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:0063 岡本太郎 岡本敏子が語るはじめての太郎伝記 感想

わたしの人生のひかり

かつて岡本太郎という人間がいたから美術の学校を目指した。詩を書くときも上品であるかよりもべらぼうであるかを大切にしている。わたしの根幹にいる彼の人生について振り返りたい。

岡本太郎が幼少期に書いた詩

キリンの首 天まで届け
お月さんの顔を四角にしろ

P.40 1-2行目より引用

鈴木三重吉が創刊した童謡と童話の児童雑誌『赤い鳥』の詩の投稿欄で特選に選ばれた詩だそう。母の岡本かの子さんは歌人としても活躍されていた方なので周囲のひとによく自慢されたようだ。

”人間”として向き合え!

岡本太郎の名言は勢いのある口語です。文章でもむきだしで生きている言葉のまま書籍に残されている。

政治家や実業家の偉い人が、地位を得ると、「ここまで来たのも女房のおかげだよ。感謝しとるよ」などと、言うでしょう。それも怒っていた。
「あいつらは、どんなにその女房を踏みつけて、苦労させて、涙を流させたか分かっていないくせに、自分がすっかり成功して安全な場所に来ると、女房まで自分の栄誉の飾りにする。けしからん。その女房が、どれだけの思いを押し殺してやってきたか、想像する力がないんだ」

P.48 8-12行目より引用

わたしの詩も口語の方が多い。汚く強く書いていきたい。岡本太郎を尊敬すればするほど彼のように「どう思われたっていい」となった。ココア共和国や日本現代詩人会など詩壇で評価されることよりも、世間でどれだけ反応があるか議論が生まれる詩が書けるかを考えるようになった。だから文学フリマなどの即売会で広く世の中に売る詩人になろうと方向転換した。

これがわたしの性。岡本太郎の熱い言葉に燃やされて、表現者になりたいと。

全人間として生きたいから民族学を学ぶ

(縄文土器について)
驚いた。こんな日本があったのか。
いや、これこそが日本なんだ。
身体中の血が熱くわきたち、燃えあがる。
すると、向こうも燃えあがっている。
異様なぶつかりあい。これだ!

P.119より引用

まだ評価されていないものを評価するような言葉を発したい。マジョリティが分散したくなるような大喧嘩を起こしたい。わたしはイスラム文化が好きだ。日本では危ないイメージが強いが、なぜ危ない文化と思われるようになったのかを解説できるようなひとになりたい。宗教は科学的ではない。しかし、科学的であることだけが存在価値なのか。

他にも

人間・戦前のパリでの修行・徴兵・川端康成の家での居候・『明日の神話』と『太陽の塔』の同時並行制作の話も面白い。この本は「未完」で終わっている。岡本敏子さんはそれほど岡本太郎のために尽くしていた。



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