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イラストレーターが描く「うつの世界」

うつ兄さんとうつペンさん

はじめに

ツレとツレがうつになった夫婦の夫、うつ兄さんです。
かれこれ2年ほど、うつと付き合っています。

現在日本では精神疾患を持つ患者数は増加傾向にあり、2017年の患者調査で約420万人いるとされています。この患者数は、4大疾病（がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病）よりも多い状況です。しかし、何らかの精神疾患ないしメンタルヘルス不調を抱えている潜在的な人数を有病率から試算すると、日本国内だけでも1,386万人にも登ると言われております。
我々は自分たちの経験した辛い「うつ病」に罹る人を一人でも減らしたいと思い、またうつの人の手助けになるように、うつに関する情報発信を行っています。

今日は皆さんに、うつ患者の世界がどういったものなのかをお伝えしようと思います。
言葉で伝えるよりも視覚的に伝えたほうが分かりやすいと思うので、海外のイラストレーターさんがうつの世界を表現したものをいくつか紹介いたします。

毎日自分を偽って

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Illustration by Kristian Nygård.

本当は擦り切れて生きる気力もない自分が、社会生活を営むために「元気な自分」をクローゼットから引っ張り出し、何事もないように生活をする。そんなことが私にもよくありました。「ここで休んだらプロジェクトが…」という思いが強く、自分を偽ることが日常になってしまっていたのです。

頭の中のノイズ

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Illustration by Jenny Chang.

うつ状態になると、常に頭の中にノイズがある感覚に襲われます。何も考えていなくても、何をしていなくても、自分の頭が常にビジー状態で、頭が上手く働きません。感覚的に言うと、徹夜をした次の日に頭が中々働かない状態の3倍くらい頭が働きません。物事を合理的に考えたり客観的に考えることが難しく、自分の考えもまとまらなくなっていくので、自分に自信を持てなくなり、考える作業全てに抵抗を感じてしまいます。

不眠でネガティブ思考に押しつぶされる

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Comic strip by Meghan.

うつ状態になると、不眠の症状に悩まされることが多々あります。寝たくても眠れない。とにかく辛いです。眠れないだけでさえ辛いのに、どんどんとネガティブな思考に侵されていきます。夜中眠れないときは孤独感もすごく感じるので、自分が世界から見捨てられた感覚に陥ります。底なしの沼に独りではまっていくような、そんな感覚です。

いつもそばに

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Illustration by Sylvie Reuter.

うつはいつでもどこでも自分の心の中にいます。自分の意図しないところでネガティブになってしまったり、身体が急にインフルエンザにかかったくらいだるくなってしまったり、コントロールできないものです。調子が良い日でも、一度うつ状態に蝕まれると、落ちるところまで落ちていってしまい、闇に呑まれてしまいます。

うつ患者の世界を表した動画

うつを黒い犬に擬してうつ患者の世界を描いた作品です。
うつ経験者の方は共感できる部分が多いと思います。
うつになったことがない人でも、うつ患者の世界が体験できると思います。

最後に

本記事ではうつ患者の世界を紹介させていただきました。
うつになると、本当に辛い毎日が待っています。
そして、うつは皆さんが思っているよりも身近な病気です。
「自分は大丈夫」と思っていても、急にやってきます。
不用意に危機感を煽りたくはないのですが、この記事が少しでも自分のメンタルについて考えるきっかけになれば幸いです。
身体だけではなく、心も健康に生きていきたいですね。

今うつと戦っているひとへ

あなたのその辛さと同じ経験をし、そこから立ち直れた人はたくさんいます。
止まない雨はありません。
私は自殺未遂というどん底まで落ちた後、回復して社会復帰を果たしています。
人は傷ついて初めて痛みを知ります。
あなたのその辛い経験が、いつかは誰かを救うきっかけになるかも知れません。
今はポジティブに考えたり、未来のことを考えたりすることができないかもしれません。
無理はしなくていいので、今生きることだけを考えてください。
生きていれば、それで十分です。
それ以外のことは、生きていればどうとでもなります。
あなたが生きることを願っている人は周りにいるはずです。
辛くて辛くて仕方が無いかも知れませんが、どうか生きてください。
他の誰もがそう思わなくても、私はあなたが生きることを願っています。

また私たちのうつの経験やうつヌケの学びをイラストつきでTwitterでも日々発信しています。今うつと向き合っている方、うつかもと悩んでいる方に少しでも私たちの経験が役に立てばと思います。


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