私の在り方
次男が成人を迎えてから、それをきっかけに私も自分の在り方を意識するようになっていった。
次男が非行に走ったことで母親としての罪悪感からしなくていいことまで尻拭いし、責任を取り続けた。
本人に責任を取らせなかった。
未成年だから子どもだからと逃げられる環境を作り続けた。
逃げられる最後の砦は必要だったが、次男のためではなく私の保身のために動いていたことに気づいた。
そんな私の在り方を変えたかった。
弁当もいると言わないなら作らない、脅しではなく本当に作らない、朝は起こさない、先回りしない、本人より先に動かない、など。
過保護な私には大変だったけどやってみた。
思った通り大変なことだった。
ある時は次男宛の請求書が届く。
次男は無視してずーっと玄関に置いたまま。
自分宛なのに中身も確認しないことが不思議だ。
再送付されてくる。
無視する。
再送付、無視する。を何度も繰り返す。
「手紙届いてるよ」と毎回声をかけるが次男は動かない。
コンビニに毎日行くのに請求書を持っていかない。
なぜなのか不思議すぎた。
それが督促状になった。
世の中は優しく督促も何度か届いた。その優しさを無視する。最後は弁護士から手紙が届く。
そうなって初めて動き出す感じだ。
本人に責任を取らせるということは大変だった。
その間、私の胸はぎゅーぎゅーぎゅーぎゅーなる。
次男宛のものがポストに届いているだけで内容も分からないのに先にドキドキ不安になっていた。
先回りしない、次男に決めさせる、次男がやるのを待つ。
私には必要なことだった。
…今でも知らない電話番号から着信があると一瞬時が止まる。そうして心のどこかで次男と結びつける癖のついた自分にがっかりする。
自分の不安と次男を紐付けしないと決めても怖くなる。そして電話の内容を確認して何も関係ないことだったとき、次男にどうしようもなく申し訳なくなる。
私にはそんなどうしようもないところがある。
ほんとに怖がりだ。
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