眠気
眠い。眠いときは目を開けている時間が長いということで、すべからく目が疲れている。目が乾きやすく、ぎゅっという瞬きをするようになって、しばらく目を閉じているとじわりと涙の膜を感じる。まぶたがいつもより分厚い気がするし、目の下の隈もくっきりしている。ただ、いくらたくさん寝たところで、目の下の隈が消えることはないのだけれど。頭はぼうっとして、思考の半分近くは眠いという本能に奪われている。そんな中でも一日ふらふらと仕事を全うすることは出来る私は偉いと思う。
この思考を半分が睡眠している状態で、何か活動するには、その本能に打ち勝つだけの感情が必要だ。私は責任感でもってそれに打ち勝ち、仕事を全うすることが出来るし、こうして文字を書いてる静かな興奮によってもそれに打ち勝つことが出来ている。眠ければ眠いほど大きな力が必要になり、出来ないことは増えていく。それは自分がどのくらい強いベクトルの感情を持っているかを測る指標になる。
今日の会議は退屈で寝てしまいそうだった。事実、寝ながら文字を書いていた。この時期換気は欠かせないので、もちろん会議室の窓は開いていて、そこに救世主が現れた。近くに巣があるのか、救世主は二匹三匹と続けて入ってきた。私はその出来事に興奮して、皆でわいわい救世主を追い払っている状況が面白かった。そして大学の講義中にもその救世主が現れたことがあったのを思い出した。いつも温厚な教授が、「そんなに珍しいですか?」と静かに怒りを現したことが印象的で、そんな教授が珍しいなと思った。そんな思い出が溢れて、すっかり目は覚めたが、会議に集中は出来なかった。
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