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『わたしはおはなししたかっただけ。』  |400文字小説 【毎週ショートショートnote】

 
 先輩、あの、まだ居残ってる、窓際で向かいあった、お顔そっくりの……。

「あぁ桜田姉妹な、一卵性美人、二人でモールス信号してんの」

 え。

「爪で机をカツカツ叩いてるでしょ」

 すっごい速さ、ってなぜ?

「いや、口喧嘩がとんでもないからって歌田が」

 担任の、モデルみたいな美人の。

「そう、あいつが二人とも喧嘩は静かにモールス信号でって」

 で、喧嘩中。

「君、一年か」

 はい。

「ふたり頭良いし、そんで罵倒も容赦無さ過ぎで」

 うわぁ。

「でも周りは解んないから平和だよね」

 けど、お二人ともそれほど怖い顔は。

「両方いま目線逸らしてんじゃん?」

 はい。

「絶対キレてる」

 なんで? わ、こっち見た。

「うん、見てる。あ、またモールス」

 なに言ってるんでしょうね。

「うん、さっきまでは今日俺と帰るのどっちかって」

 なんでわかるんですか!?

「付きあってるし、二人とも彼女。で、いまはあの下級生ナンだよって」

 あたし塾があるんでこれで。

「俺に用があんじゃなかったの?」

 いやいいのいいーんですもう!


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[文字数:410文字]

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お読みいただき、ありがとうございました
初稿掲出 2023年6月26日
最終改稿 2023年6月26日 17:45

©︎かうかう


この作品は 【毎週ショートショートnote】 のお題「 #生き写しバトル  」に参加させていただきました。


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