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『双子の星』(宮沢賢治)

著者:宮沢賢治

天の川の西の岸にすぎなの胞子ほどの小さな二つの星が見えます。あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精のお宮です。
 このすきとおる二つのお宮は、まっすぐに向い合っています。夜は二人とも、きっとお宮に帰って、きちんと座り、空の星めぐりの歌に合せて、一晩銀笛を吹くのです。それがこの双子のお星様の役目でした。
ー(本文より)ー

この『双子の星』の物語は、朗読会でも幾度か読んだことがあります。二章に分かれていて、前半は夜空を舞台に星座たちが諍いを起こしたり、労ったり、反省したり、まるで人間模様が語られているよう。
後半では一転、双子の星たちが夜空から一直線にズドーン!と海の底の底へ落ちていきます。この移動距離の壮大さ、物語のスケールの大きさを想像すると、視界がぱぁっと広がるような心持ちがします。

この前、とある若い女優さんの進路が驚くべき意外なものだったそうで、ネットのニュースに取り上げられていました。その女優さんは子供の頃からたくさん本を読んでいらして、読書に関するエッセイ本も出版されているのですが、そこで取り上げられているのはいわゆるお勉強用の本ではなく、たくさんのファンタジーでした。
空想上の物語をたくさん読み、「ありえない」という展開やストーリーの壮大さに慣れてしまうと、現実の生活や進路や問題を考える時もちょっと「枠」からはみ出したアイデアが浮かぶようになるのかもしれません。「考えられる選択肢」みたいなものが増える、広がる。『双子の星』を読むとそんなことを考えてしまいます。


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