだと思う。デフォルトかどうかは分からないけど、色々な形に変化していって。でも、ワタシの中を検索しても、それらしいものはない。中には、新品の着火剤。未使用のままポツンと。傷ひとつツいていやしない。いや、着火剤すらないか。

まぁある意味じゃ、これすらも贅沢な悩みだよ。マズローの欲求五段階でいう自己実現なんだから。生理的欲求も、安全も、社会も(?)、承認欲求も(?)、ある程度満たされている(と思う)。それ以上を求めようとしている。他人との違いを。他人にはないものを。他人には出来ないことを。何か熱中できること。でも全然分からない。まだ未熟なのか。そもそもそんなものを、お前には見つかりっこないってか。憧れ? あぁ別に。小学生かよ。あぁ。大人になれよ。あぁ。

二十歳だろ。キミ

多分そう言われて、よくよく考えてみると、意味深長だなと思った。最近読んだ¹オルダス・ハクスリーの「Brave new world すばらしき新世界」は、誰も苦しまないユートピアを描いていた。AF(アフターフォード/フロイト)632年。ユートピアというディストピアらしいが、ワタシはこの世界でもいいと思えた。だって、誰も傷つかない。みんな幸せ。死もない。ずっと、幸せなまま。失業も、裏切りも、税金も、不幸も、煩わしい関係すべても。不合理を徹底的に排除した世界。みんな幸せ。でも結局、(この未来にたどり着く可能性も割かしあり得るけど)空想の中。現世には、裏切りも、不幸も、税金も、老いも、変化も、イレギュラーも、麻薬を非合法化する法律も、ちゃーんと存在している。だから、その社会に合わせなきゃいけない。だから、社会になじみますとも。従順に、素直に。


よし。こんなもんでいいでしょう。愚痴もここまで。終わるまで終わらない。終わるときに、終わるだけ。そん時まで、”²顔晴って(ガンバって)”生きてみますとも!




今日も大学生は惟っている



参考文献

1:オルダス・ハクスリー.2017.すばらしい新世界〔新訳版〕.(大森望訳).早川さんepi文庫

2:清水浩史.2020.不思議な島旅 千年残したい日本の離島の風景.朝日新書.p129



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