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世界で2番目に辛い唐辛子を食べて死にかけた話

今からちょうど1年くらい前の話です。

私の学科では実験の授業がありました。毎週火・水・木の午後に基本的には実験室に行って顕微鏡や試験管を触り、実験後にレポートを書いて翌週に提出、という一連の流れを1年続けるのはひどく退屈で疲れる作業でしたが、研究で必要とされる忍耐力みたいなものが身についたという点では無意味ではなかったのかもしれません。

そんな私たちが楽しみにしていたのが学外活動でした。フィールドワークをしたり、時には公共施設にお邪魔してお話を聞いたりと校外学習みたいな時間を送れる、1年に数回しかないイベントです。もちろんレポート課題はあるのですが、それでも狭苦しい実験室からの解放にみな心を躍らせていました。

10月の頭、私たちが行ったのは大学からバスで数十分のところにある、企業さんが経営している植物園。ほとんど貸切状態でガイドさんのお話を聞いてまわりました。

コンセプトは薬用植物。甘草や朝鮮人参など見知った薬草からゴシュユなど全く聞いたことのないものまで屋外の花壇に植えられており、しかもそれらほとんどを食べさせてもらえる、というのがこの植物園の売りのようです。

長かったガイドも終盤に差し掛かり、辛い薬用植物のコーナーに入りました。ミントのようなスーッとする植物から唐辛子まで多様な種類が植えられています。中でも目を引いたのが、キャロライナ・リーパーと呼ばれる世界で2番目に辛い唐辛子。ガイドさんは「汁が目に入ったら最悪だと失明するかもしれません」と結構なことを言って注意喚起をされているのですが、そんなことは耳に入らず一人ヨダレを垂らしている人間がいました。

そう、私です。


当時、私の中では辛いものがブームになっていました。夏休みの間に京都府は向日市にある激辛商店街なるものに行き、激辛坦々麺を汁まで完食していた私は、次の目標をこの激辛唐辛子に据えたわけです。これを食ったら辛いものマスターになれる、と意気込んで一つ手に取らせてほしいとお願いすると、観察熱心な学生だと思われたのか、案外あっさり半欠けをもらうことができました。

あまり大ごとにはしたくなかったのでこっそり口に入れると、周りから悲鳴とも呆れともつかない声が。ガイドさんにはすぐに吐き出すように言われたんですが、なんとかこの辛さに打ち勝ちたい私はついに飲み込んでしまいました。

一時現場は騒然。私は気丈に振る舞うわけですが、だんだんお腹の中がじんわり熱くなってきました。それでも問題なく話は聞ける状態だったのですが、またしばらくすると腹が急激な辛さに耐えきれなくなったのでしょう、今度はとてつもなく下痢をしそうになってきました。

冷や汗もかいてきて流石にまずいと思い、「トイレどこですか?」と聞いてトイレに駆けていこうとした次の瞬間、足元がおぼつかなくなって視界が地面スレスレになりました。

まあ端的に言うと、ぶっ倒れたわけです。

幸い気絶したわけではないのですぐに立ち上がってトイレに向かったわけですが、周りは大混乱。結局トイレに30分くらいこもり、先生方とガイドさん、それにその他学生に多大なご迷惑をおかけしてその日を終えることになりました。

レポート課題ではもちろんキャロライナ・リーパーについて書かざるを得なかった私。その後1週間くらい、一時的にあだ名が「キャロちゃん」とか「リーパー」になったのは今でもいい思い出です。


当時を思い出して書いてみましたが、改めて文字に起こすと尋常じゃないですよね。なんでこんなことをしでかしたのかいまだに謎です。頭悪いとかそう言う指標では語れない、人として大事なネジが外れているような気がします。

まあでも、辛すぎる唐辛子って食べちゃダメなんですよ。みなさん知ってました?学びのある記事になったんじゃないですかね〜()


こういう変な武勇伝みたいなものをもう1つか2つくらい持ってるので暇な時かネタ切れの時にまた話します。全部に言えることですが、決して自慢してるわけではないのでご心配なく。過去を悔い改め、そして忘れないための記録です。

私の周りでは風邪が流行っています。実際今ちょっと喉痛いです。みなさんもどうかお気をつけください。
それではこのへんで。


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