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講義をUXデザイン!?デザインに興味のない人に向けてデザイン勉強会をした話

こんにちは。デザイナーのにしかなです。
みなさんは社内のUX部門ではない方たちに、どのようにUXの必要性を伝えていますか?
社内ノンデザイナー向けのUXデザインの講義をしたので、そのお話をしようと思います。

「UXデザインはデザイナーがやるもの」からの脱却

UXデザインが失敗してしまう要因の一つとしてあるのが、「良いプロダクトを作りたい!けどUXを考えるのはデザイナーさんの仕事!自分は考えない!」という人がチームにいること
「ユーザーのことを考えること」はUXデザイナーだけ使える特殊な能力だと勘違いされがちですが、そんなことはありませんよね。
チームメンバー全員に「ユーザーにとって良いものを作ろう!」という共通認識がある中で作り上げられたサービスやプロダクトは、ユーザーにとって良いものになりやすいなあと日々感じております。
ということで、どんな職種の人もユーザーのことを考えながらプロジェクトを進められるようになる講義をやっていこう!ということになりました。

伝えるべきは「デザインに興味がない人」

よーし!デザイン勉強会しよう!と思ったとき、まずはデザインに興味があるメンバーを集めがちですよね。参加率も良いだろうし、熱心に話を聞いてくれるだろうし。
でも、デザインに興味がある人は、すでにユーザー目線を持つことの大切さを理解している人がほとんどです。
つまり、今回は「勉強会やるよ!来てね!」では来ない人がメインターゲットになるわけです。

どうしたら聞いてくれるか

すでにある定例で枠を設けてもらう

「やるよ!来てね!」では来ない人です。なら我らデザイナーが出向くしかない。
メインターゲットが毎週参加している定例に講義枠をとってもらう交渉をしました。

最低限知っておくべきことだけ伝える

興味のない分野の話をダラダラと話されたらイヤですよね?私はとてもイヤです!
我らデザイナー側から伝えたい内容を全て押し付けるのではなく、最低限知っておいてほしいことだけを端的にまとめてみました。

興味のない人が知りたいことをヒアリングして盛り込む

おそらくメインターゲットとデザイナーの溝があるはずなので、そこを埋めるべく、メインターゲット層に近い人にヒアリングをしました。
どうやら「どのタイミングでデザイナーに声をかけたらいいのか」「ウォーターフォールでもできる?」などなど、知りたいことがある様子。
当初考えていたゴールとは少しそれますが、プロジェクトをうまく進めるという大きい括りの中では一緒!なのでこちらも内容に盛り込みました。

出来上がったスライドを興味のない人に見てもらう

内容を理解できるか、知りたいことがわかったか、といった観点で確認をしてもらいました。
特に、理解を深めるために入れた例が自分ごとに捉えられる例になっているかどうか、このタイミングで確認できたのはよかったです。
まるでユーザビリティテストですね!

スライドは紙芝居方式

人間は動くものに目をひくので、紙芝居のようにめくっていくスタイルで挑みました。
スライドは1ページに情報は詰め込みすぎないのが基本ですが、特に1枚あたりの情報量を減らしました。
興味のない上に動きがないと寝ちゃいますよね。

このぐらいの情報量です
 

とっつきやすい雰囲気づくり

勉強会や講義で登壇!というと真面目に仕上げなければならないように感じてしまいますが、それは逆効果です。
少しでも楽しかったと思ってもらえるように、芋のアバターでおしゃべりしたり、手書きのイラストを盛り込んだり、カジュアルな雰囲気を全面的に出しました。

登壇中は芋フィルターで!
 

一回じゃ覚えてくれないのは当たり前

講義後、プロジェクトの中で「ユーザーはこう使うんじゃない?」という議論が出るようになったとご報告いただきました。(うれしい!)
かなりポジティブな反応をいただけたので講義自体は成功だと思っていますが、全員がすべてを理解したとは思っていません。 興味があってもなかなか1回じゃ覚えられないんだから、1回で覚えてもらおうなんて思っちゃダメですね。
覚えてもらうために何回もやりつづけるメンタルというのも大切だなあと思いました。

あれ?これってUXデザインなのでは?

ゴールを考えて、受講者の気持ちを理解して、工夫して、作って、改善して……そもそもこの講義の組み立て方がとってもUXデザイン!
みなさんも講師をすることになったら、受講者の体験を考えて講義を組み立ててみてはいかがでしょうか!
 

written by にしかな
エンジニアとして入社したが、いつの間にかデザイナーになった人。
芋フィルターを多用しすぎて顔を忘れられがち。


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