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「型破り」な教育を「当たり前」にしていく

先週、『プロフェッショナル 仕事の流儀』で数学教師の井本陽久先生の回を見た。

全国から視察が殺到する注目のカリスマ教師・井本陽久(50)に密着!超進学校から児童養護施設まで教室を飛び回り、子どもたちを輝かせる井本の授業は、「生徒に魔法をかける」「まるで奇跡のよう」と称賛される。科目は数学だが、教科書を全く使わず、ノートも一切取らせないという型破りな授業。なぜそれで、「考える力」が伸びていくのか?教育のみならず、子育てや人材育成などにも生きる「育ての極意とヒント」が満載!

https://www4.nhk.or.jp/professional/x/2020-01-13/21/12505/1669571/

実は先日、番組の中にも出てくる「いもいも教室」で出張インプロワークショップを行った。今回この番組を見たのも、そこで出会った先生方がFacebook等で告知していたからである。(ちなみに、井本先生にもそこでお会いできる予定だったのだが、お忙しいこともあって残念ながらお会いできなかった。)

いもいも教室の先生方から伺っていたとおり(いや、伺っていた以上に)、井本先生は素晴らしい先生だった。生徒たちが自分で考え主体的に学んでいく授業を、理想として唱えるのではなく実現していた。また、優しいだけではなく「覚悟」もあって、プロフェッショナルとしての存在感もあった。

一方で、やっぱり日本ではこういう授業は「型破り」なものとして扱われてしまうのだな、とも思った。(たしかに井本先生自身は個性的だが、授業の考え方自体は非常に合理的だった。)

最近はもうひとつ、『奇跡のレッスン』でハンドボール指導者のソーレン・シモンセンさんの回を見た。これはツイッターで下記ツイートを見かけたのがきっかけだ。

ソーレンさんも素晴らしい指導者だった。ハンドボールを通して、生徒たちが自分たちで考え、主体的に学ぶ指導が行われていた。

そしてその中で「デンマークではこうする」と何度も言っていたことが印象的だった。

特に、パスによる連携プレーをスモールステップで練習していたときに「デンマークでは、こうした練習法が600種類以上あり、ソーレンさんも常に自分で新しいメニューを考えています」というナレーションが入ったのが印象に残っている。

ソーレンさんの指導は「型破り」なものではなく、積み上げられているものなのだと感じた。

これは先日参加した「ファシリテーターのためのワークショップ」でも感じられた。ワークショップは素晴らしかったのだけど、それはファシリテーターふたりが個人的にいいワークショップをしているというよりも、積み上げられたものをふまえていいワークショップをしていると感じられた。

「型破り」で行われる素晴らしい授業やワークショップも、積み上げで行われる素晴らしい授業やワークショップも、素晴らしいことには変わりない。しかし将来のことを考えると、そこにはきっと差が生まれてしまうだろう。

僕が行っているインプロのワークショップは「型破り」なものと思われやすい。たしかにインプロは日本では新しいものである。しかし、僕は自分のワークショップを「当たり前」のものとして探究していきたい。そしてそれが当たり前のこととして広がっていったらいいと思う。やるべきことをやって、次に世代にバトンを繋げたい。

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