子どもから大人へ
少年院を出てから免許を取ったり取り消されたりと相変わらずな次男ももうすぐ二十歳になろうとしていた。あの頃は次男が二十歳を迎えるのを心待ちにしていた。終わりの見えない毎日から解放されたかった。
未成年のしたことは親が責任を負わなければいけないと思っていた。成人するまで私は責任を持ったという証が欲しかったのかもしれない。
二十歳までは、二十歳までは…と指折り数えるようなそんな気持ちだった。
そうして迎えた成人の日。
どこの家でも感慨深い日だろうと思う。
次男は早朝から友だちと着付けに向かった。
そのまま式に出席したのか遊んだのかも分からないが無事成人の日は終わった。
欲を言えば次男の晴れ姿を一瞬でも見たかった。
写メでもいいから見たかった。
本当は一緒に写真も撮りたかった。
全部叶わなかったが、それでも次男が着物を着て、堂々とタバコやお酒も飲めて友だちと楽しい時間が過ごせたらならそれでいい。
次男のいない間に夫と2人で次男の部屋を飾り付けした。家に帰ってきたら喜んでくれたらいいなと思った。happy birthdayと20の文字の風船を壁に貼った。プレゼントを置き、たくさんのバルーンを膨らませた。
そして夫とお祝いの御飯を食べた。
…成人の日に玄関の前で写真を撮るあの光景ってちょっと羨ましい。
うちには1枚も写真はないけど嬉しい1日だった。
そして二十歳になったことで保護観察も終わった。
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