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夫婦がうつになったきっかけ

はじめに

ツレとツレがうつになった夫婦の夫、うつ兄さんです。
かれこれ2年ほど、うつと付き合っています。
うつになるまでは、ベンチャーで2年間エンジニアとして普通に働いていました。

現在日本では精神疾患を持つ患者数は増加傾向にあり、2017年の患者調査で約420万人いるとされています。この患者数は、4大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)よりも多い状況です。しかし、何らかの精神疾患ないしメンタルヘルス不調を抱えている潜在的な人数を有病率から試算すると、日本国内だけでも1,386万人にも登ると言われております。
我々は自分たちの経験した辛い「うつ病」に罹る人を一人でも減らしたいと思い、またうつの人の手助けになるように、うつに関する情報発信を行っています。

今回は皆さんに、我々夫婦がどのようにしてうつになったかをお伝えしようと思います。

妻の場合

妻ストレスの原因

妻は両親、親戚、祖父母が公務員の家庭で生まれました。
堅実で慎ましやかな暮らしを良しとする家庭で、「こうあるべき」姿がしっかりとしていました。
その影響もあって、「こうあるべき」自分と現実の自分とのギャップに苦しみながら生活を送っていました。
そして、いつしか自分で自分を裁くことが習慣化してしまったのです。
何かを達成して他人から感謝されても、減点法で自分を評価し、自分を裁いてしまうのです。
そうするうちに自己肯定感がどんどんと低下していき、自分に自信がなくなるようになりました。
傍から見ると優秀な人で、社会で上手くやっていけている普通の人なのですが、自分の中では常に「自分はダメな人間だ」という考えに支配されていました。
そして、うつに片足を突っ込んでいた頃、親しくしていた祖母を亡くしてしまい、自分が生きる意味を日々問うようになっていきました。
会社でミスを繰り返し、自責の念に支配され、独りの時間になると生きる意味を問う。
そしてストレスが溜まり、頭があまり働かなくなり、会社でのミスが増え、自信を失い自責をしてしまう。
その負のサイクルに陥り、結果的にうつになってしまいました。

またうつになった原因に、他人本位な部分が強く影響していると思います。自己犠牲をしてでも他人の役に立ちたい。そんな気持ちが彼女の中に強くありました。それはおそらく自己肯定感の低さから他人に認められたいという承認欲求があったのではと思います。
利他的になりすぎるあまり、ズタボロになっていく自分をケアできていなかったのです。

妻ストレスの原因2

彼女は感覚が鋭い人間で、HSPの気質があり、他人の評価が気になるタイプです。言葉1つでも相手の表情、声色やトーン、仕草などから、その発言の真意を汲み取ろうとします。また、それらの情報が増幅されて一気に脳の中に入ってくるのです。
自己肯定感が低く自分の自信を喪失しているとき、その特性がマイナスに働いてしまいます。
相手から感謝されても「本当にそう思っているのか」と疑ってしまい、フィードバックを受けると「なんて自分はダメな人間なんだ」と感じてしまうのです。

感覚が尖すぎるが故に感じる生きづらさは、当の本人にしかわかりませんが、相当つらいものだったと思います。

夫の場合

夫ストレスの原因

私は感情的な人間と言うよりは、ロジカルな人間で、合理性を求めるタイプです。
妻にうつの身体的な症状が発現したとき、神経内科や脳外科など様々な病院に足繁く通い、妻の不調の原因を調べていました。奇しくも、その当時仕事のプロジェクトが佳境に入っており、仕事のストレスも溜まっていました。
今思い返すと、仕事が終わった後も仕事の心配をし、仕事モードのスイッチが入りっぱなしだったと思います。そして仕事の合間を縫って妻を病院に連れていき、仕事が終わると家事をしたり妻のケアをしたりしていました。
そんな生活を数ヶ月続けていくうちに、徐々に不眠の症状に悩まされるようになりました。
慢性的な寝不足状態になりながらも、そんな生活を数ヶ月送っていたときに、突然糸がプツンと切れた感覚に襲われました。
そして、急に動けなくなってしまいました。
インフルエンザに罹ったような倦怠感に襲われ、身体は鉛のように重く、何をする気も起きなくなってしまったのです。
まさに、もぬけの殻の状態です。

当時は仕事と妻の体調のことで一杯一杯で、自分のことを考えている余裕など有りませんでした。ですが、今思い返すと、二足の草鞋で生活していたようなもので、心身ともに擦り切れていたと思います。

その環境に身を置いていると、どれだけつらい状況であってもそれが日常だと錯覚してしまいます。
当時の生活を今振り返ると異常だったのですが、当時はそれが当たり前になっており、何も疑問を感じていませんでした。環境を変えたり、療養をしたり、他人に助けを求めるという発想がなかったのです。

最後に

うつは知らぬ間にやってきます。
私の場合は、気が付いたら重度のうつになってしまっていました。
うつになる前は「自分はうつになんかならない」とさえ思っていました。
自分は大丈夫と思っている人でも、うつになる可能性があることを知っていただきたいです。

先日うつのサインについて記事を書いたので、そちらもお目通しいただけると嬉しいです。身体だけでなく、心も労って、健康な生活を送りたいですね。


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