現場で共に試行錯誤する | ユカイ工学ソリューションセールス 荒木貴正 インタビュー
みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。
先日行われたユカイ工学のオンラインセミナー。
BOCCOが活用されている企業や医療現場のお話を伺いましたが、今後もビジネスの世界でもコミュニケーションロボットが力を発揮できる場面が増えていきそうだと感じました。
さて今回は、そんなビジネスの世界とユカイ工学をつなぐソリューションセールスの荒木さんに話を聞きました。
-----
ハードウェアとソフトウェア両方の魅力
----- 営業職になったきっかけを教えてください。
荒木
元々、人と話すのが好きだったんです。
就活するときに「いろんなものがある携帯電話の営業やれたら面白そうだな」と思いました。
僕が就職活動していた2008年頃は携帯電話の進化が著しかったんですよ。
各メーカーがこぞって新機種を打ち出していた時期で。
TVが見れるとか、通信速度が速いとか、デザインがお洒落とか…ショップには多種多様な特長を打ち出した携帯電話がずらっと並んでいました。
自分自身もガジェット好きで、2年縛りとか関係無く機種を変更して色々触っていたので、携帯電話にはすごく興味があったんです。
だから興味のあった携帯電話と、これから伸びるだろうなと思っていたITに関われる会社に就職しました。
----- 携帯電話やITは幅広い括りだと思いますが、どこに注目して企業を選択しましたか?
荒木
携帯電話に強いかどうかに焦点を当てて企業研究をしていました。
当時は、iモードなどのアプリを作っている会社もあれば、携帯電話本体の基板を作っている会社もあって…正直色々ありすぎて選びきれなかったんです。
でも、ハードウェアもソフトウェアも両方やっているところが良くて。
結果的に、携帯電話をソリューションとして幅広くラインナップを持っている会社を選びました。
入社してからは、主にBtoBの営業を担当しました。
企業さん相手に携帯電話の使い方をどうするとか、携帯電話を作る、みたいな仕事ができたらいいなと思いながら働いていましたね。
最先端を突っ走っていく魅力
----- 2008年頃と言えば、スマートフォンが登場したタイミングでしたね。
荒木
そうなんです!
携帯電話業界に新しい波が生まれたタイミングで、そこに丁度乗れたと思います。
特にGoogleが発売したAndroid端末は、携帯電話メーカーやソリューションベンダーが自由に使える部分があったので、それに関わるものづくりにはハードウェアとソフトウェア両方の知識が必要だったんですよね。
もちろん、それを営業する自分も両方の知識を持っていないと!と思っていたので、一緒にお仕事をしていた海外のパートナーや世界中のWebサイトからガンガン情報を集めていました。
新卒2年目には、かなりAndroidに詳しい人だったと自負できるくらいになっていたと思います。
集めた情報を集約して、噛み砕きながらお客さんに伝えるのが本当に楽しかったんです。
----- 当時感じていたお仕事の一番の魅力は?
荒木
最先端を突っ走っていくのが何より魅力でしたね。
周囲よりAndroidに詳しかったので、まだ一般的に浸透していない「Androidってなんぞや?」みたいな話を自分の言葉で喋れたんです。
だから、いろんな日本の携帯電話メーカーさんとも話ができました。
2015年くらいまでは携帯電話をメインにしていましたが、そこからIoT関連に業務転換しました。
具体的には、温度や湿度が測れるセンサデバイスの営業と、ビルの電力監視システムの営業ですね。
そのあとは、「これからはクラウドだ!」と思って、クラウドベンダーに飛び込んだり。
改めて自分のキャリアを振り返ると、軸になるのは「ハードとソフト両方やりたい気持ち」と「今後来そうなもの」だなと感じます。
現場で使われる技術に携わりたい気持ち
----- ユカイ工学を知ったきっかけは?
荒木
2018年くらいかな、自分のお客さんとユカイ工学のお客さんが共通だったことがあったんです。
お客さんの情報チェックしていたら「BOCCOを使った取り組みをします!」ってニュースが出ていて。
そこで初めてユカイ工学のBOCCOを知りました。
印象としては「めっちゃ面白いことやってるけど、これ…大変じゃない?」って感じで。笑
それから少し経って、クラウドベンダーから現場で使われる技術を活用している企業に転職しようと考えていた時に、たまたまBOCCOのニュースをWebで見かけたんですよ。
「あ!そういえば昔、このBOCCOを活用していたニュース見たな!」って思い出して。
ユカイ工学のサイトを見て、BOCCO emoやkonashiを使って新しいビジネスをお客さんと一緒に立ち上げているのに魅力を感じて、面接を受けました。
面接ではCEOの青木さんに、BOCCOをどう広げていくかを伺って。
「それ絶対面白そうだな」って感じました。
----- 入社してからユカイ工学に対する印象は変わりましたか?
荒木
変わりましたね。
と言っても、「面白いことができそう」って印象はあまり変わっていなくて、「難しさ」を体感しているって表現した方がいいかな。
BOCCOもそうですが、ロボットって万能ではないから、できること・できないことあるじゃないですか。そことお客さんとのギャップをどう埋めるかをよく悩みます。
音声コミュニケーション開発キットのcodamaも、初めて触った時は「これをどうやってお客さんに伝えよう」ってかなり悩みました。
テクノロジーありきなのは難しい印象がありましたね。
でも、「自社に面白い製品があるんだったら、自分で動かして理解すれば良い。そっからが勝負だ。」と思って入社したので、とことん触りました。
やっぱり自社製品に愛を持てるかどうかって重要だと思うんですよね。
擬人化することで生まれる愛着
----- ユカイ工学の中で愛着を持っている製品はありますか?
荒木
一番はBOCCOですね。
2020年の5月からBOCCOを活用した「#誰かと喋ろう」プロジェクトを担当しているのですが、その体験が印象深いです。
BOCCOで何ができるか、お客さんにとって何が良いかを身に沁みて知ることができました。
僕は営業でBOCCOのことを「トランシーバー」って例えるんです。
そうすると理解してもらいやすいんですけど、単純なトランシーバーがこの形になっているところが最大のポイントで。
BOCCOは見た目の可愛さはもちろん、首の動きだったり、喋り方の速度やイントネーションなど、いろんな要素がデザインされているんですよね。
だからトランシーバーなのに人に見えるというか…。
ものに込められたキャラクター性、擬人化するっていうのかな。
それってとても価値のあることだと思うんですよね。
BOCCOの名前は、東北・秋田の方言で子どものことを 「ボッコ」と言うことに由来していて、「座敷わらし」のように、そこにあると幸せを呼ぶような存在になればとの願いが込められているんです。
知らず知らずのうちにユーザーも作り手の想いを感じとっているのかもしれません。ものに与えられたデザインが、こんなにお客さんの心を動かすのか!って驚きました。
そういった感動を生み出せるところは、すごく愛せるポイントだなと思います。
現場と一緒にチャレンジすることに躊躇しない
----- 働くモチベーションってどこにありますか?
荒木
お客さんと一緒に何かをして成し遂げる瞬間を味わうのが、僕の好きな営業のスタイルなんです。
新しいことをやるって、大なり小なり、あらゆるところから問題が降りかかってきます。でも、僕とユカイ工学だけではなくて、お客さんも一緒に問題を乗り越えていきたいんです。
問題を一つずつ乗り越えて、最終目的を達成した時の「よし!」って感覚。それに「お客さんと一緒にできて楽しかった、良かった!」って感覚。
毎回なんとも味わい深くて。それがモチベーションに繋がっていますね。
----- どんな人と一緒に働きたいと感じますか?
荒木
新しいことや難しいことにも、一緒に挑戦してくれる人がいてくれると嬉しいですね。
僕は、お客さんと契約したらそこで終わりじゃなくて、その後も現場に足を運んでコミュニケーションを取ることを大切にしています。
ユカイ工学の製品は、ハードウェアもソフトウェアもあるので、オンライン・オフラインどちらも活動範囲内。
もちろん今は、情勢を見て気をつけるべきところは意識して行動する範囲を判断していますが、可能な限り現場に足を運びたいと思っています。
悩んだらすぐに動いて一緒に進んで行きたいですね。
ユカイ工学の扱っているロボティクス分野って、わかりやすく言語化するのが難しいことも多いのですが、悩んだときはすぐにチームメンバーに相談します。
スタッフみんなコミュニケーション取りやすいので、職種に限らず気軽に相談できるのはありがたいですね。情報の感度も高いので、情報収集のスピードがさらに上がったなとも思います。
それにみんな職種の境を越えて活動しているので、驚きが絶えませんね。
----- 今後の活躍も楽しみにしています!ありがとうございました!
あなたもユカイ工学で働いてみませんか?
編集後記:誰と一緒に試行錯誤するか
ものづくりをしていると、一発で「想像通り」になることって少ないと思うのです。
頭の中で描いた壮大な理想図は、そう簡単に現実に現れてくれないもので。
いざ手を動かすと「何か違う!」と頭を抱えることは結構あります。
そんな時、誰かに相談してみると、想像していなかったリアクションをもらえることがあります。それは解決の糸口だったり、新しい視点だったり、得意を活かした助力だったり。
「お客さんと一緒に何かをして成し遂げる瞬間を味わうのが、僕の好きな営業のスタイルなんです。」
「悩んだら…まずはお客さんに話を聞いたり、スタッフに相談しますね」
インタビューで荒木さんがさらりと口にした言葉たち。
ひとりで作りきる気持ち良さもありますが、一方で誰かと一緒に作る気持ち良さもあるよな〜と、話を聞きながら思わず過去を振り返ってしまいました。
誰と一緒に試行錯誤するかで面白さが変化するのも、ものづくりの魅力。
インタビューを重ねるたびに、同じ方向を向きながら、自分とは異なる強みを持つメンバーと共創できる喜びを感じます。
その他のインタビューnoteはこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?