ブレイク

 たまには何も考えずに、ただ時を過ごすことに集中する時間があったっていい。休日の朝にアートブレイキーを流しながら、コーヒーがフィルターを通り抜け、一滴ずつ作られていく様子を眺めているような時間だ。不安や心配事はいくら眺めていても飽きさせないものだから、さらさらとメモに書いて頭の中から出て行ってもらう。そしてただ時間を過ごしていると、体の中から余計な力が抜けていき、歪がなくなると自ずと自分のすべきことが見えてくる。細胞のすべては、一日先の未来に向けてはたらきはじめる。宇宙のすべては私のために回ってくれる。これから訪れる未来を楽しめる気持ちが私にはある。頭が空っぽになる。やめたいことはやめてしまえばいい、分からないことは考え続ければいい、頭がいっぱいになったら全部忘れて空っぽにすればいい、空っぽになる度、私は進化するのだ。

 大きく息を吸って、ゆっくりと吐く。目を開くと、病室の窓には今日もいい景色がある。

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