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「白」への憧れと疑問

掃除嫌いの自分が部屋の片づけにハマっている。最近断捨離を始め、ものを減らしていく快感を覚えてしまったのだ。今日も洋服を整理して、三段の衣装ケースを空にしてやった。おかげで部屋は一段とすっきりした。

不思議なもので、このすっきり感はやがて次なる欲望を誘うように働いた。部屋の模様替えなどに全く興味のなかった男に「自分の部屋を快適な空間にしたい」という欲がフツフツ湧き出てきたのである。もともと大学の講義がオンラインになったことで自宅学習が増え、集中しやすい環境が必要になったこともも要因の一つだろう。それらが相まって、いつの間にか無印やIKEAなどの商品情報を見るようになったり、本屋で収納術や空間デザインの本を手に取るようになった。


色々な情報に触れていると、部屋のデザインにもいくつかパターンがあることを知った。どうやら流行りは「白」らしい。白い壁に白い机、白い文房具。白い収納ケースにコンパクトにまとめると統一感が出て写真映えもする。そんなあたりから白い家具が好まれてよく紹介されていた。インスタグラムなどでライフスタイルを発信している人に多い気がする。

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〈アカウント〉  

https://instagram.com/nemuiasaaigshid=1qr4htjq6qbg3 
https://instagram.com/ciotan?igshid=me5co1eeoywj

もちろんウッディな色合いで温かみのある空間もたくさん紹介されていたが、それらは個性的でハイセンスだった。デザインスキル上級者のなせる技っぽくて、美術の成績が3だった僕にはとてもとても恐れ多い気がした。


とりあえず「白」で攻めてやろう、と思って最初にぶつかったのは勉強机であった。僕の部屋にある机は小学生の時に買ってもらった木製のザ・勉強机。機能的ではあるものの、残念ながら写真映えするようなお洒落なデザインではない。茶色が剥げて少し薄くなっているところもある、年季の入ったものだ。カメラを向けても生活感が駄々洩れで、人気インスタグラマーの投稿するようなものとは程遠いしょぼくれた写真になる。これじゃあちょっとイメージと違うなぁと悩んでいる。


話はそれるのだが、最近、僕は昔から周りの目を気にして生きているんだなということを再認識させられている。そのことに嫌気もさしている。それがもとで逆に人を傷つけたり失望させたりすることが以前にあって、いよいよどうにかしないと取り返しのつかないことになりそうなところまで来ている。なんでそうなったのかはそれまでの生き方に原因があるのは明らかで、簡単に言えば他人に合わせて生きていくことで色々とやり過ごしてきたんだろうと思う。

このまま社会に出たら何もできず後悔する自分が容易に創造できてしまう。流石にそれは嫌なので、自分をすぐ隠すんじゃなくて内側を見せて、相手から逃げずに向き合うのを課題にしている。自分を守るのを少しずつやめて。だから自分の内面が見えるものを定期的に形にして、ああ君ってこんな人なんだとわかってもらえるよう試みている。

とはいえ、これもまた自分をよく見せようとしている悪い癖なのかなともいう不安もある。そうならなければいいと願うしかない。好きな部屋で生活がができて、写真とか文章とかの技量を上げたいとか、そんな欲求を満たせれたらいい。


そうなるとだ。家具を「白」にこだわりすぎるのもよくないかもしれないと思えてきた。だって自分が暮らしたい部屋が白い部屋かどうか聞かれたら、ちょっとよくわからないから。緑とか黄色い部屋のほうが自分に合ってる可能性だってある。写真に映えるから「白」にするのだと今までと変わらない気がするし、もう少し自分の本能に従ってみる視点を大切にしてみたい。

「青」を加えるのがいいかもしれない。一番落ち着く色だから。好きな色は赤なのだが、赤は刺激が強すぎて緊張させてしまう色であり部屋には向かない気がする。一方で青は心理学的にも安心感をもたらしてくれる色である。集中できる空間づくりにはもってこいかもしれない。

「青」と「白」なら相性の良い組み合わせであるし、当初思い描いていたデザインとそこまで喧嘩しない。むしろぴったりなぐらいである。

あとは配置だ。空間にマッチする家具と色合いが協調されるベストなものと出会えるかが重要になる。今のところワイヤレスキーボード以外に良い出会いはない。最近買ったスマホスタンドは気に入っているが、青でも白でもなくシルバー。これまでの議論をあざ笑うかの如く第三の色登場である。茶色い机には合っているし使いやすくて重宝しているけど…。

色合いを崩す雰囲気もないから大丈夫だとは思う。


色に制限をかけて統一感を出すのは結構大変だということは分かった。SNSでライフスタイルを発信している人たちはやっぱりすごいと思う。統一が本当に好きじゃないとあそこまで追求できない。彼らにモノクロが好きが多いのも納得だ。

僕は茶色の机に対して「白」「青」「シルバー」とかごちゃごちゃ考えている。センスの無さだだ漏れである。


とりあえず、僕は整理したファイルをしまうケースが欲しい。あと机の上でむき出しに置かれているティッシュボックスもケースに入れたい。生活感を消してよりコンパクトなデザインにすることで、集中力が高まるいい感じの部屋になるんじゃないかなと期待している。

思い通りに模様替えができたらうれしい。


とかいって、なんだかんだこうして悩みながら色々試行錯誤している時間も楽しい。むしろそっちのほうが強いんじゃないか…。

まぁいいか。

【日記8/16】

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