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「ファシリテーターのためのワークショップ」に参加してきました

少し前のことになるが、東京芸術劇場にて「ファシリテーターのためのワークショップ」に2週間参加してきた。その間は体調がイマイチだったり他の用事もあったりとだいぶハードだったけれど、とても学びのある2週間だった。そこでここではワークショップの学びをまとめておこうと思う。

ファシリテーションってこういうものだった……!

ワークショップの前半は≪見て学ぶWS≫というサブタイトルで、講師のStewartとDanielleがファシリテートするワークショップに参加したり、見学したりするものだった。

ふたりのワークショップに参加してまず思ったのは、「ファシリテーションってこういうものだった……!」ということだった。

僕は普段からたくさんのインプロワークショップをしているが、その内容はかなりインプロを「教える」ものである。それに対して、ふたりのワークショップはファシリテーションを教えるものではなく、参加者がそれぞれに自分のファシリテーションをふりかえり学んでいくものだった。そしてそれはまさにワークショップというものだし、ファシリテーションというものだと感じた。

気づきや対話を促す手法がある

ワークショップをしている人なら、ワークショップが気づきや対話を促すものであることは誰でも知っていると思う。しかし実際にそれができているかというと、途端に難しいものになる。言葉だけで「気づきましょう」「話しましょう」と言っても、本当に新しい気づきや対話を生むことはほとんどない。

それに対して、このワークショップでは参加者たちが自然と気づき、対話が生まれる手法が使われていた。また、そのための問いも用意されていた。僕は自分のワークショップではこれらの手法をある種意図的に避けていたのだけれど(見えないコントロールをするような気持ちになるので)、しかしこれらを使うことで学びがFacilitate(促進)されることを実感できた。

ちなみに、ファシリテーターのためのワークショップの休みの日には企業研修としてインプロのワークショップをする機会があった。そこでこれらの手法を少し使ってみたらとても効果的だった。インプロをすることはそれ自体が気づきや対話が求められるものなので、必ずしも形式的なふりかえりを用意する必要はない。しかしそれを用意することで、より気づきや対話が生まれる可能性があることを実感できた。

ファシリテーターの仕事はワークショップを前に進めること

ワークショップの後半は≪実践で学ぶWS≫というサブタイトルで、実際に小学生(1~3年生)に向けて3日間ワークショップを行い、その次の日には発表会を行うというものだった。ワークショップの参加者は2チームに分かれ、僕はStewartがスーパーバイザーになるチームに入った。

率直に言って、ワークショップの初日は全然うまくいかなかった。子供向けにワークショップをすることも、チームでワークショップをすることも、全てがうまく回っていなかった。

だからその日のふりかえりはとても学びが多かったのだけど(人間はやっぱり失敗から多くを学ぶ生き物ですね)、その中でも「ファシリテーターの仕事はワークショップを前に進めること」「参加者の問題行動はサポートメンバーが解決する」というStewartのアドバイスはとても有効だった。

僕はこれまで子供向けワークショップで参加者に問題行動が出ると、そこに関わっていくようにしていた。それが公平さであるとも思っていた。しかしそこに関わるということは、普通にワークショップに参加したい他の参加者たちのニーズを無視しているということでもあった。

だから2日目は、自分がファシリテーションをする時にはひたすらワークショップを前に進める(参加したい子供たちに向けてワークをしていく)ことを意識していた。そしてワークに入れない子供のケアは他のメンバーに完全に任せることにした。すると、1日目が嘘だったかのように2日目はいいワークショップになった。3日目も、2日目ほどではなかったけれどいい流れがキープできていた。

参加者が主体的に作っていくワークショップを

「ワークショップを前に進める」ことで、最終日にはそこそこの発表会をすることができた。一方で、「ワークショップを前に進める」ことに一生懸命になりすぎて、参加者自身が気づいたり考えたりする機会をあまり持てなかったかもしれない。

今思えば、たとえ参加者が小学生であっても、もっと彼ら彼女らが主体的に作品を作っていくワークショップもできたのではないかと思う。

発表会が終わった後、StewartとDanielleは子供たちにふりかえりを促すワークを行っていた。それは僕たちが前半のワークショップで受けた手法だった。

そこでの彼ら・彼女らはとても誠実で、前向きだった。そしてもしワークショップでその主体性を引き出せていれば、もっと頑張らずに、それでいていい作品ができたのではないかと思う(もちろんやってみないと分からないけれど)。

そしてふりだしに戻る

ファシリテーターのためのワークショップは、最初に「ワークショップは参加者が主体的に気づき学んでいくもの」ということを思い出し、そしてまた最後に「やっぱりワークショップは参加者が主体的に気づき学んでいくもの」と思い出す、2回ふりだしに戻るような時間だった。

しかし、そうやって2回ふりだしに戻った自分は、以前よりも高いステージに立っていると思う。

明日からの二日間は「インプロバイザーのためのワークショップ」を行う。これは「ファシリテーターのためのワークショップ」のインプロバイザー版である。はたしてどんな時間になるのか、僕自身も楽しみである。

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「インプロ」と呼ばれる即興演劇を通して、人を自由にする仕事をしています。全国各地で100回を超えるパフォーマンス、300回を超えるワークショップ経験があります。インプロワークショップ団体「インプロソフィー」代表。 https://improsophy.jp/
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