攻殻機動隊SAC_2045とオタクのダブルシンクについて

※このブログには、攻殻機動隊SAC_2045のネタバレが含まれています。
まだ視聴されてない方は、視聴されてから閲覧する事をおすすめします。
SACを観た事があって、2045は視聴していないという方はすぐさまに視聴された方が良いでしょう。

こんばんは。お久しぶりのブログとなります。
文章って書くの面倒くさいですよね。
というか、誰かに何かを発信なんてしたくありませんよね。
基本的に私は、承認欲求を満たしたくもなけりゃ、文章を書きたい訳でもないんです。
オタクだから、アウトプットしなきゃ勿体ない誰かに観てもらわなきゃなんてクソ食らえです。
あなたは、晩年のサリンジャーを知っていますか?
彼は、人前に出ることなく2メートルの塀で囲まれた屋敷で生きてました。
小説を書き続けても世に発表することもせずにそのまま91歳で老衰。
どうですか?素晴らしいと思いませんか?
まさしく、I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes.(僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた)の体現。
似た個人的思想を持っている私が、今回は少しだけ誰かにtwitter以外で発信してみようかなと思いました。
その作品こそが、攻殻機動隊SAC_2045です。
皆さん、攻殻機動隊SACをご存じでしょう?
じゃあ、続編をこの令和にやっていた事は知っていましたか?
監督は変わらず神山健治、9課のメンバーの声優も変わらずに、あのSACの続編がやっていたんです。
素晴らしいでしょう?じゃあ、オタクの皆さん観ましょう観ましょう。
今すぐその怠惰なソシャゲを辞めて、時間の無駄になるVtuber鑑賞を辞めてあなた方が好きだった攻殻機動隊SACを今一度見ようじゃありませんか!
どうしたんですか?何で観ないんですか?何が不満なんですか?
フル3DCGで手描きじゃないのが不満ですか?
9課に新しいメンバーの萌えキャラ江崎プリンがいるのが不満ですか?
それとも、トグサが奥さんと離婚しているのが不満なんですか?
菅野よう子じゃないからですか?
大丈夫です!私が保証します。私の保証なんてあったってどうしようもないかもしれませんがね。
でも、攻殻機動隊SAC_2045は間違いなくSACシリーズの続編ですよ!
あなたが好きだった9課が見事、画面に帰ってくる事間違いなしですよ!
実を言うとですね、私がSACを観たのはここ2か月くらいの話なんですよ。
攻殻機動隊を読んだのは10年以上前です。
けど、SACをずっと認めたくなかったんです私は。
私は、SFが大好きです、愛してると言っても良い。
だからこそ、少佐が人形使いと融合しなかった世界線なんていう二次創作を認めたくなかった。
二次創作でしょう?IF世界線でしょう?そんなもしもの話はないんだ。
と、ここ十何年間はそう考えていました。
しかし、三島由紀夫モチーフの話があると聞き及びついに最近視聴した訳です。
なるほど。これは、面白いじゃないか。
クソみたいな手のひら返しですが私にとっては日常茶飯事です。
特に、2ndGIGとSSSはかなり好きです。
SFというよりも、哲学要素や政治要素のが強いですが原作版よりも9課に入れ込むことが出来ました。
エンタメとしても、哲学作品、三島由紀夫解釈としても面白い作品でした。
そして、SAC_2045です。この作品、ひたすらに評判が悪い。
どうしてだ?3DCGはそりゃまあ、手書きの方が良いけど…。
私は、とりあえず気にせずに視聴してみました。
そして、昨日1日で全話見終えて今に至ります。
まず、言っておきます。SAC_2045はしっかりとしてPKD的SF作品です。
今までは、SFギミックを使っただけの哲学作品でしたが、今作はSF色が色濃く出ています。
3DCGにはしっかりと意味がありますし、あなたが老害オタクでない限り慣れていくでしょう。
では、本題に入りましょう。ここからはネタバレが含まれます。視聴してからご覧ください。

何故、攻殻機動隊SAC_2045はオタクに受け入れられなかったのか

見終わった後に、私は傑作だ…と思いすぐに感想を検索しました。
以下感想抜粋↓
「難しすぎる!!
最終話は何にも理解できなかった為、面白かったのかも分からない。
わかる人いるの??」

「ラストにかけて急に理解が追いつかなくなってしまったがしかし!攻殻機動隊だなぁというこの感じ!!!気持ちがいいですな!!!たとえ理解が追いついていなくとも!!!!
今作はプリンが本当切なくてな〜〜少佐も〜〜うう」

「最終話に進むにつれて攻殻機動隊らしい難解な内容に
最終話目前で9課が壊滅した時は、あと1話でどうまとめるの⁉︎と思いましたが、なんかモヤモヤした終わり方でした…

最終話、毎度お馴染み少佐の「ネットは広大だわ」からの一連のくだり
これが観れたので良かったです笑」

「散々謎を引っ張った挙げ句に最後は煙に巻いて終わりという最悪のラスト。時間を無駄した感が凄い。

スタンドアローン・コンプレックス現象も特に起こってない。それならわざわざSACとタイトルにつける必要もない。

実はウイルスに感染してました、実は死んでませんでした、実は幻でした、のオンパレードで真面目に見るのが馬鹿馬鹿しくなってくる。
毎回クリフハンガーで完全に話の途中で終わらせるのも腹が立つ。SACの一期と二期は毎話映画のような美しい起承転結があって品のある作品だったのに、こんな商業主義の使い古された手に走ってしまったのは残念。

無理やり追加した新キャラが本当に邪魔だった。
プリンが最後まで好きになれなかった。攻殻にこういう所謂萌えキャラは必要ない。とってつけたような過去話も特に感動はしないし、いちいち鼻につく台詞と差し込まれるロリコン趣味の所作に最後まで腹が立った。
オモシロは逆にプリンとの扱いの差が凄い。テコ入れでコメディキャラを出したけどなんか機能不全で結果としてはオモシロくなかった。」

まあ、ここまでにしておきますが気になる方は他にも検索してみてください。
どうですか?どう思いましたか?そして作品は見ましたか?
とりあえず、この作品の面白さがわからなかった方は自分が何を求めてるかを考えてください。そして自覚してください。
あなた方が、Nなんです。
あなた方が、攻殻機動隊SACの続編を求めて作られたのがこの作品なんです。
私は、別にSACなんてなくても良いと思ってました。
だから、ずっと見てなかった。しかし、見てしまったんだ。
9課と共にあり、人形使いと融合せずに広大なネットに溶け込まず人間と共に生きている少佐を見てしまったんだ。
ダブルシンクから抜け出してしまう程にロマンチストと言われてしまう人間臭い草薙素子を見てしまったんだよ。
あなた方は、きっと10年前から見ていたんだろう?
そして、SAC_2045のシーズン1を見た時に郷愁したはずだ。
懐かしいSACだ、と感じたはずだ。
その時にあなたはウイルスに感染したんだ。
神山健治が、仕込んだ郷愁ウイルスに感染してNになった。
そして、各々が思い描く攻殻機動隊を見てるんだ。
ですが、少佐はダブルシンクから抜け出しました。
多分、コードは抜いてないと私は思います。
だって、コードを抜けば消えるのはSACの草薙素子自身だから。
あなた方が、20年間夢のように見ていたダブルシンクだからです。
自分で、夢から覚めてください。
しかし、それと同時に忘れないでも欲しい。
最後に少佐は言います。
「おそらく次に人類が特異点を迎える時、それはこの星を飛び出しはるかかなたへと広がっていくだろう。…忘れないで、私たちがこの時代に存在していたことを」
ネットは広大です、しかし、狭い現実で戦い続けた少佐を私は忘れません。

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