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「良きもの」の中で起こる性暴力と二次加害

《「良きもの」の中での性暴力》に関して、私も発信します。信田さよ子さんが発信された「良きもの」という言葉を私も使わせて頂きます。ウネリウネラさんの文章でも、新聞社を意味する表現として使われたことと、同じ思いだからです。

@merrymerrylamb さんがべてぶくろで受けた性暴力と二次加害についての信田さよ子さん、ウネリウネラさんの発信を読み、私自身に起きている二次加害の問題とそれに対するアクションをまとめておきたかったので、Twitterにも書いています。

私は今年3月のフラワーデモ長崎で、取材対象である警察官から受けた性暴力と勤務していた放送局内や同業他社の記者らからの性暴力二次加害についてスピーチしました。

https://note.com/utss2020/n/n03c367afe5ec

https://note.com/utss2020/n/n15f14b80e8e5


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撮影:郡司真子

声をつないで:長崎でもフラワーデモ 元民放記者の女性、黄色い花を手に被害吐露 国際女性デー - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20200308/k00/00m/040/295000c

毎日新聞動画 長崎フラワーデモ 元民放記者の女性、黄色い花を手に被害吐露国際女性デーhttps://mainichi.jp/articles/20200308/k00/00m/040/295000c

長崎)「性暴力を許さない」 フラワーデモに50人参加:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN386W44N38TOLB002.html

性被害の苦悩、元記者告白 フラワーデモや訴訟で奮起 | 2020/5/18 - 共同通信 https://www.47news.jp/amp/4823273.html

その直後、かつての上司である新聞社社長から手紙が届きました。私に起きた性暴力加害に関して、気遣う内容でありながら、自分はまったく二次加害に関与していないから、自身の名前所属を出すなという、恫喝で手紙が締めくくられていました。私は、あまりに酷い内容に心が折れました。

その元上司は、確実にサツキャップと県政キャップを兼ねていたし、私が受けた暴力を知りながら、何も助けることはしてこなかったのは、事実です。手紙を仲介した記者から、この件で騒ぎが大きくなるのは、新聞社的に困るとまで言われました。

《長崎の記者の方々が取材で性暴力に合わないよう対策を打ち出すことが当時を知る報道人の役割。私を守れなかった事実を未来への改革に繋げて下さい。取材現場の安全性と二次加害が起きない環境を整えて下さい。その願いを伝えるために長崎に行ったのです》

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私は3月のフラワーデモの後、上記のように一連のツイートしました。これについて黙れと恫喝するのは性暴力二次加害です。


このハレーションに立ち向かおうと決意するまでに私が回復するまで、半年かかりました。

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性暴力とそれに続く二次加害。被害者が軽んじられ、踏み躙られ、嘘つき呼ばわりされ、口を塞がれ、なかったことにされていく。

組織を守りたい人たちにとって、それが正義であり、私の被害なんて、かき消してしまいたいノイズなのだという事実を社長からの手紙として突きつけられたのです。恐ろしくて震えが止まりません。

《外部から閉ざされた「よきもの」とされた集団の中では、時としてさまざまな暴力が発生しがちであること、それは暴力とされず「被害」を訴える側に問題があるとされがちであることを改めて多くのひとに示すことになった》信田さんの文章にあることがまさに私にも起きました。

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あまりにも酷い現実があっても、私には、性暴力と二次加害の問題に声を上げる人たちとの繋がりが大きな力となっています。私の命を失わずにいられます。

WiMN 性暴力を許さない女性記者の仲間たちも私を支えてくれています。WiMNは「当事者であることの発見」から始まったジャーナリストの団体で、「ジャーナリズムのあり方を問い直していく」ことも出発時点からの課題です。
WiMN公式サイト
https://wimnjapan.net/

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恫喝の手紙は、メディアの構造的な問題として、なかったことにはできません。

《「良きもの」の中で軽んじられる「個」の尊厳》ウネリウネラさんの言葉です。

私は今後も社会やメディアが抱えるこの問題を丁寧に考えて行きます。

元上司が手紙に書き連ねてきた彼に関する27年前の二次加害を争うのではなく、メディアトップとして、フラワーデモ直後に恫喝の手紙を被害者に送ったこと、しかも複数の記者を介するという倫理上の問題と道義的責任を問うとともに、新聞社として、性暴力と二次加害に具体的にどのような取り組みをするのか、問うて行きます。

私へ恫喝の手紙を送った新聞社社長は、私のフラワーデモ長崎でのスピーチで、おそらく初めて性暴力二次加害者としての「責任」に直面することになったとすれば、誠実に応答するべきでした。

新聞社社長として、二次加害を繰り返すのではなく、自身の新聞社では、性暴力と二次加害にどう取り組むか、具体的な方策を表明する良い機会だったはずです。

そうしていれば、メディアの新しいあり方が発信できたのではないでしょうか。

私はあの新聞社にそのような期待を捨てないでいたい。アクションを起こします。

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追記

取材対象から性暴力を受けたことも許せないのですが、その後、女性記者が警察幹部にハニトラ?などと報道した雑誌や同業他社の男性記者からの性暴力と二次加害が続いたこと、市政担当に異動したのちも著名な聖職者である平和活動家からも性暴力を受けたことが徹底的に私を打ちのめしました。社長が恫喝文を送ってきた新聞社の男性記者2人から重度の性暴力があったこともここに告白しておきます。

性暴力に対しても性暴力二次加害・セカンドレイプについても、防ぐための法整備が足りない。被害者に残酷な社会を変えるために、私に起きた性暴力と二次加害から明らかになったボーイズクラブであるメディアの構造を変えていく取り組みを始めました。

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