摂食障害治療と入院

昨日、県の摂食障害拠点病院に受診をした。結果から言うと、「与えられた宿題ができないなら入院」だった。


私の場合は、過食や拒食だけでなく嘔吐もあるため、治療して治るまではかなり時間がかかり難しいそうだ。体重が増える事、カロリーを摂取する事、食べ物を胃に留めて吸収する事、いろんな事が恐怖の対象になっている。1人前が分からない、栄養状態が悪く身体が飢餓状態のために脳が食べ物を欲するなどのいろいろな原因があり、過食を引き起こすらしい。常に恐怖心と戦う事は心身共に疲れてしまうため早めに入院して治療をする事を勧められた。そして2週間後に再診の予約を入れ、宿題を出された。その宿題ができなかったり、無理だと感じたりした場合に、入院となるそうだ。これがその宿題だ。

この紙を持つ手が震えた。痺れてうまく持っていられなかった。低カリウム血症が原因だろう。母が心配して支えてくれた。そんな自分が情けなかった。主治医が何度か「この宿題はできそうですか?」と聞いてきたが、私はその度に「できません」と首を振った。特に10番から12番。毎日10回は確認する事だ。入院したら1週間に1度しか体重測定ができなくなる。絶対に入院したくない。しかしこの宿題は帰りの新幹線に乗った時点で守れなかった。カロリー計算をしながら飲み物を選んだ。帰って体重を測った。ボディーチェックをした。1度受診してみれば気持ちが変わるかもしれない、救われるかもしれないと思っていたが、自分が変わろうと強く思わないと変われなかった。甘い考えだった。

主治医は「体重が安定しているときはいいけど減っているときに『健康な体を目指して治療しましょう』と言っても誰もが嫌がるからタイミングが悪かった。体重を増やす事や過食をなくす事は簡単だが嘔吐や恐怖心をなくす事は難しい。まゆみさんの場合はかなり時間がかかると思う。半年から1年かけて入院して治療をして、その後も出された宿題ができなくなってきたらまた入院をして身体に叩き込む」と言っていた。スパルタ教育だ。私は自分が過食や体重増加が落ち着く体重を知っているため余計に怖かった。私が太っていると感じ始める体重と安定する体重の差が5kgもある。恐怖と不安しかない。だがその恐怖と不安をなくすのが治療だと強く言われた。自ら怖いと思う事をする人はいないだろう。私だってそうだ。マスクをしていても表情には不安が出ていたのか、「宿題を見たときに『これとてもはできないな』って顔したね」と主治医は場を和ませるように笑った。

診断名は「神経性無食欲症」と「情緒不安定性パーソナリティー障害」。私自身が思っていたよりも、症状は悪かった。甘えでも怠けでもなかった。その考えそのものが摂食障害の症状だった。1日経って、考えて、主治医や病院に身を任せてもいいのかな、と思えた。受診をして宿題をもらった時点で治療は始まった。ベッドの空きができるのが先か、外来受診の日がくるのが先かは分からないが、この気持ちがなくなる前に行動するしかない。

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