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No4, ふるさとパラドックス

今日で4日目か、やはりまだ何となく気が重い。
休んでいることに対しての罪悪感を感じる自分と、休んでいいんだよと必死に言い聞かせている自分。わたしの中に『前向きさん』『後ろ向きさん』が同居している。そして、両者が常に討論しているような、そんな状態。いつの日か、見たことある天使と悪魔のささやきってこういうことか。なんだか少し愛しく思えてくる。

東京から飛行機で1時間と30分ほどの距離に位置するわたしの地元。
距離にすると約1200㎞、参勤交代ってとんでもないなぁ、飛行機ってすごいなぁなどと心でつぶやきながら飛行機に搭乗。

相変わらず搭乗後も、『前向きさん』と『後ろ向きさん』の討論会が白熱。
上空にて、「まあもう帰ってるし」という『前向きさん』の一言で今日のところは終結。

CAさんへ「ありがとうございました!」の一言とともに、約1年3ヶ月ぶりに地元に足を踏み入れる。

父が空港まで迎えにきてくれた。
開口一番、『ちょっと太った?』
正直ホッとした。ありがとうお父さん。
家まで父とのドライブ、根掘り葉掘り聞かれることもなくなんだか拍子抜けだが、そんなところがさすがだな、と。

30分ほどのドライブののち「ただいま」
ごはんを用意してくれている母の「おかえり」の一言。
なんか昨日も帰ってきたような、実家ってやっぱり不思議な場所だ。

そんな思いと裏腹に、実家から見える景色が様変わりしていた。
ドライブ中も思ったが、知らない建物がちらほら。
また、外だけでなく実家の中も冷蔵庫やら炊飯器やら、ぼくがみたことないものばかり、まるで友達の家に遊びにきたような。

昨日も帰ってきたような郷愁と、まったく知らない場所にきたかような感覚…『ふるさとパラドックス』とでも名付けようか。

1年で、10kg痩せたと言う父となんら変わらない母。
何気ない「ただいま」と「おかえり」のやりとりもあとどのくらいできるのだろうと久々の再会に安心するわたしとちょっぴり寂しいような実家。

両親と過ごす大事な期間でもあるのだろうと、
実家に帰り少し安心したのか、『前向きさん』が優勢な今夜の気持ち。

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