文体と芸術

 言語表現は芸術なのか、個人的には「えも言われぬ感情」を読んでいて受けるような文学作品などは芸術だと思う。何が芸術で、何が芸術でないかという線引きは困難で、当人の受け取り方次第だと思うが、「面白い話」というだけでは芸術たり得ないように私は思う。

 例えば、ライトノベルなどストーリーはとても面白いが、それが芸術的かと言われると違うような気がする(いやいや、それも十分芸術的だと主張する人がいても別に否定はしない)。文章が芸術であるには、文体と表現が重要であると思う。

 例えば(全部個人的感想であるが)、太宰治の女性の一人称語りのような文体であったり(乳と卵を読んだときには、極端な太宰治かと思った)、夏目漱石のきりっと美しい文体、三島由紀夫の何かもっと心に迫るものがある美しい文体だったり、村上春樹の独特でユーモラスなレトリックのある文体だったり。この文体と内容の調和、若しくは相反の具合なんかが芸術性を生むのだと思う。大学の文学部なんかに行けばこんなことを勉強できたりするのだろうか、楽しそうだ。

 文体というのは作者ごとに特徴的なものがあるけれど、自分の文体は一体どんなものなんだろうか、多分何か意識的に使い分けたりできるほどものを書いていないんだろう。自分の文体、と言えるようなものをいつか手に入れたいものだなと思う。

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